セールスエンジニア ~技術的知識でセールスを担う~
仕事の役割 ~専門性の高い製品・ソフトウェアの営業・導入支援~
セールスエンジニアは、営業職と技術職を兼務したような仕事です。技術的知識が問われるような専門性の高い製品(電気・電子機器、自動車部品、産業機械、ソフトウェアなど)は、ただ販売するだけでは、顧客に商品価値を理解してもらうことは困難です。自社製品・サービスを、顧客の事業にマッチするようにカスタマイズしたり、導入後に活用方法をコンサルティングしたりする必要があります。こうした領域を一手に引き受けるのがセールスエンジニアです。
技術的な知識だけでなく、営業職としてのコミュニケーションスキルや提案力、交渉力なども求められるので、一般的な営業職より給与水準もやや高めのようです。勤務先は機械関係のメーカーやIT企業などで、自社製品の説明や技術的なコンサルティングをするなど、自社内の製造現場とお客様の橋渡し役となります。また、自社工場と客先の間で仕様・納期工程を詰める調整などの業務もあります。さまざまな企業で新しい技術を用いた製品開発が進められるなか、常に最先端の技術を理解し、ニーズを探り、客先との信頼関係を築き上げなければいけないでしょう。専門性の高いセールスエンジニアは、今、どの企業においても必要とされる存在です。
おおよその年収
平均年収は約500万円です。セールスエンジニアは高度な専門知識と営業職としての役割も必要とされるので、一般的な営業職より給与水準もやや高めです。
求められる能力 ~最先端技術の知識とわかりやすく説明できるスキル~
セールスエンジニアは、技術的な知識だけでなく、営業に関する知識も必要です。最初は設計や製造、開発として専門知識を磨きながら、営業もできるセールスエンジニアに転身することが多いようです。一般の営業職よりも技術的な知識を吸収し続ける姿勢が求められますし、難しい技術をわかりやすく説明できるコミュニケーションスキルなどが求められるでしょう。
また、製品に関連した法律で定められた資格があると、製品の設置などの仕事が理解でき、客先とのコミュニケーションを円滑に進められますし、信用も得られます。
グローバル化する中で、客先が海外にあることも多く、英語力もあると、活躍の場も広がっていくでしょう。企業がセールスエンジニアとして求めている人材は、常に新しい技術に興味を示し、将来の技術動向を考えることができる人です。
向いている人柄 ~技術に関する難しい文章を読める読解力のある人~
製造・IT・機械などに興味があり、好奇心旺盛な人が向いています。また、マニュアルなどの難しい文章を読みこなす読解力や不明な点を調べる探求心のある人は、客先からも信頼を得て、活躍できるはずです。また、客先や社内の関連部署とのコミュニケーション力は最も重要な要素で、現場に出向き人と話すことが好きな人には、向いている職業だと言えます。
仕事のやりがい ~自社製品が導入されたときの喜び~
セールスエンジニアが手がける製品は、ほとんどの場合、高単価かつ専門性の高い製品です。それだけに、自社製品の魅力をプレゼンテーションした上で、ライバル製品との優位性を理解してもらい、導入まで至ったときには、セールスエンジニアとしての大きなやりがいを感じられるでしょう。多くのセールスエンジニアは会社の営業戦略を技術的な立場から攻められることに、大きなやりがいを感じるようです。
また、最近は技術の進歩により、求められるスキルもかなり広範囲に渡っています。そのため、この仕事を通して習得できるスキルも非常に幅広く、その分、一つの仕事をやり終えた時の達成感は強いようです。
仕事の辛いところ ~営業職とエンジニア職、両方の大変さがある~
自社内の関連部署と客先の橋渡し役的な仕事も多く、ときに、板挟みになってしまい、ストレスがたまりやすくなる人も多いようです。特に、セールスエンジニアは技術畑出身の人が多く、客先での折衝が苦になってしまう人も出てきます。技術に関する高度な知識が必要だったり、技術についてわかりやすく説明できる力が求められたり、まさに営業職とエンジニア職の両面の大変さを合わせ持つ仕事です。(ライター:二之形幸子)