商社の営業 ~企業と企業を結び、ビッグビジネスを担う~
仕事の役割 ~あらゆるものの取引を代行する仲介役~
資源力に乏しい日本では、メーカーは素材やエネルギー、部品、工業機械などを海外から購入することが珍しくありません。そうした業務を代行しているのが商社で、情報力・組織力・資金力を用いて世界中とありとあらゆるものを取引きし、企業へ提供しています。つまり商社そのものは商品を持っているのではありません。モノを持っている会社から仕入れ、それを必要としている会社に売る、いわば仲介役です。
商社の営業はこうした取引を一手に担う仕事です。商品の仕入元も売り先もお客様であり、両者の間でどちらにも利益をもたらすことが求められます。1回の取引が数億円に上ることもあり、国際的なマーケットでの仕事は毎日がダイナミック。やりがいのある仕事なので、新卒にも人気です。
おおよその年収
商社には、総合商社と専門商社があります。
●総合商社…多種多様なものを大量に取り扱う
住友、三菱、三井の御三家で知られる総合商社は平均年収1000万円以上。御三家以外でも600万円~800万円の社員はざらです。
●専門商社…専門商材(資源、アパレル、食品、工業機械など)のみ扱う
平均年収400万円~600万円と総合商社よりは低い傾向にありますが、会社の数は多く、比較的入社しやすいとされています。
求められる能力 ~コミュニケーション力と調整力、交渉力~
商社の営業パーソンは世界が舞台。国際的な視野で買い手と売り手を結びつける仕事なので、英語が堪能であることに越したことはありません。しかしそれ以上にコミュニケーション力がなければ、商社の営業職としての成功は難しくなります。
商社の営業職は仕入れ元と売り先、お互いの利害を調整しながら取引をする必要があります。相手のニーズを探り、交渉し、信頼を勝ち取らなければ数億円規模のビジネスを動かすことはできません。そのため、通常の営業職以上に調整力、交渉力を含めた総合的なコミュニケーション能力が必要です。また提案内容を裏付けるための、世界的視野でのマ-ケティング能力と情報収集・分析のスキル、戦略的なビジネスの企画・立案能力も求められます。
向いている人柄 ~世界を飛び回れるフットワークの軽さとタフさ~
企業同士を結び付けるため、商社の営業職は毎月・毎週が出張です。そのため肉体的にも精神的にもタフであることが大前提。また、世の中の動きや物事に広く興味を持てる人のほうが、新たなビジネスチャンスを見出しやすいため、商社の人間には向いています。プライベートでも面白いことや新しいものが好きな好奇心旺盛な人が活躍できるかもしれません。
仕事のやりがい ~一度の取引で数億のお金を動かす~
世の中に高収入と言われる仕事もたくさんありますが、商社パーソンのように一度に数億円、数十億円もの大金を動かす仕事は、そう多くはありません。自分の手で人を動かす、大きなお金を動かす瞬間は緊張するものの、成功すればこの上もない達成感があります。ダイナミックに世の中を動かしている実感が味わえるのは、商社パーソンのやりがいといえるでしょう。また、同年代の営業パーソンと比べても、高い給料が得られることは大きなやりがいです。
仕事の辛いところ ~家庭で落ち着けないほど多忙な日々~
商社の営業パーソンは、出張であちこちを飛び回ることが多いうえ、残業や接待続きで帰りが遅くなることが日常茶飯事。そのため、プライベートの時間や家族との時間を犠牲にすることもよくあります。また、メーカーのように自分たちがつくるモノを売るのではありません。仲介役として仕入先と売り先の両方から信頼を勝ち取ることが、仕事の難しさでもあります。
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