女性のための“ロールモデル”探しのポイント
働く女性に向けたアドバイスとして、「ロールモデルとなる人を見つけよう」という声がしばしばあります。具体的な目指すべきお手本を定めることで、自分に足りないものや身につけるべきスキル・経験などが身につくというのが、ロールモデルを見つけるメリットです。
しかし、「社内にはロールモデルがいない」という声や、「ロールモデルだと思った人がいたが実は違った」という声も。働く女性にとってロールモデルはどう探すべきなのでしょうか。ポイントを解説します。
そもそもロールモデル探しとは?
女性の社会進出が進む中で、「ロールモデルを見つけるとキャリアビジョンが明確になるよ」などと言われることが少なくありません。つまり、ロールモデルを探すことは、キャリアの指針=“なりたい自分”を探すことと言えます。
一昔前であれば、バリバリ働き出世がはやいキャリアウーマンをロールモデルとすることが多かったように思いますが、今はそうでもないようです。仕事もしながら、家庭も充実している。同僚に信頼されながら、家庭でも妻や母親の顔を持っている。そんな女性が憧れの対象としてロールモデルに設定されている印象です。
ロールモデルがいると、その人のやり方を真似て効率的に仕事ができたり、「前例があるのだから、自分にもできる」という励みになったりします。しかし、実際には「会社内には“こうなりたい”というロールモデルはいない」など、ロールモデル探しの難しさを感じている女性も多いようです。
ロールモデル探しのポイントと注意
1.「ロールモデルはいない」とあきらめずに視野を広げる
「ロールモデルなんていない!」と嘆いている女性にとって大切なのは諦めないことです。社内にいないのであれば、似た業態や規模の会社などで人脈を増やして会ってみてもよいでしょう。社内で探してみるのはもちろん社外の交流会に積極的に参加したり、雑誌や書籍の中でモデルを探してみたりするのもよいですね。視野を広げ、自分から動いてロールモデルを探していく姿勢が重要です。
2. 完ぺきなロールモデルを見つけようとせず、分野別に探す
自身の目標や生活スタイルなど、完全に一致するようなロールモデルを見つけるのは至難の業。完ぺきなロールモデルを探すのではなく、「この人の仕事への姿勢はよいな」「この人は家庭と仕事を両立していて素敵だな」など、細分化してロールモデルをつくっていくのは一つの手です。数人を掛け合わせることで、自分の目指したい姿が見えてくるでしょう。このように分類することで、「ワークライフバランスで悩んだらこの人に相談しよう」など、自分の悩みに応じて相談する女性も決まってきます。これは働く女性にとって、大きな支えになります。
3. 自分にとって軸になる部分も同時に考える
SNSなどでは、素敵なライフスタイルや自分の仕事の素晴らしさを伝えるような情報で溢れています。そうしたものをロールモデルとしてしまうと、表面的なものを追いかけてしまい、気づけば空しくなってしまうかもしれません。そうならないためには、自分自身にとって大切なものを焦点化することが重要です。自分の軸を考えていくことで、どんなロールモデルが必要かも明確化していきます。
4. ロールモデルは変わってもよい
「一度決めたロールモデルは変わってはいけない」と思っている方もいるかもしれませんね。しかし、自分の方向性や置かれた状況は随時変わっていくものです。「一生独身かも?」と思っていたら、結婚して子どもができるかもしれません。そうしたら、必然的に目指したい女性像は変わっていくでしょう。時期に応じてロールモデルは変わっていってよいのです。
5. ロールモデル探しで自分を追い詰め過ぎない
「こういう人をロールモデルにしなさい」などと上司に言われると、ロールモデルを決めなければいけないと精神的に追い詰められてしまう方もいるかもしれません。しかし、ロールモデルは無理やり決めるものではありません。「ロールモデルがいないからダメだ」ということでは決してないのです。
ロールモデルを決めることで、キャリアの方向性が定めることです。目指すべきゴールを見すえて、向上心を持てるようになれば、日々の仕事や生活にも張り合いが出るのではないでしょうか。(ライター:香山とも)