コピーライター ~キャッチコピーで“売れる!”を作る~
仕事の役割 ~限られた文字数で商品・サービスの魅力を表現~
コピーライターは、各種の商品・サービスの広告においてキャッチコピーを作り、その魅力を伝えることが役割です。テレビCMやポスター、雑誌広告やWeb広告などにおけるキャッチコピーは、短ければ十数文字、長くても100文字程度です。こうした限られた文字数の中で、見た人の心に響き、購買意欲を喚起するキャッチコピーを作り、売上に貢献することが求められます。実際の業務ではクライアントからの依頼を受け、商品・サービスの特性を見極めながら、誰に・どのように売るかを考えながら、宣伝文句となるキャッチコピーを考えていきます。
1980年代にはコピーライターブームというものが起こり、数々の有名人コピーライターが輩出されました。現在、インターネットの普及によってテレビCMや雑誌広告は減少傾向にあり、それに付随するかたちでキャッチコピーを書くだけのコピーライターも減少しています。ただし、コピーライターそのものがなくなったわけではなく、雑誌記事のライターを兼ねたり、映画やドラマの脚本などにも携わったりするコピーライターも登場しています。また、テレビCMのナレーション作成などもコピーライターの仕事のひとつです。
大手広告代理店や広告制作会社、Web広告制作会社などに勤務することが多い職業ですが、フリーで活躍している人もいます。
おおよその年収
平均年収は約400万円ですが、大手広告代理店に所属していれば、より高給を望めます。また、フリーのコピーライターとして売れっ子になれば、書籍の執筆やテレビ出演などで高年収を稼ぐことも可能です。
求められる能力 ~文章による表現力と語彙力~
コピーライターに求められるのは文章による表現力です。商品・サービスの魅力を、限られた文字数で、かつ購買層の心に響くような表現で伝えなければなりません。
こうした表現力は一朝一夕では身につけられないので、日ごろからさまざまな活字に触れ、語彙力を増やすことが大切です。類語などのストックを持ち、「この表現にはこの単語を使う」「こういう内容を伝えるなら、こんな伝え方がよい」など、バリエーションを持つことが大切です。引き出しの多さはコピーライターならではの能力を最大限に発揮します。また、書く・読むことで文章力や表現力もどんどん身に付きます。コピーライター養成講座で広告業界の基礎知識からコピーの表現まで学ぶのもよいでしょう。
また、広告はその時代の空気感を表現します。キャッチコピーにも流行があるので、トレンドに敏感でなければいけません。商品のどんな部分に魅力があるかを見つけ出し、みんなにわかりやすく、インパクトのある表現力こそがコピーライターに最も求められるスキルです。
向いている人柄 ~面白い人、アイディアと瞬発力のある人~
文章を書くことが好きなことはもちろん、コピーライターは「面白いことを伝えたい」という人が向いています。商品・サービスの中にある特性やメリット、独自性を、他にない言葉で人々に伝えることに楽しさを見いだせる人は、コピーライター向きです。また、コピーは短い文章の中で表現をするので瞬発力が大切です。発想力やアイディア、言葉選びのセンスがある人だと、コピーライターとして活躍できるでしょう。
仕事のやりがい ~自分が書いたコピーが商品の売れ行きを左右~
自分が書いたコピーをテレビCMやポスター、Web広告で見る瞬間こそ、仕事のやりがいを感じられます。あまり表に名前が出る仕事ではありませんが、面白い表現が話題となり、賞を得たり、流行語になったりする可能性も秘めています。また、コピーによって商品の売れ行きが左右することもありますので、良い結果が出たときこそ、最大の喜びが得られます。
仕事の辛いところ ~クライアントのOKが出るまで延々コピー出し~
考える仕事なので良いアイディアが浮かばないこともあります。また、クライアントありきの仕事なので、クライアントからのゴーサインが出なければ、延々とコピーを考え続けなければいけませんし、ときには途中で担当を外される可能性もあります。また、コピーライターはグラフィクデザイナーやカメラマンなど多くのクリエイターといっしょに仕事をします。ときには表現方法で衝突することもあり、そのようなときはストレスも多大に感じてしまうでしょう。(ライター:二之形幸子)