購買・資材 ~材料調達のプロフェッショナル~
仕事の役割 ~高品質な材料を安く仕入れること~
メーカーや製造業の購買部署で資材(材料)を仕入れ、購入するのが、購買・資材の主な仕事の役割です。具体的にどんな材料を仕入れるかは会社によって異なりますが、例えば自動車の部品や精密機器の部品、住宅の資材、金属・木材などです。自社製品に必要な資材をサプライヤー(仕入先、供給元、納品業者など)から仕入れ、購入するまでが仕事の流れです。
「高品質な資材をどれだけ安く買えたか?」を問われるシビアな世界であり、原価のコストダウンで会社に利益をもたらすという重要な役割を担っています。いつ、どれだけの量を、いくらで、どこから買うかで原価は大きく変わります。最近は海外で安くて良いものが手に入ることも多いので、海外のサプライヤーから仕入れることも日常的です。グローバルに活躍する購買の需要が高くなっています。
おおよその年収
平均年収は約430万円~500万円ほど。グローバル化によって海外との取引を求められることも増え、海外駐在となった場合は手当などを含めて年収700万円以上になることもあるようです。
求められる能力 ~値切るための交渉術が最重要スキル~
営業職が売上を評価される仕事なら、購買はコストダウンを評価される仕事。そのため、交渉力と幅広い知識が必要です。人間相手に値切る交渉力が必要になるので、粘り強さや論理的に話を進めていくスキルが必要になるでしょう。
学歴は特に不問ですが、最近は海外(特に中国)から安く高品質な材料を仕入れることが多いので、英語力を求められることもあります。また、良いサプライヤーを見つけることも大切なので、常に情報のアンテナを張り巡らせることが求められます。市場の相場を読む力も必要です。
向いている人柄 ~度胸もあって冷静でいられる人~
人と接することが多いのでコミュニケーション力がなければ務まりません。その上で、サプライヤーの口車に乗せられず、冷静沈着に判断できる人が購買向きです。サプライヤーとしっかりやり取りして、生産スケジュールに合わせて資材を納入できる人も、購買としても信頼されるでしょう。
近年の購買に求められているのは営業的センス。コストダウンのために新規サプライヤーの開拓を行うなど、営業的な要素もあるので、知らないところにも飛び込んでいける度胸のある人にとっては天職になるでしょう。
仕事のやりがい ~自社製品の製造工程に深くかかわる仕事~
裏方の仕事なので、決して目立つポジションではありませんが、会社の製造工程のカギを握る仕事なのでやりがいはあります。高品質な資材を安く仕入れ、確実にコストダウンを実感しながら仕事出来るのは購買の大きなやりがいと言えるでしょう。また、仕入れなどを通して、さまざまな人に出会い、社外との人間関係を築く事も出来るので、自分のプライベートにも役立てる知識や経験を得られるのは魅力です。
仕事の辛いところ ~会社とサプライヤーの板挟みになることも~
会社側は少しでも安く仕入れたい。逆に、サプライヤーは少しでも高く売りたい。この両者の板挟みになって、神経をすり減らす事はよくあります。特に、サプライヤーのアラ探しをして値切ることばかりしていると、自社では評価されますが、取引先からは煙たがれることも多々あります。このあたりについてはバランス感覚が問われるでしょう。(ライター:二之形幸子)
『資材・購買』の口コミ