代理店営業 ～代理店の売上アップを推進～
仕事の役割 ～代理店のフォローアップで売り上げ増を狙う～
「代理店」とはメーカーまたは仕入先と代理店契約を結んでいる会社または店のことをさします。販売代理店形式で販売網を広げる企業は多く、保険や携帯電話、広告、中古車販売などの領域で取り入れられています。代理店営業は、こうした販売代理店に対し、自社商品やサービス販売の営業推進策を実施することが役割です。
提携している販売代理店の店主、営業パーソンに対し、販売手法や取扱規定、事務規定などを教えるだけでなく、新契約申込み時の対応や保全対応、売り上げアップのための施策をアドバイスするなど、さまざまなフォローアップなどを行います。また売り上げの数字が良い代理店と契約できれば、自分の営業成績も必然的にアップしますので、優秀な代理店をどんどん新規開拓していくことも重要な仕事のひとつでしょう。
おおよその年収
平均年収は約400万円ほどですが、営業成績によっては年収1000万円以上を稼ぎ出す営業パーソンもいます。
求められる能力 ～未経験でも挑戦できるがヒューマンスキルが大切～
代理店営業は、自分自身が営業活動を行うわけではありませんが、代理店への営業アドバイスを行うことを考えると、何かしらの営業活動があったほうがいいでしょう。とはいえ、未経験からチャレンジしている営業パーソンも数多くいます。
最近の代理店のほとんどは「乗合代理店（一社・一店で複数の競合会社の商品・サービスを扱う）」なので、自社商品やサービスを多く取扱ってもらえるかも考えていかなければなりません。自社の商品知識はもちろん、競合商品の知識まで幅広く習得する勉強熱心さが大切です。また、どんなタイプの代理店主とも円滑なコミュニケーションをとれる、コミュニケーション力がこの仕事の第一歩。自分が担当する代理店が一丸となって売上げ目標をクリアするため、代理店に所属する営業パーソンのタイプを見極め、信頼関係を築いていく必要があります。そのような信頼関係こそが、成績を上げていくモチベーションにもつながるからです。
向いている人柄 ～第一印象がよく、人に会うことが好きな人～
第一印象の良い人がこの仕事には向いています。営業職すべてに言えますが、第一印象は今後の商談の行方に非常に大きな影響を及ぼします。優秀な販売代理店と契約するためにも、代理店営業にも印象の良さは重要でしょう。
また、「人好き」であるかどうかは、この仕事をやっていく上で重要なキーポイントになるでしょう。「代理店に対してただ売上アップを要求するだけ」、「必要事項を伝えたあとは代理店任せ」というだけでは、代理店側も売る気がなくなってしまいます。代理店側の話をしっかりと聞いて、「この商品・サービスを売るにはどうすればいいか」と一緒に考えていける人が代理店営業向きです。
仕事のやりがい ～代理店とともに成長していける～
代理店営業は間接営業。直接営業するのではなく、営業推進することが仕事なので、代理店の人たちのやる気を引き出すことがとても重要です。自分が売るわけではないので、そこが難しいといえば難しい点ですが、自分が担当している代理店の売り上げが数字として結果に表れたときは二人三脚で目標を達成できたやりがいにつながります。また、会社と代理店のあいだに介在する橋渡し役としての価値も見いだせるはずです。
仕事の辛いところ ～売上げの悪い代理店は放置しがち～
代理店営業の仕事は年々過酷になっています。ひとりでいくつもの代理店を抱えることも多く、中小代理店に対してはケアする時間も余裕も失われてしまうことが多々あります。そうすると、代理店の人たちとも信頼関係を築くことが難しくなり、問題解決できないまま放置状態になることも多いようです。頭の片隅ではどうにかしたいと思ってはいても、時間がない。そういった点にジレンマを感じる人も多いようです。（ライター：二之形幸子）
