食品メーカーの営業 ~飲食物の魅力を伝え、小売店に届ける~
仕事の役割 ~新商品の売り方を提案する~
食品メーカーに在籍する営業職は、おもに食品卸会社や小売店に対して営業活動をおこない、販売方法などの商談をするのが主な仕事です。大型スーパーから小規模店舗など、さまざまな販売店に出向き、自社の商品を置いてもらうよう商談するほか、商品の陳列やチラシ掲載法、ポップ広告などの提案もおこないます。
付き合いのある既存の取引先が多く、位置づけ的にはルートセールスと見なされることも多いようです。また実際の商談では、どの自社商品を導入してもらうか、どのようなプロモーションで展開していくか、といった話しがメインになります。自社商品のことを徹底的に勉強し、消費者に対してどうしたら効果的にアピールできるかを提案していくことが大切です。新しく販売する食品をどのように売っていくかが、食品メーカーの営業パーソンのミッションです。
おおよその年収
在籍する会社の規模にもよりますが、年収は約450万円~500万円というのが一般的です。ただし、大手食品メーカーの第一線で活躍する営業パーソンの場合、年収700万円以上を実現させる人もいるようです。
求められる能力 ~商品の強みを理解し、本音で商談に取り組む~
食品メーカーの営業パーソンは、ルートセールスがメインになります。似たような商品が多く並ぶ中で、「自社の商品を売り場に置くメリット」「競合他社と何が違い、どこが消費者にウケるのか」としっかり説明できなくてはいけません。当然、商品知識やマーケットへの理解は必要不可欠です。
また、得意先との付き合いを大事にしたり、誰とでも親しくなったりと、高いコミュニケーションスキルが求められます。特に「どれだけマメに取引先へ通えるか」「どれだけ親密になれるか」といった地道な努力が求められるでしょう。人付き合いに関しても、表面的な調子のよさではなく、人間対人間、本音でつき合っていける人柄が求められます。相手の真意を察し、本当に望んでいるものを提供できる人は、食品メーカーの営業パーソンとしてさまざまな活躍の場があるはずです。
向いている人柄 ~信頼される人付き合いのできる人~
既存顧客との取引がメインなので、1つの顧客と長い付き合いになります。ですので、人に好かれる・人に信頼される人が向いているでしょう。また、食品メーカーは安定した企業なので、ガツガツ新規開拓するような営業パーソンよりも、長期的な人付き合いを大切にできる人のほうが向いています。また、生活の基本でもある「食」に携わる仕事なので、「食」に興味がある人、人気の商品があればすぐに自分でも買って食べてみるなど、好奇心旺盛な人が向いています。
仕事のやりがい ~自社商品がヒットしたときこそ最高の喜び~
自社で出している食品がヒットしたときこそ、大きなやりがいを感じられるでしょう。新商品だけでなく、既存の定番商品であっても、トレンドの変化や季節の変化、売り方の工夫などで思わぬヒットにつながることがあります。また、消費者に人気が出て、たくさんの人の笑顔を見られたときこそ、この上もない喜びを感じられるはずです。
仕事の辛いところ ~得意先に振り回される毎日~
食品業界はメーカーよりも小売店の発言力が強いと言われています。得意先との長い付き合いの中で、ときには無理な値引きなどの要望にも応じる必要があるでしょう。また、変化し続ける「食」のトレンドについていき、あの手この手で営業活動をおこなうことに嫌気がさしてしまう人も中にはいるようです。(ライター:二之形幸子)