パッケージ導入コンサルタント ~統合ソフト導入のプロフェッショナル~
仕事の役割 ~業務改善を目指して統合ソフトを導入~
パッケージ導入コンサルタントは、企業の業務改善を目的とした統合ソフトの導入を提案する仕事です。統合ソフトにはCRM(顧客管理)やSCM(サプライチェーン管理)など様々ありますが、最近ではERP(総合業務パッケージ)を導入している企業が増えています。また、ERPの導入によって、企業の各部門の売上情報や出荷情報などがひとつにまとまり、適切な経営判断を下せるようになります。
実際の導入における仕事としては、クライアント企業のパッケージの導入に伴い、まず各業務のフローをヒアリングします。そして、業務フローを調査し、無駄な部分を省き、効率的な改善策を検討した上で、新しい業務プロセスを確立し、ソフト導入を促します。さまざまな業務システムをゼロから開発するシステムコンサルタントと比較すると、お客様企業の業務プロセス改善に特化したコンサルタントといえるでしょう。
おおよその年収
平均年収は約500万円と高めです。ITエンジニアとしてはかなり高収入が期待でき、外資の大手企業などで働くパッケージ導入コンサルタントの中には、年収1000万円を稼ぐ人もいるほどです。
求められる能力 ~クライアントをよく知り、プレゼンできる能力~
CRMやSCM、ERP等に関する専門知識はもちろんのこと、ITやネットワーク、サーバーに関しても幅広い知識・ノウハウを身につけている必要があります。企業の業務プロセスには、経営管理(経理・総務等の管理系)、経営企画(マーケティング・経営戦略)、開発、製造、営業、流通などがあり、それらを改善するには、それぞれ専門的な知識が必要になります。そういった意味では、経営者としての視点も必要と言えるでしょう。また、クライアント企業によって求められる改善策も異なりますので、クライアント企業を積極的に知ろうとする姿勢が大切です。
実際に業務に携わっている人から情報や知識を得たり、時間をかけて調査を行ったりするので、スムーズなコミュニケーション能力がないと、業務に支障をきたしてしまいます。ヒアリングや調査結果から、新しい業務プロセスを構築するので、全体像を把握しつつ、細かい部分を緻密に構築できる論理的思考力が求められます。
向いている人柄 ~仕事でもプライベートでも効率的に考えられる人~
クライアント企業にヒアリング、プレゼンすることが仕事なので、コミュニケーションスキルの高い人が向いています。また、仕事にしてもプライベートにしても、合理的かつ効率的にものごとを進める人はパッケージ導入コンサルタント向きでしょう。無駄を省くことが美徳で、積極的なスリム化を目指す人生観を持つ人にとって、ERP導入による企業の経営合理化はやりがいある仕事に映るでしょう。
仕事のやりがい ~企業経営が合理化・効率化したときの達成感~
統合ソフトの導入によって徹底的に効率化を図り、無駄な業務を改善してクライアントの経営が改善されたときは、すがすがしい達成感を得られます。自分が提案したシステムがクライアント企業に導入され、劇的なパフォーマンス向上を成し遂げたときこそが、この仕事ならではのやりがいでしょう。また、成長企業をより成長させていく、ダイナミックなやりがいもありますし、年収も高めなので仕事への意欲につながります。
仕事の辛いところ ~情報や知識の動きを追いかける苦労~
変化のめまぐるしいIT技術の知識を常に追いかけるのは、プロにとっても至難の業です。常に最新情報にキャッチアップする苦しさはあるでしょう。また、企業によってITへの理解度が異なります。しっかりした情報システム部を抱えている企業なら統合ソフトの導入も比較的スムーズですが、現場がIT化に積極的でない企業だったり、旧態依然としたシステムにしがみついている企業だったりすると、導入も一筋縄ではいきません。
また、クライアント企業によっては、部門ごとに社内システムに求めることが異なるため、スケジュールが大幅に変更したりするなど、苦労も多い仕事です。とは言え、企業の基幹システムが効率的になったときにはこの上もない喜びがあります。(ライター:二之形幸子)