芸能マネージャー ~タレントの管理から宣伝戦略まで~
仕事の役割 ~芸能人と二人三脚でビジネスを~
芸能マネージャーのおもな仕事は、タレント(芸能人や歌手など)のスケジュール管理です。売れっ子芸能人の場合、分刻みのスケジュールなので、マネージャーは本人に代わって、1日の流れを管理します。タレントが仕事に集中できるように当日の仕事を伝え、外部(テレビ局や事務所、メディア、ファンクラブなど)との交渉をおこない、本人が芸能活動に専念できるようにサポートをするのが役割です。
一方で、タレントを売り込み、彼・彼女らに仕事を持ってくるのも芸能マネージャーの重要な仕事です。芸能マネージャーもタレントも、タレント事務所という企業の従業員ですから、タレントに仕事がなければ、事務所にお金は入らず、芸能マネージャー本人の実績にもならないのです。番組プロデューサーに売り込んだり、雑誌に取り上げてもらうように交渉したりと、タレント本人のイメージアップと成長につながるように営業職・企画職的な役割も担います。
実際に仕事が取れるようになれば、タレントに対して客観的にアドバイスしたり、スランプになっていたら親身になって励ましたりすることも大切です。ときには厳しく、ときには優しく、二人三脚のパートナーとして接する姿勢が重要でしょう。
おおよその年収
平均年収は約550万円とやや高めですが、芸能マネージャーとして実績を積み、テレビ番組に出られるような芸能人の担当となった場合の金額です。若手マネージャーだったり、小規模事務所の芸能人のマネージャーだったりすると、年収300万~400万円ということも少なくありません。
求められる能力 ~車の運転の上手さと流行への敏感さ~
芸能マネージャーに特別な資格は必要ありませんが、タレントの送迎をする機会が多くあるため、普通自動車免許はほぼ必須です。もちろん、都心などの込み合った道路を実際に運転できるレベルの運転スキルも求められるでしょう。併せて、分刻みでのスケジュールをコントロールできる時間管理能力も必要です。
また、仕事ではテレビやラジオ、新聞・雑誌などのマスコミ関係者と接するので、誰とでも円滑に話しを進められるコミュニケーションスキルの高さが求められます。芸能の仕事は、テレビをはじめ人前に出る仕事が中心です。マネージャー本人が表に出ることはほとんどありませんが、ファッションや世の中の流行を敏感に察することは大切です。芸能界は華やかですが、縁の下の力持ちとして、タレントを支えるスキルが求められます。
向いている人柄 ~人材を管理できるヒューマンスキルの高さ~
華やかなイメージの芸能界ですが、芸能マネージャーの仕事はあくまでも「縁の下の力持ち」的な仕事です。タレントが全力を出せるようサポートする立場です。華やかな世界にあこがれるだけではなく、“才能の持ち主”を育てようとするプロデューサー的な意識のある人が向いているでしょう。芸能界は浮き沈みの多い世界です。ときには冷静に意見したり、親身に話を聞いたりするなど、人材を管理できるほどのヒューマンスキルの高い人が向いています。
仕事のやりがい ~タレントの活躍に大きなやりがい~
テレビで活躍する芸能人や俳優・女優、アーティストたちと一緒に仕事をするのは、自分を高めようとする向上心につながり、やはり刺激的なものです。芸能マネージャーは、表舞台に立つことはありませんが、タレントの活躍を支え、その成長を促進させることにっ全力を尽くせるポジションです。そのことに喜びを感じられる人であれば、芸能マネージャーの仕事はまさに天職となるでしょう。売れない時代のタレントを支え、時間をかけて実績を積んだ結果、人気が出たりすれば、この上もない喜びに結びつくでしょう。
仕事の辛いところ ~芸能人のストレス発散のターゲットに?~
タレントが売れているのは良いことですが、売れる=休みがない、という状態が続きます。睡眠時間も削り、休日返上で仕事をすることも日常茶飯事です。また、年下のタレントに使いパシリのように扱われることもよくありますが、そのようなことにいちいちクヨクヨしない人であれば長続きするでしょう。(ライター:二之形幸子)