内勤営業(カウンターセールス) ~お客様の購入意欲を後押し~
仕事の役割 ~来店・問い合わせのチャンスを売り上げにする~
営業というと、お客様先を訪問して商談するのが一般的。これに対して内勤営業(カウンターセールス)は、来店したお客様や電話等で問い合わせがあったお客様に対して、商品・サービスの情報を提供し、購入まで導くことが役割です。お客様はチラシやホームページを見て、ある程度の購入の意思をもって来店します。その購入意思を後押しするのがこの仕事の重要な役割です。
まったく興味がないお客様に自らアプローチする営業とは違い、来店したお客様に対応する反響営業であることが特徴です。具体的には不動産店や携帯電話の店舗販売、旅行代理店、住宅展示場での営業、保険代理店の窓口営業などがあります。テレアポも内勤営業のひとつで、電話で商品やサービスの説明をして営業を行います。一般的な営業職と比較すると、申込書などの書類手続きなどもあり、事務的要素と営業職の要素を兼ね備えた、女性の割合が比較的多い営業職です。
おおよその年収
平均的な年収は約300万円と、外回りの営業職や新規開拓の営業と比較すると年収は低めです。
求められる能力 ~商品知識とプレゼンテーションのスキル~
特に資格などは必要なく、未経験でもチャレンジしやすい仕事です。お客様と直接やり取りするので、販売経験があると、スムーズに溶け込めるでしょう。内勤営業は初対面のお客様と接するのが仕事ですから、お客さまの要望を的確に把握するスキル、適切な情報を提供できる高いコミュニケーション能力が求められます。また、お客様のなかには子連れの方や高齢者などもいるので、そういう人に対しては、きめ細やかな心遣いが求められます。
もちろん、商品・サービスについては詳しく知っておく必要があります。内勤営業は、外回りの営業職と違って、「社内に持ち帰って検討します」ということができません。質問はその場ですぐに回答できるように、日ごろから商品・サービスの知識を高めておく必要があります。業界によって、求められる能力や資格も違いますが、旅行代理店のカウンターなら総合・国内旅行業務取扱管理者、不動産セールスであれば宅地建物取引主任者の資格、保険代理店の窓口営業なら保険に関する資格などを取得しておいたほうが有利です。
向いている人柄 ~初対面の人とでも楽しく会話ができる人~
内勤営業にとって、ほとんどのお客様は初対面の相手です。そのため、初めて会う人との会話が苦にならず、楽しめる人が向いているでしょう。人と接する仕事なので、清潔感があり、きめ細やかな気遣いのできる人は誰からも好かれます。また、常に新しい商品の知識を身に着けるなど、向上心のある勉強家な人に向いています。一日中オフィスや店舗に常駐するので、どんどん人に会って数字をあげていきたい人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
仕事のやりがい ~アドバイザー的な役割で購入につながる達成感~
プロとして的確なアドバイスをして、それがお客様の購入につながったときは、仕事の達成感があります。興味を持って来店するお客様に適切なアドバイスをするなど、購入を後押しする仕事なので、感謝されることも多いでしょう。定時で帰れることも多く、ライフワークバランスの良いお仕事のひとつです。
仕事の辛いところ ~一日中お客様対応で人疲れも~
接客中心の仕事なので、体調がすぐれないときでも気を抜くことはできません。また、お客様が帰ってしまえば、再来店されない限り、売り上げのチャンスはほぼなくなります。一度の接客が売り上げの成否を決めるので、ある意味でプレッシャーのある仕事とも言えます。また、お客様にもさまざまな人がいますので、ときにはクレームを受けることもあるでしょう。(ライター:二之形幸子)