銀行事務 ~金融業務の事務処理を支える影のサポーター~
仕事の役割 ~銀行での事務処理を正確にこなす~
銀行事務の仕事は、各種の銀行における窓口後方でのバックオフィス業務がメインになります。具体的には、口座開設や入出金・振込・各種申込の受付・確認、預金関連業務、データ入力や電話応対などです。企業もしくは本人のスキルによっては、融資やローンに関連する書類作成業務、投資信託・外為に関連する業務などもおこないます。
銀行の窓口が開いている、朝9時から15時までは細かい事務作業に追われます。窓口が混み始めると、休む間もなく次から次へ、やることが山積みになるので、テキパキ事務処理をこなしていかなければなりません。それと同時に、お金を扱う仕事ならではの「正確さ」が求められます。窓口が閉まった後は、伝票の数字と現金の金額を照らし合わせる作業があり、このときに1円でも誤差があれば原因が追求できるまですべての書類をひっくり返して再確認することもあります。一般企業の事務職よりも厳格な「正確さ」が求められる仕事と言えるでしょう。
おおよその年収
平均年収は約370万円。一般企業での事務職よりも、やや高めというところが多いようです。また、銀行という安定企業での事務作業なので、女性からの人気も高めです。
求められる能力 ~正確・スピーディな事務処理能力~
銀行に勤務する以上、ある程度の金融知識が求められます。金融関連の専門用語、経理業務の基本知識などは身につけておく必要があるでしょう。また、未経験からスタートする場合、事務処理に関するトータルな能力が求められます。そこに正確さとスピードが要求されますので、理解力や物覚えの早い人だと業務にもすぐ慣れることができるでしょう。当然ながらワードやエクセルなど、パソコンスキルがあることも必須です。特にエクセルに関しては関数を使いこなせる人ほど重宝されます。
また、最近ではどこの銀行でも、外為や投資信託などを扱い、新商品や独自のサービスを展開しています。常に向上心を持って、自社商品の理解を深めていくことが大切です。そして、銀行業務はとにかくマニュアル重視。「事務の堅確性」「検証」「照合」という言葉が当たり前のように飛び交います。顧客のお金を扱う仕事なので、責任があります。正確で、ミスをしない・ミスがあってもすぐにリカバリーできるスタンスが求められます。
向いている人柄 ~数字を扱うのが好きで几帳面な人~
日常的にお金を取扱う仕事なので、数字が好きな人や几帳面な人に向いています。また、経済に関心のある人は銀行事務の仕事に面白みを感じるでしょう。他人のお金を扱う仕事なので、「これぐらいいか」と、いい加減な事は絶対に許されません。細かいことに神経を使う必要があるので、精神的にもタフで緻密な性格の人が向いています。
仕事のやりがい ~金融を支え、自分のライフプランも描ける~
営業や窓口係のようにノルマを問われる仕事ではないので、銀行事務は仕事の成果が見えにくい仕事とも言えます。お客さまからも直接「ありがとう」と言われる機会も少ないのですが、この仕事があって初めて銀行が滞りなく貸付業務をおこなうことができます。銀行は金融のかなめとなる存在ですから、社会のお金の動きを支える、その一翼を担っているともいえるでしょう。また、仕事を通して、豊富な金融知識が備わり、自分の人生に役立つこともやりがいにつながります。
仕事の辛いところ ~1円に泣かされるのは銀行の仕事ならでは~
お客様の大切なお金を預かる仕事ですので、普通の仕事よりもかなり神経を遣います。わずかな計算ミスも許されない世界なので、そこが、この仕事ならではの辛さです。例えば閉店後の照合作業では、誤差が1円だけだったとしても原因がわかるまで帰れないこともあります。常に正確な仕事を要求されるため、向き・不向きがはっきりしている仕事ですが、安定している仕事なので人気の職業です。(ライター:二之形幸子)