雑誌編集者 ~売れる雑誌をつくる仕掛け人~
仕事内容 ~企画を考え、人をコーディネートする~
雑誌の編集者は、出版社や編集プロダクションに勤務して、週刊誌・月刊誌・季刊誌など様々な雑誌を編集します。主な仕事内容は、企画を考えること、そしてその企画を実現させるための情報収集やライターやカメラマンなどの選定、ページ構成を考えることなどです。もちろん、取材先への取材交渉なども編集者の仕事のひとつです。
依頼した文章や写真などができあがったら、何度も校正を繰り返し、印刷所に入稿します。マスコミ業界で活躍する編集者というと、華やかなイメージもありますが、一部の大手出版社社員以外は、年収がそう高いわけでもないのにサービス残業が多く、休日出社を余儀なくされているのが現実です。とは言え、芸能人や有名作家たちと仕事をする機会も多く、自分が手がけた雑誌を書店やコンビニで見かけるときなどは編集者の仕事のやりがいにつながります。
おおよその年収
出版不況と言われている通り、忙しい中でも平均年収は400万円~500万円ほどです。しかし、大手出版社や編集長クラスだと、年収1000万円以上を稼ぎ出すことも可能です。
求められる能力 ~みんなに読んで欲しいという熱い思い~
雑誌編集者に求められる能力は企画力・行動力・コミュニケーション能力など、挙げるときりがありません。もちろん、活字に関わる仕事なので、文章力も求められます。その他、人と人を調整するコーディネート力が最も必要とされるでしょう。編集者はさまざまな担当者やクリエイターとのやりとりしながら、ひとつの雑誌を完成させていくので、自分勝手に突き進むのではなく、全体のかじ取りをしながら仕事を進めていく能力が重要です。
また「活字が好きだ」「みんなに自分が作った雑誌を読んでもらいたい」という熱い情熱も売れる雑誌作りの根幹です。編集者のそんな一途な思いから、人々の心を動かす雑誌が作られていくのです。
向いている人柄 ~好奇心旺盛で、センスのある人が編集者向き~
編集者は時代を読み解くセンスが大切です。流行に敏感で、それがなぜ流行しているのかを考え、時代が求めているものを日頃から考えられる人が向いています。センスを磨くために幅広い知識や教養を身につけることはもちろん、そういったことへの労力を惜しむことなく、好奇心旺盛に行動していける人が向いています。
仕事のやりがい ~手掛けた1ページが文化の潮流になることも~
編集者のやりがいは自分が携わったものがひとつの形になり、多くの人に読んでもらえることです。さらに、雑誌の誌面が話題になったり、人々の反応がダイレクトに実感できたりするというやりがいもあります。雑誌で組んだ特集記事が世の中の新しい文化を創り出すことさえあります。また、普通に会社員をしていたら出会えないであろう、刺激的な人たちに出会えることも、編集者の人生に彩りを与えるやりがいに違いありません。
仕事の辛いところ ~会社に寝泊まり、仮眠室つきの過酷な環境~
編集者に苦労はつきもので、締め切り前は会社で寝泊まる日が続くこともあります。出版社や編集プロダクションには仮眠室のようなものがあり、簡素なソファーが置いてあることが仕事の厳しさの現実を物語っています。特に締め切りの一週間前からは業務にも熱が加わり、ストレスの限界を感じることも多々あります。そのような激務をこなせるのも「いい誌面を作りたい」という編集者の情熱があるからでしょう。(ライター:二之形幸子)