CGデザイナー ~あらゆるCGを駆使する表現者~
仕事の役割 ~エンタメからモノづくりまで幅広く活躍~
CGとは、コンピューターグラフィックスの略。映画やアニメ、ゲーム、テレビCMといったさまざまな分野でビジュアル表現が使われるなか、CGデザイナーのニーズも年々高まっています。イラストレーターなどと同じく、クライアントからの依頼を受けて、CGを制作し、納品することで生計を立てています。映画プロダクションやゲーム会社に専属で勤務することもあれば、独立して個人でCG制作を請け負っている人もいます。
CGデザイナーは、おもにパソコンを駆使して映像表現することがミッション。具体的には専用のCG作成ソフトを使用し、2D・3DのCG制作を手掛けます。動きのない静止画だけでなく、ときには動きのあるアニメーション画像まで手掛けることもあります。デッサン画を元にモデリング(立体物の形を計算し、形成すること)という作業を行い、リアルな映像を作り上げ、必要に応じてさまざまな動きや効果を加えていきます。エンタメ分野の映像作品のほか、建築や自動車の、産業機械のモデル図まで、幅広い分野で活躍することができます。3DCGの技術の進歩とともに、これからも活用の場は広がっていくでしょう。
おおよその年収
企業に勤めるCGデザイナーの場合、平均して約400万円~500万円ほどが年収の目安です。ただ、独立してフリーになる人も多く、売れっ子になると年収1000万円を超える人もい少なからずいるようです。
求められる能力 ~時代の先端を開拓するセンスと意識の高さ~
CGデザイナーに特別な資格や学歴は必要ありませんが、美術大学やCGデザインを学べる専門学校で、デザインやCG制作を学んでおいた方が有利です。特に、専門学校ではCGデザイナーの基本的な技術を学ぶので、できれば通った方がよいでしょう。クリエイティブな要素の強い仕事ですので、時代を切り拓くセンスの高さも問われます。
また、パソコンに向かって黙々と仕事をする時間が多いので、集中力が求められます。その集中力を支えるのが「デザインすることが好き、ものづくりが好き」というクリエイティブな思い。納期前は、体力的にも精神的にもきついですが、最後まで粘り強く「いいものをつくりあげよう」とする意志の強さが大切です。
向いている人柄 ~地道な作業の繰り返しでも飽きない人~
CGデザイナーの仕事は、似たような作業を繰り返し行います。ですので、美的センスが高いことに加えて、地道な作業が好きな人が向いています。また、黙々とパソコンに向かうので、ひとつのことに集中して仕事をしたい人には天職と言える職業です。身体的な体力も必要ですが、実は「精神面」での体力も必要で、タフな方、むしろ追い込むことを楽しめるという方はCGデザイナーに向いています。
仕事のやりがい ~自分の名前が作品に掲載される達成感~
ゼロの状態からCGを作り、クライアントに高く評価され、満足のいくものが出来たときの達成感はかなり大きいでしょう。また、映画やゲーム、アニメなどのエンタメ分野であれば、自分の作った作品が数多くの人に触れられます。作品がたくさんの人に評価され、自分の名前が制作者として掲載されたとき、この仕事の醍醐味を感じるでしょう。
仕事の辛いところ ~長い労働時間とリテイク~
CGデザイナーはどうしても労働時間が長くなりがちです。特に近年はリアルなCGが求められており、細かいところまで作り込む必要があります。さらに、進化を続ける最新のCG作成ソフトの習熟にもついていく必要もあるので、労働は長時間化しがちです。また、一度納品した作品について、クライアントが満足しなければリテイク(作り直し)を求められることもあります。(ライター:二之形幸子)