スマホアプリ分野への転職で知っておきたい3つのこと
ネット業界への転職を考える際、特に盛り上がりが見込めるスマホアプリ分野。技術者であればサーバサイドやUI/UXに関する知識が活かせますし、営業職やマーケティング担当、広報担当など非技術職の人も活躍できます。
しかし、こちらの記事にあるようにネット業界の会社は玉石混交。多くの企業がスマホアプリ分野で人材を募集しているため、必ずしも「転職すれば今後は安泰」とは言い切れません。「面白そうなアプリの運営にかかわれると思って転職したが、実は赤字続きのサービスだった…」ということも十分考えられます。スマホアプリ分野への転職を失敗しないために知っておくべきことは、以下の3つです。
- マネタイズに力を入れているか
- 自社サービスを開発しているか
- 世界的な展開をしているか
1. マネタイズに力を入れているか
開発したスマホアプリが儲かるかどうか、100%の正解はありません。しかし、儲かるアプリには特徴があります。それはユーザーに新しい価値を提供できていること、そして収益を上げるためのマネタイズがきちんと考えられていることです。
App StoreやGoogle Playなどのストアには、基本無料というアプリが無数に並んでいます。その中で、ユーザーにお金を払ってもらえるほどの価値があるか? お金を払ってもらえるための工夫がされているか? こうしたことをきちんと考えている企業であれば、スマホアプリ開発が赤字事業になることはないでしょう。転職後もしっかり稼ぐことができそうです。
アプリの課金体系は、アップルやGoogleなどの規約で変更されることが珍しくありません。例えば近年、iOSではブーストアプリ(他のアプリをインストールする代わりに、ポイント付与など何らかのインセンティブをユーザーに与えるアプリ)が規制されています。可能であれば、こうした情報も考慮する必要があります。
2. 自社サービスを開発しているか
スマホアプリ開発を手掛けているといっても、他社の要請を受ける開発する受託開発と、自社サービスをアプリ化する自社開発の2通りがあります。それぞれ収益構造が変わってくるため、転職する際には転職先がどちらに含まれるかを知っておく必要があるでしょう。
例えば、技術者としてヒットアプリを作って大きなインセンティブを得たいのであれば、自社サービスで開発できる体制が必要になります(もちろんインセンティブ給の制度も必要です)。スマホアプリ開発に限らず、受託開発だけで経営している企業は、往々にして業務に余裕がなくなりがち。そのため、自社アプリの開発に人員を割く余裕もないことが多いのです。とにかくスマホアプリ開発を手掛けられればいいのか、それとも、自社でのスマホアプリ開発を手掛けたいのか、よく考えておきましょう。
3. 世界的な展開をしているか
アプリを海外向けにも展開している、あるいは海外展開を予定している場合、その戦略を知っておく必要があります。スマホアプリは「日本で売れたら世界でも売れる」というものではなく、各国の言語や文化、好みなどを把握した上で開発・販売しなければなりません。
例えば「世界展開を考えているスマホゲーム」を開発中だというのに、英語翻訳が手抜きという会社があれば、社内ではずさんな販売戦略しか検討されていないのかもしれません。担当者の本気度も低いと考えたほうがいいでしょう。逆に翻訳や海外マーケティングがしっかりしているのであれば、事業戦略を考えたスマホ開発ができている会社と見なせます。転職先の候補としては申し分ないでしょう。
盛り上がりを見せているスマホアプリとはいえ、当然ながらユーザーがいなければ利用されません。ユーザーを第一に考え、どのようなものが求められていて、どのように使われるか、どのように収益を上げるかを考えている企業でなければ、転職後に後悔する可能性もあります。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)