販促企画 ~購買意欲を盛り上げる専門家~
仕事の役割 ~売れる販路を創出・拡大させる~
販促企画とは、商品と消費者の接点をつくり出し、商品が売れる販路を企画する仕事です。流行を敏感にキャッチし、データを駆使しながらトレンドを予測し、企画戦略を作り上げていくのがおもな役割りです。どんなによい商品を生み出しても、ただ待っているだけでは商品は売れません。また、店舗で棚に並べているだけでも、他社の競合商品に負けてしまうかもしれません。販促企画は、消費者の購買意欲を盛り上げていくために、販路の開拓やプロモーション戦略、社内戦略を練ります。
具体的には広告・宣伝、商品を売るためのイベント企画、小売店と協力したキャンペーンなどをおこなうことになります。特に近年はWebを活用した企画を手がけることが多く、SNSや特設サイト、動画などを使って製品・サービスが“売れる環境”を創り出すことが求められます。販売企画は、社内外の人と接することも非常に多いので、コミュニケーション能力とフットワークの軽さが求められます。どちらかと言うと、華やかな仕事ですが、データ収集や市場戦略、会議など、地道な作業も多いのが特徴的です。
おおよその年収
平均年収は約550万円。比較的年収の高い職種ですが、マーケットへの深い知識と理解、販路拡大のノウハウ、トレンドを素早く読み取るセンスなどが問われるため、誰もがなれる職業とは言い切れないでしょう。
求められる能力 ~コミュニケーション能力とデータ分析力~
販促企画に求められるのは何と言ってもコミュニケーション能力でしょう。大規模なキャンペーンからテレビCM、新聞・中吊り広告、Web展開まで、ありとあらゆる手法があります。社外の人とやりとりすることが多いので、どんな人とも積極的に交渉できる度胸のよさが求められます。また、過去の実績やマーケットの分析をしつつ、予算内で最大限の効果を生み出す企画を立案するので、分析力と実行力も大切です。さらに、企画を立案するだけでなく、多くのスタッフを動かせる、実際のイベントで自ら場を盛り上げていける、リーダーシップも欠かせません。カリスマ性とまで言いませんが、「この人にならついていける!」と思わせるくらいの、ヒューマンスキルが求められる仕事です。
向いている人柄 ~大胆な発想力とリーダーシップのある人~
たとえば、学園祭の実行委員会などで、進んでイベント開催をおこなった経験のある人はこの仕事に向いているでしょう。イベント企画を実行するにはたくさんの人たちの協力が必要です。誰からも信頼される、リーダーシップのある人であれば、活躍できるはずです。また、斬新なアイデア力で製品・サービスの販売を盛り上げられる人は、販促企画の仕事を楽しめるでしょう。
仕事のやりがい ~自分のアイデアで大ヒットにつながることも~
さまざまな商品・サービスがコモディティー化する中、ヒットするかどうかは販売促進次第といっても過言ではありません。どんなに素晴らしい商品・サービスができても、それが消費者に届かなければ意味がないのです。逆を言えば、キャンペーンやイベント、広告展開などで商品の売れ行きが伸びたとき、販促企画のやりがいを感じることができるでしょう。ちょっとしたアイデアで大ヒットにつながることがあるので、仕事の面白さを実感できるはずです。
仕事の辛いところ ~プロモーションが結果につながらないことも~
「絶対に盛り上がるはず!」と思って企画したイベントやキャンペーンが、思ったように盛り上がらない、商品の売れ行きもいまひとつ……ということは多々あります。「せっかくいい商品を作ったのに、販促がうまくいかないから……」と批判を受けることもあるでしょう。そんなときは気分も落ち込みますが、次の企画へ向けて、気分を入れ替えていかなければいけません。そこがこの仕事の辛さ、厳しさでしょう。(ライター:二之形幸子)