インテリアコーディネーター ~快適な生活空間を演出する~
仕事の役割 ~部屋や店舗の見た目と機能を考える~
インテリアコーディネーターは、お客様の要望やイメージにもとづいて、家具や壁紙など部屋全体のインテリアを演出する仕事です。例えば一般家庭の一軒家をコーディネートする場合、家族構成や予算、どのような住まいを求めているのかなどを考慮しながら、家具の配置を決め、照明器具やキッチン設備の提案をし、壁紙などをアドバイスします。見た目だけでなく、実際に快適に暮らせる生活空間を提案するのが役割なので、数年後~十数年後の家族のライフスタイルも想像しながら提案していくことが大切でしょう。
インテリアコーディネーターは住宅のほか、オフィスのレイアウト、百貨店やレストラン、ホテルなどの商業施設、不動産会社のモデルルームなどが活躍の場となります。感性を活かしつつ、お客様のイメージを形にする仕事なので人気もあります。インテリア業界の企業や住宅関連企業、建築設計事務所などに所属し、建築士や企画スタッフと兼業する人も少なくありません。一方、多くの顧客を自分で獲得できるようになれば、専業のインテリアコーディネーターとしてフリーで活躍する人もいます。
おおよその年収
平均年収は約300~450万円とあまり高くありませんが、建築士や不動産会社の企画スタッフと兼業しながらインテリアコーディネーターとして活躍することも可能です。
求められる能力 ~空間演出の知識・センス、コミュニケーション能力~
インテリアコーディネーターに必須の資格はありませんが、多くの人がインテリアコーディネーター資格を取得しています。また、建築系の大学や専門学校である程度の建築や美術の基礎知識を学んでおくと転職にも有利です。未経験からであれば、インテリアデザインの事務所や家具メーカー、住宅設備メーカーなどで働きながら、実務経験を積んでいくという道もあるでしょう。その上で、家具や住居設備などの知識はもちろん、デザインの流行、住環境の変化を読み解くスキルや美的センスを求められます。
また、お客さまに満足してもらうため、相手の要望を引き出すコミュニケーション能力や、実際に住んだときのことを考えることができる想像力も大切です。どんな住まいにしたいのか、どんな店舗にしたいのかをヒアリングし、それを形にできる人が活躍できるでしょう。
向いている人柄 ~インテリアと人が好きでいつも前向きな人~
お客様はもちろん、メーカーの担当者や施工業者などメーカーの人など、たくさんの人と接する仕事なので、明るく前向きに行動できる人が向いています。また、オフィスワークだけでなく、打ち合わせや現場の確認など外に出ることも多い仕事なので、体力はあればあるほど良いでしょう。さらに、住居やインテリアに関する流行や美的センスを求められる仕事なので、世の中の動きに敏感な人が向いています。
仕事のやりがい ~自分のコーディネートでお客様を笑顔に~
インテリアコーディネーターは、見栄えよく快適な生活空間を創造し、お客さまに感動を与え、満足してもらうことをやりがいです。自分のコーディネートによってお客様が喜び、「ありがとう」と言われることは、インテリアコーディネーターにとって何よりも嬉しいことです。また、レストランや小売店のコーディネートを手がけることで、その店舗の売上アップや顧客獲得にも貢献できます。お客さまから信頼される存在になれば、「またインテリアの相談お願いしたい」と、次の仕事につなげていくこともできるでしょう。
仕事の辛いところ ~古い業界の気質に悩まされ、徹夜が多くなることも~
建設や住宅関連業界は、まだまだ男性社会。インテリアコーディネーターを目指す人は女性のほうがダントツに多いと言われていますが、古い体質の業界に馴染めないこともよくあるようです。また、オープン直前の店舗のコーディネートを手がけると、夜遅くまで仕事が続いたり、休日返上になったりするなど、オーバーワーク感も否めません。とは言え、イメージを形にできたときの達成感はこの仕事ならではの喜びです。(ライター:二之形幸子)