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    Web業界の営業職5選 主要業種別の特徴とキャリアパスを徹底解説

    Web業界でのキャリアを考えるとき、エンジニアやデザイナーなどの専門職に注目が集まりがちです。しかし、実はWeb業界の成長を支える重要な職種として「営業職」が存在します。

    Web広告代理店、SaaS企業、Webメディア企業、EC事業者、Web制作会社といった業種ごとに、営業のスタイルや求められるスキル、商材の特性は大きく異なります。デジタルに精通した営業人材への需要は年々高まっており、高いコミュニケーション能力と専門知識を兼ね備えた人材には、魅力的なキャリアパスが広がっています。

    記事の目次
    1. Web業界における営業職の位置づけ
    2. Web広告代理店の営業職
    3. Web系SaaS企業の営業職
    4. Webメディア企業の営業職
    5. EC事業者の営業職
    6. Web制作会社の営業職
    7. Web業界の営業職を選ぶポイント
    8. Web業界の営業職で成功するために

    Web業界における営業職の位置づけ

    Web業界は技術革新のスピードが速く、新しいサービスやビジネスモデルが次々と生まれる分野です。そのような環境の中で、営業職はクライアントのニーズを理解し、最適なWeb技術やサービスを提案する橋渡し役として重要な役割を担っています。

    業界特有の営業スタイル

    従来型のモノ販売の営業と比べると、Web業界の営業職はより「コンサルティング型」のアプローチが求められる場合が多いといえます。

    クライアントの課題を深く理解し、Web技術やサービスを活用した解決策を提案するためには、製品知識だけでなく、業界トレンドやデジタルマーケティングの基礎知識も必要です。また、オンラインでの商談やデモンストレーションなど、デジタルツールを活用した営業スタイルも一般的になっています。

    デジタル時代の営業職に求められる共通スキル

    Web業界の営業職には、業種を問わず共通して求められるスキルがあります。まず基本として、高いコミュニケーション能力とクライアントのビジネス課題を理解する力が必要です。加えて、Webの基礎知識やデジタルマーケティングの理解、データを読み解く分析力なども重要になります。さらに、急速に変化する業界において常に新しい知識を吸収し続ける学習意欲も欠かせません。

    では、各業種における営業職の特徴を詳しく見ていきましょう。

    1. Web広告代理店の営業職

    Web広告代理店の営業職Web広告代理店は、クライアント企業のデジタル広告運用やマーケティング施策を支援する企業です。Web広告の種類や効果的な運用方法を理解した上で、クライアントのマーケティング課題に応じた提案が求められます。

    広告営業の役割と業務内容

    Web広告代理店の営業担当者は、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など様々な広告商材の提案と販売を行います。具体的な業務としては、新規クライアントの開拓、既存クライアントとの関係維持、広告運用チームとクライアントの橋渡し役などが挙げられます。

    特に重要なのは、クライアントの業界や商材について理解を深め、KPI達成のためにどのような広告施策が効果的かを提案できることです。単に広告枠を売るのではなく、クライアントのビジネス成果に貢献する「ソリューション提案型」の営業スタイルが求められます。

    求められるスキルと適性

    Web広告代理店の営業職に求められるスキルとしては、以下が挙げられます。

    • 各種Web広告(リスティング、ディスプレイ、SNSなど)の特性と活用方法の理解
    • デジタルマーケティング全般の基礎知識(SEO、LPO、コンバージョン最適化など)
    • 広告効果測定の指標(CTR、CPC、CVR、ROASなど)の理解と分析力
    • 様々な業界のクライアントに対応できる柔軟性と適応力
    • 数値データに基づいた提案ができる論理的思考力

    適性としては、新しい広告手法やプラットフォームに関する情報をキャッチアップする好奇心と学習意欲を持ち、クライアントのビジネス課題に真摯に向き合える人が向いています。

    キャリアパスと転職ポイント

    Web広告代理店での一般的なキャリアパスとしては、営業担当者からチームリーダー、営業部長へと管理職を目指す道や、特定業界や広告領域のスペシャリストとなり、コンサルタントへと進む道などがあります。また、クライアント企業のマーケティング部門への転職や、独立してフリーランスのコンサルタントになるケースも多いです。

    特に大手代理店や成果報酬が充実している企業では、高い報酬を得られる可能性があります。

    転職を検討する際のポイントとしては、自身の担当クライアントでの具体的な成果(広告運用改善によるCVR向上率など)を数値で示せることが強みになります。また、面接では広告トレンドへの知見や、クライアント課題の解決事例を具体的に話せるよう準備しておくことが大切です。

    2. Web系SaaS企業の営業職

    Web系SaaS企業は、クラウド型のソフトウェアサービスをWebブラウザ経由で提供する企業です。MAツール(マーケティングオートメーション)、CRMツール(顧客関係管理)、チャットツール、プロジェクト管理ツールなど、様々なジャンルのサービスがあります。

    SaaS営業の役割と業務内容

    SaaS営業の主な役割は、自社のWebツールやサービスの価値を顧客に伝え、導入を促進することです。具体的な業務としては、新規顧客の開拓、製品デモの実施、契約交渉、導入後のフォローアップなどがあります。

    SaaS営業の特徴は、「プロダクト価値訴求型」の営業スタイルにあります。サービスの機能や特徴を単に説明するだけでなく、顧客のビジネス課題をどのように解決できるか、導入後にどのようなROI(投資対効果)が期待できるかを具体的に示すことが求められます。

    また、無料トライアルからの転換促進や、既存顧客のアップセル(上位プランへの移行)、クロスセル(他製品の追加導入)なども重要な業務となります。

    求められるスキルと適性

    Web系SaaS企業の営業職に求められるスキルとしては、以下が挙げられます。

    • 自社SaaSプロダクトの機能と活用方法の深い理解
    • クラウドサービスやサブスクリプションモデルの特性理解
    • ビジネス課題と解決方法を結びつける提案力
    • 顧客のITリテラシーに合わせた説明スキル
    • 効果的なWebデモンストレーションの実施能力

    適性としては、テクノロジーへの関心とプロダクトへの深い理解を持ち、顧客の業務プロセスを把握してソリューションを提案できる人が向いています。また、長期的な顧客関係構築を重視する姿勢も大切です。

    キャリアパスと転職ポイント

    SaaS企業でのキャリアパスとしては、インサイドセールス(内勤営業)からフィールドセールス(外勤営業)へのステップアップや、アカウントエグゼクティブ、セールスマネージャーなどのマネジメント職への道があります。また、カスタマーサクセスやプリセールスなど、営業に近い専門職へのキャリアチェンジも可能です。

    収入については、特に成長フェーズのSaaSスタートアップでは、ストックオプションなど将来的な報酬も含めて検討する価値があります。

    転職を検討する際のポイントとしては、SaaSビジネスモデルへの理解(MRR、チャーン率、LTVなどの指標)をアピールすることが重要です。また、面接では実際に自社製品を使用した経験があると好印象を与えられます。

    3. Webメディア企業の営業職

    Webメディア企業は、オンライン上でコンテンツを提供し、広告収入を主な収益源とする企業です。ニュースサイト、キュレーションメディア、専門情報サイト、口コミサイトなど、様々な形態があります。

    メディア営業の役割と業務内容

    Webメディア企業の営業担当者は、主に広告主に対して自社メディアの広告枠を販売する役割を担います。バナー広告やテキスト広告といった純広告や、記事タイアップ広告、タイアップコンテンツの企画・提案などが主な業務です。

    Webメディア営業の特徴は、「メディア価値訴求型」の営業スタイルにあります。自社メディアの読者層や特性を理解し、広告主のターゲット層とのマッチングを提案することが重要です。また、広告効果を最大化するための掲載位置や訴求内容の提案も求められます。

    特に大手メディアでは、広告代理店を通じた営業も多いため、広告会社との関係構築も重要な業務となります。

    求められるスキルと適性

    Webメディア企業の営業職に求められるスキルとしては、以下が挙げられます。

    • 自社メディアの特性と読者層の理解
    • Web広告の種類と特性の知識(ディスプレイ広告、ネイティブ広告など)
    • 広告効果測定の基礎知識(PV、UU、CTR、CVRなど)
    • コンテンツマーケティングの基礎理解
    • 提案書作成と企画力

    適性としては、メディアコンテンツへの関心と理解があり、クライアントのブランドや商品の魅力を引き出すための企画力を持つ人が向いています。また、タイアップ企画などでは編集チームとの協働も多いため、社内調整能力も重要です。

    キャリアパスと転職ポイント

    Webメディア企業でのキャリアパスとしては、営業担当者からチームリーダー、営業部長へと管理職を目指す道や、広告企画やメディアプランナーとしてクリエイティブ側にキャリアを広げる道があります。また、広告代理店や広告主企業のマーケティング部門への転職も可能です。

    収入は、大手メディア企業や特定分野で強いニッチメディアでは、高い報酬が期待できる場合もあります。

    転職を検討する際のポイントとしては、自身が担当した広告企画の成功事例(CTRやCVRの改善率など)を具体的に示せることが強みになります。また、面接ではWebメディアのトレンドへの理解や、自社メディアをどのように成長させたいかというビジョンを語れると良いでしょう。

    4. EC事業者の営業職

    EC事業者の営業職EC事業者は、インターネット上で商品やサービスを販売する事業を展開する企業です。自社ECサイトを運営する企業と、楽天市場やAmazonなどのモールに出店する企業があります。

    EC事業の営業職の役割と業務内容

    EC事業者における営業職は、主に以下の2つのタイプに分けられます。

    1つ目は「サプライヤー向け営業」で、EC事業者が取り扱う商品の仕入れ先や製造元との関係構築や交渉を担当します。より良い条件での商品調達や、独占販売権の獲得などが主な業務です。

    2つ目は「法人顧客向け営業」で、BtoB向けECサイトや卸売りECプラットフォームなどで、企業顧客の開拓や関係維持を担当します。

    いずれも「取引関係構築型」の営業スタイルが特徴で、単なる売買取引ではなく、長期的なパートナーシップの構築が重要です。特にオムニチャネル戦略を展開する企業では、実店舗との連携やブランド戦略も視野に入れた提案が求められます。

    求められるスキルと適性

    EC事業者の営業職に求められるスキルとしては、以下が挙げられます。

    • EC市場とトレンドへの理解
    • 商品知識と市場価値の把握能力
    • 物流やフルフィルメントの基礎知識
    • 在庫管理や価格戦略の理解
    • データに基づいた交渉力と提案力

    適性としては、市場の変化に敏感で商品や価格に対する感度が高く、Win-Winの関係構築を重視できる人が向いています。また、数字に強く、売上や利益率などの指標を常に意識できる人材が評価されます。

    キャリアパスと転職ポイント

    EC事業者での一般的なキャリアパスとしては、営業担当者からカテゴリーマネージャー、購買部長や営業部長などの管理職を目指す道や、マーチャンダイザー(商品企画・調達担当)としての専門性を高める道などがあります。また、自ら独立してEC事業を立ち上げるケースも少なくありません。

    収入については、特に売上規模の大きいECサイトや、高利益率の商材を扱う企業では、高い報酬が期待できます。

    転職を検討する際のポイントとしては、担当した商品カテゴリーでの売上拡大実績や、取引先との交渉による利益率改善事例などを具体的に示せると強みになります。また、面接ではEC業界の最新トレンド(D2C、サブスクリプションECなど)への理解をアピールすると良いでしょう。

    5. Web制作会社の営業職

    Web制作会社は、クライアント企業のWebサイトやアプリケーションの制作・開発を請け負う企業です。コーポレートサイト制作から、ECサイト構築、Webアプリ開発まで、幅広い案件を手がけています。

    制作会社営業の役割と業務内容

    Web制作会社の営業担当者は、クライアントのWeb制作ニーズを掘り起こし、適切な提案を行う役割を担います。具体的な業務としては、新規クライアントの開拓、ヒアリングとニーズ分析、提案書作成、見積もり提示、契約交渉などがあります。

    Web制作会社営業の特徴は、「プロジェクト獲得型」の営業スタイルにあります。単発の制作案件から、保守・運用を含めた長期的な支援まで、クライアントのニーズに合わせた提案が求められます。また、制作チームとクライアントの橋渡し役として、プロジェクト全体の円滑な進行をサポートする役割も担います。

    近年では、制作だけでなく、Web戦略の立案からコンサルティングまで含めた総合的な提案ができる営業が重視される傾向にあります。

    求められるスキルと適性

    Web制作会社の営業職に求められるスキルとしては、以下が挙げられます。

    • Webサイト制作の基本的な流れとプロセスの理解
    • HTML/CSS、WordPressなどの基礎知識
    • UX/UIデザインの基本的な考え方
    • 予算や工数の見積もり能力
    • プロジェクト管理の基礎知識

    適性としては、デザインや技術への理解がありながらも、クライアントのビジネス課題に焦点を当てられる人が向いています。また、デザイナーやエンジニアとの協働が多いため、技術者とクライアントの間をつなぐコミュニケーション能力も重要です。

    キャリアパスと転職ポイント

    Web制作会社での一般的なキャリアパスとしては、営業担当者から営業マネージャー、営業部長へと管理職を目指す道や、Webディレクターやプロジェクトマネージャーとして制作側にキャリアを広げる道などがあります。また、クライアント企業のWeb担当部門への転職や、独立して制作会社を立ち上げるケースも見られます。

    年収は、大規模なWeb開発案件を多く手がける企業や、特定領域に強みを持つ制作会社では、高い報酬が期待できます。

    転職を検討する際のポイントとしては、担当した案件の規模や複雑さ、クライアントとの長期的な関係構築の実績などをアピールできると強みになります。また、面接ではWeb制作の技術トレンド(ヘッドレスCMSやJamstack、PWAなど)への理解を示せると好印象です。

    Web業界の営業職を選ぶポイント

    これまで見てきたように、Web業界の営業職は業種によって求められるスキルや業務内容が大きく異なります。自分に合った業種を選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。

    1. 自己の強みと各業種の親和性

    まず、自分の強みと各業種の特性の相性を考えましょう。例えば、マーケティングの知識が豊富な人はWeb広告代理店、テクノロジーへの理解が深い人はSaaS企業、コンテンツへの興味が強い人はWebメディア企業、商品やビジネスへの関心が高い人はEC事業者、デザインや制作プロセスへの理解がある人はWeb制作会社など、自分の得意分野や関心と親和性の高い業種を選ぶことで活躍しやすくなります。

    2. 将来性を見据えたキャリア選択

    業界トレンドと将来性も重要な判断材料です。例えば、SaaS市場は今後も成長が見込まれていますし、EC市場も拡大傾向にあります。また、企業のDX推進に伴い、Web制作からデジタル戦略支援へとシフトする企業も増えています。自分の長期的なキャリア目標と照らし合わせ、将来性のある業種・企業を選ぶことが大切です。

    いずれの業種を選ぶ場合も、Web業界全体の知識とデジタルリテラシーを高めていくことは共通して重要です。また、一つの業種で身につけたスキルは、他の業種でも活かせる場合が多いため、柔軟にキャリアを構築していく姿勢も大切です。

    Web業界の営業職で成功するために

    Web業界の主要5業種における営業職の特徴と可能性について見てきました。Web広告代理店の「ソリューション提案型」営業、SaaS企業の「プロダクト価値訴求型」営業、Webメディア企業の「広告枠販売型」営業、EC事業者の「新規開拓型」営業、Web制作会社の「プロジェクト獲得型」営業と、それぞれに特徴があります。

    共通しているのは、デジタルリテラシーとビジネス感覚の両方が求められる点です。これからのWeb業界の営業職は、単なる「売り手」ではなく、顧客のビジネス課題を理解し、最適なソリューションを提案できるパートナーとしての役割がより重要になっていくでしょう。自分の強みや志向に合った業種を選び、専門性を磨くことで、Web業界で価値ある営業キャリアを構築できます。

     

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