ネット業界への転職前に押さえておきたい3つのポイント＋α
パソコン1台あれば立ち上げが可能なネット企業。多くの企業が乱立している分、会社規模や事業内容、社風なども千差万別なので、転職前の段階で必要な情報を収集することが重要です。
どの職種でも共通で押さえておくべきポイント
もちろんWebエンジニアなどの技術職やWebデザイナーなどのクリエイティブ職、営業・企画職など、職種によって転職時に押さえておくべきことが変わってきます。しかし、いくつかは共通して誰しも抑えておくべきポイントというものがあります。ネット業界に転職する際には、まず以下の3点について確認しておくと良いでしょう。
- 自社サービスはあるか？
- 職務範囲はどうなっているか？
- 労働環境はどうか？
＜自社サービスはあるか？＞
例えば「自社開発したゲームアプリを運営している」、「自社ならではのクラウド構築サービスを運営している」など、自社サービスの有無によって仕事の内容が変わってきます。会社の事業が自社サービスのみの場合、それをリスクと取るか否かは個人差が出る部分です。どういった業務内容なのか、個人・企業向けどちらのサービスなのかなど、自分の志向と照らし合わせる必要があるでしょう。また自社サービスがある場合でも、受託案件の割合を確認しておく必要があるでしょう。
＜職務範囲はどうなっているか？＞
企業によって、担当者の職務範囲は大きく変わってきます。同じ「Webサイト制作の営業」であっても、ただ案件を獲得してくるだけの営業もあれば、サイト制作のディレクションにもかかわる営業もあります。以前経験した企業と同じような名前を使っていても、新しい企業では求められているものが違うこともあるでしょう。求人情報だけで確認するのではなく、面接時には具体的にどういったことを担当するのか質問し、働くイメージをつかんでおくと安心です。
＜労働環境はどうか？＞
成長著しいネット業界ですが、予算や納期へのプレッシャーが強いため、ブラック企業的な労働が発生しやすい業界でもあります。そのため、転職する前に企業の労働環境を把握しておく必要があるでしょう。固定残業費の有無や平均残業時間などの勤務実態は、事前に入手しておきたい情報。これらの情報が開示されていなかったり、確認してもはっきりしなかったりする場合は、特に注意が必要です。
職種別に押さえておくべきポイント
さらに、職種別に押さえておくべきポイントもあります。大きく以下の3つを考えてみましょう
- 技術職 → 技術の方向性はどうか？
- クリエイティブ職 → 会社がリテイクをどうとらえているか？
- 営業・企画職 → その会社の売りは何か？
＜技術職 → 技術の方向性はどうか？＞
ネット業界の進歩は早く、10年後も同じスキルのままで十分とは言えない状況です。企業全体として、より良い技術の採用に積極的であるべきでしょう。
社内で技術の進歩に意欲的でない望まない企業は、事業そのものが陳腐化してしまったり、セキュリティ上で大きな課題を抱えることになったりすることに注意する必要があります。社内風土として新しい技術習得が奨励されているかなど、現職の方に確認することで判断できるでしょう。
＜クリエイティブ職 → 会社がリテイクをどうとらえているか？＞
Webデザイナーによくある悩みとして、漠然とした指示・要望が原因で何度もリテイク（修正）を行うことが挙げられます。顧客側がWebクリエイティブについて理解不足であることも原因の1つですが、会社側がクリエイティブ職を軽視していることも考えられます。しかし人員を割く必要があり以上、リテイクにはコストがかかります。「顧客に明確な指示を求める」、「不要なリテイクを発生させない」など、リテイク減少に積極的な企業を選ぶことは、Webのクリエイティブ職にとって1つの判断基準になるでしょう。
＜営業or企画職 → その会社の売りは何か？＞
マネタイズが容易ではないネット業界では、同業他社と違う“売り”や強みがあることが理想です。強みがない場合は短納期や低価格勝負になりがちで、技術職やクリエイティブ職に無茶な要求を押し付けられることになります。これは長く続けられるビジネスではありません。そのため、「この会社は本当にビジネスとしてやっていけるのか」「他社に負けない事業があるか」などを転職前に見抜く必要があります。その際、企業側が説明する“売り”をうのみにするではなく、自分の頭で判断し、納得できる“売り”かどうかを判断しましょう。
会社によって事業内容や会社規模、社風などが大きく異なるネット業界への転職では、転職前の段階で必要な情報を収集できるかがポイントです。今回紹介した共通ポイント以外にも、自分なりの重要ポイントを加味することで、より満足度の高い転職へと繋げられるでしょう。（ライター：ナレッジ・リンクス/原 進）
