MR ~自社製品を医療機関へ販売する医薬品提供の専門家~
仕事内容 ~成績と法令遵守のバランスが重要~
「MR」とはMedical Representativeの頭文字をとったもので、医薬情報担当者のことを指します。仕事内容は、医薬品メーカーの営業担当として、医療機関に薬品を販売すること。病院でもらう処方箋は薬事法により一般用医薬品よりも厳しい規制があります。そのため、MRがドクターや病院関係者に詳しく説明しながら薬品を提供していくのです。医療の専門家たちを前にプレゼンするので、医薬品の特長や副作用、使用上の注意などを学術論文やパンフレットを用いて説明します。そのため、高度な専門知識とプレゼン能力が必要です。
最終的には『売る』という結果につなげていくのがMRの使命ですが、医薬品を取り扱う仕事ですから、一歩間違えば人命にもかかわります。営業成績に振り回されてばかりでは、『医薬品の提供を通じて人々の健康を守る』という本質を見失ってしまいかねません。そうしたバランス感覚を保ち続けていくのが難しい仕事です。
おおよその年収
高度な専門知識が問われるため、平均年収は650万円と高めです。
求められる能力 ~医薬品の知識にどう付加価値をつけていくか~
MRは専門知識が必要なので、「MR認定試験」をパスしなければいけません。必須ではありませんが、MR認定証を取得していないと一人前と認められないことも確かです。試験科目は「添付文書」「医薬品概論」「PMS」「疾病と治療」「薬理学」「薬剤学」の6科目。文系よりも薬学系や理系出身者のほうが有利ですが、やる気さえあれば文系からMRへ就職することも可能です。
知識に加えて、付加価値をつけた『情報』をドクターに提供することも求められます。なぜ自社の薬品が優れているのか、他社製品と比べてどう優れているのかを理路整然と説明できなければ、実績を出すことは難しいでしょう。そのため日頃から製品研究は欠かせませんし、ドクターや病院関係者などとの何気ない会話から情報を収集するなど、日々の時間の使い方も大切です。
向いている人柄 ~馴れ馴れしいのはNG! 礼儀と誠意を忘れない人~
会社に出勤せず、取引先や医療機関へ直行・直帰することも多いMR。一日の大半が車での外回りなので、自分でスケジュール管理・自己管理ができる人が向いています。また、顧客がドクターや病院関係者なので、論理的に話が出来る人だと、MRとしても信頼されるでしょう。また人の命に係わる商品を扱うので、フレンドリーで馴れ馴れし過ぎるのも良い顔をされません。謙虚で礼儀正しく、誠意をもって説明できる人が向いています。
仕事のやりがい ~ドクターも患者さんからの「ありがとう」が~
医薬情報担当者と“売上の数字を伸ばす営業”というふたつの側面をバランスよく使い分けるのが真のMR。ドクターに自社の優れた医薬品を使ってもらい、それが患者さんのためにもなること、それが、結果的に自分の営業成績に反映されたときに、大きな達成感を感じられるでしょう。
仕事の辛いところ ~昔ながらの「接待」や人間関係に嫌気も?~
人の命に関わる仕事ですから、薬事法や業界の倫理規定などに違反するとキャリアに大きな傷をつけることがあります。また、昔ほど多くはないものの、「接待」もMRの大事な仕事のひとつ。時間外にドクターを高級クラブや料理店でもてなしたり、休日に一緒にゴルフへ行ったりすることも珍しくありません。忙しい医師の限られた空き時間を捕まえなければならないので、長時間待つことも日常茶飯事。気の長い人ではないと、務まらないでしょう。(ライター:二之形幸子)
『MR』に関する口コミ