広告・宣伝 ~メディアを駆使して話題を作る~
仕事の役割 ~商品・サービスをPRする~
広告・宣伝の仕事は、消費者に対して自社の商品・サービスをPRするのが主な仕事です。TV-CMやラジオCM、電車の中吊り、最近ではWeb広告など、メディアの種類もさまざまですが、それぞれの特質に合わせてPR方法を考え、実行していきます。
広告媒体を押さえたあとは、広告イメージに合う広告代理店やクリエイターに仕事を発注し、タレントは誰を使うかなどを考えていきます。広告代理店や広告の制作会社、芸能プロダクションなど、外部発注を行うことがメインの仕事なので、スケジュール調整や情報収集など、仕事内容は意外と地味です。実際に商品を売るのではなく「どんなPRをすれば消費者に届くか」を徹底的に追求することが大切なので、マーケティング調査などの地道な作業も多く、必ずしも華やかな面だけではありません。
おおよその年収
平均年収は500万円~700万円ほど。広告・宣伝の専門部署を設けている企業は、比較的規模の大きな企業であることが多いため、その分給与も高めです。メーカーなどの広告宣伝部に所属することが多く、高い年収を見込める仕事です。
求められる能力 ~クリエイティブセンスよりも調整・交渉力~
広告・宣伝の仕事は外部の協力会社との交渉事が多いので、クリエイティブセンスより何よりも調整力が大切です。クリエイターやタレントはもちろん、広告営業サイドとクリエイティブサイドの調整をするのがこの仕事の要と言えるかもしれません。営業とクリエイターは考え方や仕事のモチベーションが大いに異なることがあるものです。その中間に入って両者を擦り合わせていけるバランス感覚のある人は広告宣伝の仕事で活躍できるでしょう。
とは言え、両方の意見に従うだけの場当たり的対応だと、信頼も失ってしまいます。自分の仕事・意志にポリシーを持ちつつ、両サイドを説得していけるコミュニケーションスキルが大切です。また、広告は時代の半歩先を見据えていかなければいけません。流行のその先をみつめられる先見の明も大切な能力のひとつです。
向いている人柄 ~一人の時間も大切にできて、チームプレイが好きな人~
仕事で接する人がクリエイターやスポンサー、タレントなど、さまざまな人たちなので、誰にも臆することなく、周囲を巻き込んでコミュニケーションできる人が向いています。タレントを使って仕事をするなど華やかですが、ひとりでコツコツと広告戦略を立てることも大切な仕事のひとつ。そのような作業も苦にならない人が向いているでしょう。とは言え、たくさんの人と仕事をするので、チームプレイが得意、体育会系出身者の多い仕事です。
仕事のやりがい ~話題性こそがやりがい~
自分が手掛けた広告が話題になり、世界の人に商品やサービスが知れ渡ることがこの仕事のやりがいです。広告予算があればあるほど、有名クリエイターやタレントも使えるので、スケールの大きい仕事とやりがいは比例していきます。また、広告にはさまざまな人が携わりますので、大成功をおさめたときは皆が一丸となって喜びを分かち合えるでしょう。若い人があこがれる仕事のひとつです。
仕事の辛いところ ~外部発注する仕事は人疲れも人一倍~
広告宣伝の主な仕事は「調整」ですが、この調整がうまくいかないこともあります。たとえば、スポンサーの要望にタレントがそっぽを向いてしまう、消費者からクレームが入り、せっかく作ったCMがお蔵入りになることもあります。そういうときはどんなに広告のイメージできていたとしてもゼロから作り直しになります。人と人の間に入る仕事なので、華やかですが気苦労も多い仕事です。(ライター:二之形幸子)