人事 ~人と組織のバランスを取る操縦士~
仕事内容 ~採用から研修、給与&評価システムの構築まで~
人事は会社の人材の採用、給与計算、教育・研修など、人と組織に関するすべての業務を担当します。より具体的には社員の異動や昇進、査定、新卒・中途採用などのリクルート活動、給与や評価システムの構築などの策定に携わります。
会社をよりよくするため、適材適所に人員を配置するのが仕事なので、社内のすべての業務内容に精通していなければいけません。また、さまざまな社内研修を企画し、社員のスキルアップをサポートすることもあります。このように、人事は社員と組織の両方をバランスよく操っていく、人と組織のエキスパートと呼べる仕事でしょう。「人財」という言葉があるように、社員が生き生きと働ける環境をつくりつつ、組織全体の生産性アップをはかる、大きな役割を担う仕事です。
おおよその年収
平均年収450万円。ただし、専門の人事担当者を設けている企業では、年功序列で年収も上がっている企業が多いようです。そのため20代は300万円未満でも、40代で600万円、50代で700万円という企業もあります。
求められる能力 ~コミュニケーション能力と口の固さ~
人事にはこれといった資格は必要ありませんが、人に直接関わる仕事ですので、人間が好きであることが大前提であり、コミュニケーション能力が最も必要とされます。また社員の査定や昇進、異動情報など、ナイーブな個人情報に触れるため、口が固く、機密保持できることも重要な資質です。
人事のエキスパートとして活躍するには、人材を生かすための情報収集能力も必要です。社内の状況を常に把握し、優秀な人材を採用するための方法や、求人広告媒体選びなどに日頃からアンテナを張っていなければいけません。時には現場の人間関係について相談を受けることもありますので、他者を公平に見る目も必要でしょう。社会保険労務士や心理カウンセリングなど、人と接するための専門スキルを勉強しておくと役に立つようです。
向いている人柄 ~情に流されず、冷静な判断のできること~
人事は人好きであることが求められますが、実際の仕事ではリストラなどのつらい決断も下さなければいけません。企業の利益のため、他人の感情に流されず、冷静かつ公平な判断ができる人が向いています。また、細かな事務処理が多い割には営業職のように数字で明確に結果が出るわけでもないので、形のない目標に向かって働ける人がいいでしょう。
仕事のやりがい ~採用した社員の活躍こそが人事の成果!~
“いい会社づくり”という重要ミッションに携われるのは人事ならではの魅力。自分の働きによって優秀な人材を獲得し、その人が働きやすい環境をつくり出す。そうすることで一人ひとりが成長し、企業が成長し、業績アップに貢献します。成果が目に見えにくい仕事ですが、自分の採用し、研修でサポートした新入社員が数年後に活躍する姿を見ることは大きなやりがいにつながります。
仕事の辛いところ ~リストラされた社員に恨まれることも?~
会社の業績が悪い際には人員削減をするのも人事の役目です。「人情味あふれる人」には辛い仕事でしょう。ときには社員やその家族に恨まれる…なんてこともあるようですが、そこを割り切って考えられないと、務まりません。人事情報は機密事項である、相談できる人が少なく、孤独な立場にもなりがちです。さらには「この人は会社に貢献してくれる!」と思って採用した人が早期退職したりすると、人事としての自信をなくしてしまうこともあるようです。
『人事』に関する口コミ