アナウンサー(テレビ・ラジオ)~情報をわかりやすく伝えるメディアの花形~
仕事の役割 ~テレビ・ラジオを通じてさまざまなニュースを伝える~
アナウンサーは、マスメディアを通してニュースや情報を人々にわかりやすく伝える仕事です。活躍の場はテレビやラジオにおけるニュース、情報番組やバラエティ番組、天気予報、ラジオ番組などさまざまですが、基本的にはいずれの場合も用意された原稿を読むことが仕事です。情報を正確にわかりやすく伝えるため、発声技術や表現力を高めるのはもちろん、幅広い知識を持っていることが大切です。
また、アナウンサーはメディアに露出することが多いので、華があることはもちろん、誰からも好かれるような見た目なども重視されます。最近のアナウンサーは芸能人としての役割も合わせもちますので、タレントとしての才能も必要でしょう。
芸能事務所に所属するタレントやアーティストなどとは違い、アナウンサーはテレビ局・ラジオ局に正社員として所属します。大手のキー局だけでなく地方局でも採用をおこなっていますが、基本的に新卒採用がメイン。例年多くの学生が採用試験に挑戦するため、倍率は数十倍~数百倍に達することも珍しくありません。マスコミ業界の中でも、特に“狭き門”と言える職業です。
おおよその年収
求められる能力・知識・資質が高い分、平均年収も約800万円と非常に高給です。トップクラスになると、1500万円以上の年収になります。
求められる能力 ~発声力、表現力、幅広い知識、見た目……~
アナウンサーは、まず何より滑舌や発声など、人が心地よいと思える声の表現力が大切です。聞き取りやすく、耳に届きやすいしゃべり方をマスターする必要があるでしょう。また、さまざまなニュースを取り扱うため、政治や経済、国際情勢、科学技術、スポーツなど広範な知識が求められます。そうした情報をわかりやすい言葉や言い回しで伝える表現力も求められるでしょう。
当然ながら、人気商売でもあるので、誰からも好かれる外見と内面が必然的に求められます。テレビ局での採用試験ではカメラテストもあり、カメラ映りが良いことも条件のひとつになります。さらにアナウンサーは、対人関係で成り立つ職業です。いくら実力があっても番組を企画したり、制作したりするスタッフがいなければ、アナウンサーは活躍できません。
いつでも人に敬意を払って、謙虚な気持ちで生きている人、そんな人の周りには自然と人が寄ってきます。「わかりやすく」「正しく」「気持ちのこもった」情報伝達をしていくためには、他人の気持ちになって物事を考えられることが求められます。
向いている人柄 ~気持ちの入れ替えがうまい人~
基本的にニュース番組は生放送ですので、物事に動じないタフな精神力や、トラブルがあった場合にも状況を的確に判断して立て直せる冷静沈着さ・臨機応変さが求められます。また、特に大きな事件・事故・災害があった場合などには、昼夜を問わず報道を続けることもあります。そんなとき、プライベートで落ち込むことがあっても、仕事のときには気持ちを入れ替えられるような人はアナウンサーとして向いています。起こってしまったことを引きずることなく、自分を客観視できるような気持ちが大切です。
仕事のやりがい ~テレビやラジオを通して多大な影響を与える~
テレビ番組やラジオ番組など、大勢の人が見たり聞いたりするものに出演するので、影響力は大きく、有名人にもなりやすい職業です。注目を浴びる仕事なだけにプレッシャーもありますが、番組の収録や生放送を無事にやりきったときには、大きな充実感が得られるでしょう。視聴者から良い反応があると、もっと頑張ろうという気持ちになれるでしょう。
仕事の辛いところ ~人気商売なので足の引っ張り合いも~
そもそもアナウンサーという仕事自体が狭き門ですが、アナウンサーになった後も常に外見を磨き、ボイストレーニングや滑舌を良くするなど、日々の努力が大切です。当然、政治・経済、国際情勢などの知識習得も欠かせません。また人気商売でもあるので、女子アナの場合、お互いにライバル心や足の引っ張り合いなどもあるようです。いずれにしても強い精神力と肉体力が大切な仕事であることには違いありません。(ライター:二之形幸子)