生産管理 ~工場の生産ラインを守るマネージャー~
仕事の役割 ~生産ラインの維持・管理を引き受ける~
生産管理は、おもに工場(機械、素材、食品、医薬品など)での生産ラインをコントロールする重要な役割を担います。製品を生産する優先順位を決めたり、生産数や納期の調整をしたり、材料の仕入れ時期のやり取りにも追われる毎日です。製品の最終的な出荷に携わるため責任重大な仕事であり、生産ラインを止めないことは絶対条件と言えます。
クライアントから発注を受けたら、必要な材料を確保します。しかし材料の仕入れ先が納期を守ってくれないこともありますし、クライアントからのオーダーで急に生産数を増産しなければならないことも。毎日、工場の進行状況や必要な材料の在庫確認をしなければならず、勤務中はひとときも休まることがありません。しかしチームで製品づくりに取り組む達成感のある仕事であり、製品が無事に出荷されたときにやりがいを感じることができます。また、未経験でも門戸は比較的広く、熱意があれば転職しやすい職種と言えるでしょう。
おおよその年収
平均年収は400万円~500万円です。大手メーカーなどの工場で生産管理を務めることになると、比較的高い報酬が望めるでしょう。
求められる能力 ~未経験でも挑戦できるが求められるスキルは多い~
生産管理の仕事では特に必要な資格はなく、未経験でもチャレンジできる仕事です。門戸は比較的広く、仕事しながら専門知識を覚えていくことも可能な職業ですが、判断力・交渉力・マネジメント能力などがまんべんなく求められる仕事です。
例えば、在庫を抱え過ぎるとコスト増大につながりますし、反対に在庫が不足すると欠品を生む原因にもなり、生産ラインを止めてしまいます。さまざまな状況や情報から的確な判断ができる判断力が必要とされます。このような“常に変動する需要を読み取る能力”は経験によって培っていかなければいけません。また、社内の生産現場の人たちや外注工場の人と納期調整を行うことも多く、生産ラインが止まらないように慎重かつ大胆に交渉していかなければいけません。
向いている人柄 ~冷静さを失わず、他者から信頼される人~
生産管理のポジションは、仕事上、外部業者や自社の作業員、他部署の人々と密にやり取りを行います。そこで話がこじれて、「無理難題を押し付けるだけの人」、「必要な生産数を確保できない人」というレッテルを貼られてしまうと、信頼もなくしてしまいます。人を動かすことが中心の仕事なので、人と話をすることが好きな人、冷静に対応できる人が向いています。
仕事のやりがい ~みんなで製品づくりをしている一体感~
現場の作業員はもちろん、他部署のメンバーや外部業者と連携し、「ひとつのチーム」として仕事をするので、みんなで製品づくりに携わっているというやりがいがあります。また計画どおりスムーズに生産ラインが動くと、管理者としてもやりがいにつながるはずです。自分の範囲外の仕事でも、困っている人がいれば助け合う。みんなで製品を作っているという意識を持っている雰囲気を感じられる仕事です。
仕事の辛いところ ~生産がスムーズにいかないことがストレスに~
工場では製品完成までのマネジメントを行いますが、計画通りに進まないこともしばしばあるのがこの仕事の辛いところです。営業部やクライアントからの急な注文にも柔軟に対応する必要があるので、現場の作業員に残業をお願いしなければならないこともあります。また、機械トラブルや材料不足などで生産ラインを止めてしまうこともあります。そういったストレスも多い仕事ですが、製品が完成したときは達成感も得やすい仕事でしょう。(ライター:二之形幸子)