機械設計 ~理想の機械を現実に生み出す~
仕事の役割 ~CADを駆使してあらゆるメカニズムを設計~
機械設計とは、その名の通り機械の設計を行うことです(混同されがちですが、電子回路の設計を行う「回路設計」とは別の職種です)。取り扱う機械の種類の違いによって、大きく次のように分けられます。
- 重工系…プラント、重機械、産業機械など
- 一般機械系…自動車、電車など
- 精密機械系…家電、カメラ、パソコン、医療機器など
機械設計者は企画部や営業部、デザイナーなどから、「理想のカタチづくり」を求められます。その理想に少しでも近づくよう、CAD(設計支援ソフト)を使って図面作成、実現していくことがミッションです。
設計のアイデアを図面で具現化したら、次は試作品を完成させます。試作品段階で不具合が見つかれば何度も再設計します。また、単に設計すればいいというだけではなく、コスト削減や適切な素材選びのことまで視野に入れ、コツコツと地道な作業を繰り返して完成品をつくりあげます。
メーカーに所属して、自社製品の設計を行うことが一般的ですが、最近では特定派遣の機械設計者として他社に常駐して勤務する人も増えています。
おおよその年収
平均年収 約400万~600万円
求められる能力 ~機械に関する知識とモノづくりへの情熱~
機械設計は、工業高校の機械科卒業者や大学の理工学部卒業者が大半を占めます。特に機械工学を専攻してきた人は重宝されます。とは言え、文学部卒でも独学で勉強したり、職業訓練校で機械設計の知識や技術を学んだりして活躍している人もいます。いずれにしても機械・工学に関する知識は必須です。
技術の面では最近はほぼCAD設計なので、SolidWorksやAuto-CADなどの、3DCADソフトの知識は必須です。しかしあくまでもCADはツールのひとつ。何よりも重要なのは、モノづくりに対する情熱であり、「新しい製品を現実にしたい」という社会に対して前向きな姿勢が求められます。
向いている人柄 ~アイデアは大胆に、設計は慎重に~
機械設計者は向き・不向きがはっきり分かれる仕事です。まずは「設計」を楽しいと思える人でなければ、この仕事は務まりません。製品をゼロから形にしていくことに喜びを感じるような人が、機械設計者として活躍できます。
さらに「大胆かつ忍耐力のある人」が向いているでしょう。企画部やデザイン部からの無理難題を解決しながら理想のカタチを作るために、ときには大胆なアイデアが求められます。そのアイデアを現実化するには、地道にコツコツと検証&改善を繰り返さなければなりません。
仕事のやりがい ~手がけた商品が大ヒットすることも!~
自分の設計した製品が世の中に出ることが、機械設計者としてのやりがいです。さらにそれが大ヒットしたときの喜びは、何物にも代えがたいでしょう。理想の完成形に近づけていくという作業にも楽しさがありますし、常に最先端の製品開発に関わるので、多くの設計者の好奇心をくすぐる環境が整っています。自分が設計してできた製品がどこかで誰かの役に立っているということが、ものづくりの原点である機械設計者の醍醐味につながります。
仕事の辛いところ ~制約は多いのに求められるのは高品質~
完成品が世の中に出るまでは何度もダメ出しをくらい、設計の検証を繰り返さなければいけません。また、新技術や新製品が目まぐるしく変わる業界においては、タイトな納期で高品質が求められ、必然的に激務となります。そのような厳しい状況なかで、設計者も仕事に余裕がなくなり、製品仕様や品質基準を勉強する間もなく「やっつけ設計」に陥ってしまうことも多いようです。効率よく高品質を目指していくことが多くの機械設計者の課題になっています。(ライター:二之形幸子)
『機械設計』に関する口コミ