イベントプランナー ~華やかなイベントを裏で支える~
仕事の役割 ~イベントの企画、準備、運営を担う~
世の中には、企業の展示会やモーターショー、アーティストのコンサート、博覧会など、たくさんのイベントがあります。来場者が数十名~百名規模のものなら、営業職や広報・宣伝担当者がイベント企画を兼任することもできますが、数千名~数十万名の来場者が訪れる大規模イベントとなれば、イベントプランナーの出番です。
イベントプランナーはあらゆるイベントを企画・準備・運営します。主な仕事はイベントを企画する上で必要な情報収集から始まり、イベント内容の企画、会場場所の選定、集客のためのプロモーション立案、音響・照明・美術効果などの会場作りまで多岐にわたります。また、これら一連の業務を、イベントの主催であるクライアントと相談しつつ、関係するスタッフたちとつくり上げていきます。
華やかな仕事に見えますが、実は地味な仕事が多く、裏方・縁の下の力持ちという自覚がないと、なかなか長くは務まりません。時にはイベントの全体的なかじ取りをする「イベントプロデューサー」と兼任する場合もあります。イベント専門の制作会社のほか、イベント企画担当として広告代理店などに勤務するケースが多いでしょう。
おおよその年収
平均年収は約450万円。年収は勤務先や働き方によって大きく変わりますが、大手広告代理店勤務の場合は、年収1000万円を超える人もいます。
求められる能力 ~企画立案と段取り能力、コミュニケーション能力~
イベントプランナーになるには、特に必要な資格はありませんが、大手の広告代理店やイベント会社で働く場合、有名大学・難易度の高い大学を卒業しているほうが有利です。また、イベントプランナーの仕事は会場の確保、会場設営や音響の手配、イベントでのプログラムの作成など、幅広い業務をおこないます。そのため、何を・いつ・どのようにおこなうのかを把握する“段取り能力”が問われます。
さらにイベントを成功に導くためには、企画のセンスが求められます。思わず「行ってみたい!」と思わせるイベントにするためにも、幅広い知識や世の中の動きに敏感である必要があるでしょう。普段から、さまざまなイベントに足を運ぶ、アートに触れるなど、感性を磨いておくことも大切です。そのほか、イベント企画・運営ではさまざまなスタッフや外部の協力者が必要不可欠。彼らをまとめあげ、イベントに積極的にかかわってもらうために、どんな人でもイベントに巻き込んでいくコミュニケーション能力が問われます。
向いている人柄 ~学園祭で実行委員をやるようなノリの良い人
イベントやお祭り好きな人が向いています。実際、大学の学園祭で実行委員会を務めた人が、そのままイベントプランナーとして活躍することも多いようです。また、イベントの流行も常に変化する中で、新しい情報を積極的に仕入れようとする向上心のある人、自分の感性を磨き続けられる好奇心旺盛な人が向いているでしょう。自然と人が寄ってきて、誰からも好かれるような人に向いている仕事です。
仕事のやりがい ~企画したイベントで人と人をつなぐ、感動を生む~
自分の企画したイベントで、多くの人に感動を与えられることが、この仕事の大きな魅力です。エンターテインメントのプロやイベントスタッフ、マスコミ関係者と協力し、チームがひとつになってイベントを作り上げていくことは、大きな達成感へとつながっていきます。この達成感が次の仕事へのモチベーションの原動力となるのです。イベントを通して、人と人、人と世界をつないでいけることも、仕事のやりがいになっています。
仕事の辛いところ ~大イベントほど人と人の軋轢が生じやすい~
イベントプランナーは、ゼロの状態からイベントを企画・運営し、成功させなければいけません。成功までには思い通りに事が運ばず、多くの苦労や焦りを感じることもあります。また、さまざまなスタッフとの共同作業なので、人対人の軋轢が生じることもしばしば。さまざまなストレスを抱えがちな仕事ですが、ひとつのイベントを成功させたときのやりがいは、達成感も大きいでしょう。(ライター:二之形幸子)