自動車ディーラー ~販売から保険まで、カーライフ全般を提案する~
仕事の役割 ~自動車の説明や購入までの提案を請け負う~
自動車ディーラー(カーディーラー)とは、新車はもちろん、中古車のセールスを行う車専門の営業パーソンのことです。多くの場合、自動車販売店に在籍したうえで、ショールームを訪れたお客様に車種の提案や説明をし、販売を促すのが役割です。実際の顧客は、個人から法人までさまざまで、車の使用目的やライフスタイル、好みのデザイン、予算などを考えて、ひとりひとりの希望に合う車を提案するのがミッションです。
自動車は一台当たりの購入額が高いので、顧客は慎重に購入を検討します。一方、販売側からすると、顧客をひとりつかめば、その分高い利益を生むことができます。そのため顧客の奪い合いになりやすく、競争が激しい世界といわれています。新車が次々に販売されますので、情報を知識として蓄え、お客様にアウトプットしていく必要もあるでしょう。さらにディーラーは販売だけではなく、リースをおこなう場合もあります。お客様が購入した後も、販売の手続きや納車までを行い、 購入後の点検や修理などのアフターフォローも欠かせません。自動車に関することなら何でも相談に乗ってあげる、それくらいの意欲が求められる仕事です。
おおよその年収
平均年収は約480万円。ただし、高級車専門のディーラーや顧客をどんどんつかまえてくる敏腕ディーラーになると、年収800万円~1000万円を実現させる人もいます。インセンティブ給を支給している会社も多く、成果が報酬に結びつきやすい職種です。
求められる能力 ~自動車の知識とフットワークの軽さ~
車の納品という業務があるので、当然ながら自動車免許は絶対必要です。また、車はお客様にとっても、高い買い物になります。プロとしてのアドバイスが不可欠になるため、自動車好きであることはもちろん、専門知識や最新情報に通じていることも必要です。車に対する勉強熱心さが求められます。
また、お客様とは、購入後もアフターフォローなどでお付き合いが続くため、信頼を得ることが大切です。お客様の話を親身になって聞けるような傾聴力、困りごとにも即座に対応できるフットワークの軽さが必要でしょう。ショールームが賑わうのは週末ですので、土日は仕事のことが多く、時間も不規則になりがちです。体力が求められる仕事でもあります。
向いている人柄 ~気配り好きで子ども好きだとポイント高し!~
慎重に購入を検討する顧客に対し、懸念点をときほぐし、細かな疑問もとりのぞけるような人は、自動車ディーラーに向いています。販売店に訪れるお客様は、ファミリー層で子連れのことも多いので、子ども好きだと、お客様の好感度もアップするでしょう。また、高額商品を扱う仕事なので、清潔感があり、第一印象の良い人が向いています。それだけではなく、人から信頼される話し方や人間性のある人はディーラー向きです。
仕事のやりがい ~車好きには天職と言えるほどのやりがい~
車を通して、さまざまなお客様と話ができるので、車好きにとっては趣味と実益を兼ねた楽しい仕事になるでしょう。また、新車・中古車を問わずいろいろな車に試乗できることも、自動車ディーラーならではの醍醐味です。車は高い買い物なので、なかには1年がかりで販売店に通うお客様もいます。長い月日をかけて、車を販売することができたときはこの上もない喜びがあります。
仕事の辛いところ ~数字との戦い、土日出勤の辛さ~
営業職なので、当然のことながら、「ノルマ」があります。車だけならいいかもしれませんが、自動車ローンから保険まで、車に付随するさまざまなノルマを課せられることも多く、常に数字との戦いです。また、土日祝日は冠婚葬祭でもない限り休めることはなく、周囲と休みを合わせづらいところも、この仕事ならではの辛さでしょう。(ライター:二之形幸子)