バイヤー ~商品トレンドの仕掛け人~
仕事の役割 ~“売れる商品”を見極める~
バイヤーは小売店や百貨店などに属して、「これは売れる!」と見込んだ商品を生産元から仕入れ、買い付けるポジションです。百貨店で働くバイヤーの場合、複数の売り場を担当するので、洋服から家具、食品までさまざまなジャンルのものを扱います。セレクトショップで働いているバイヤーの場合は「靴専門」、「洋服専門」とジャンルを絞って活躍している人もいます。また、近年はネットショップでのバイヤーも増えているようです。
良い商品を買い付けるため、生産元と直接交渉することもありますし、展示会などで新商品を“発掘”することもあります。もちろん、たとえ良い商品を仕入れたとしても、それが売れなければ会社の利益につながりません。いい商品を仕入れたかどうかではなく、その商品が売れたかどうかで評価されるので、シビアな仕事ですが、やりがいもあります。狙うターゲットによってはトレンドに振り回されず、オーソドックスなものが安定した売り上げにつながることもあるので、その、バランス感覚も大切です。
おおよその年収
平均年収は400万円~550万円。大手百貨店などに勤務して、店舗の売り上げに貢献しているバイヤーであれば高収入も狙えます。
求められる能力 ~時代を先読みするセンスと交渉力~
「売れる商品を見極める」ことが、バイヤーに求められる重要なスキル。そのためには、商品やマーケットに対する幅広い知識や洞察力はもちろん、時代の流れを先読みし、次に流行るものを予想するセンスが必要です。海外を飛び回ることもありますので、フットワークのよさも必要不可欠でしょう。
買い付ける商品を決めたらメーカーと直接やり取りするので、交渉力も必要です。大手百貨店のバイヤーともなれば、数百万円~数千万円単位の取引もあるので、シビアなビジネス感覚に裏付けられた交渉力が求められるでしょう。また、実際に店舗で商品を売るのは販売員です。仕入れっぱなしにするのではなく、販売員に「商品のウリ」を伝えるなど、現場での密なコミュニケーションも販売実績にもつながります。
向いている人柄 ~ファッションも遊びも、トレンドの半歩先を~
流行に敏感なことはもちろん、好奇心旺盛で時代を先読みできるセンスある人が向いています。「人と同じなのは嫌」というくらい、常に新しいものを追いかける人は活躍することも多いでしょう。仕入れするときには決断力が必要ですが、現場の販売員と作業するときには細やかな気遣いが必要です。そういう意味ではシーンによって、柔軟に対応できる人がバイヤー向きと言えます。
仕事のやりがい ~手腕が評価されればカリスマバイヤーに?~
流行を先取りして、自らのセンスを生かしながら、魅力的な商品を探し出すのがバイヤーの仕事。当然ながら誰にでもできる仕事ではありません。バイヤーとして信頼され、“売れる”と見込んだ商品が実際に売れたときこそが、この仕事の何よりのやりがいでしょう。バイヤーの手腕が世間で評価されれば、カリスマバイヤーとしてメディアに取り上げられるチャンスもあります。
仕事の辛いところ ~大量に抱えた在庫の山に自信喪失…~
どれだけ経験を積んでも、徹底的にリサーチしても、商品が売れない可能性はゼロではありません。自分の判断で買いつけた商品が大量に余り、在庫の山を見るなんてことも決して珍しくはないでしょう。そんなときはバイヤーとしての自信も失ってしまうこともあります。毎回大当たりすることのほうが珍しいので、失敗の原因を分析し、次につなげていく努力が必要です。(ライター:二之形幸子)