スーパーバイザー(小売店) ~店舗経営のコンサルタント~
仕事内容の役割 ~小売店の経営・運営改善がミッション~
小売店とは、言うまでもなく流通の最終過程で消費者に商品を販売することです。スーパーやコンビニエンスストア、飲食店、デパートなどすべてが小売業です。そして、小売店のスーパーバイザーは、定期的に店舗を訪問してオーナーに経営のアドバイスや支援を行う仕事を指します。
売上アップのため、お店のレイアウトからスタッフの接客教育に至るまで、細部に渡って指導を行うのがミッションです。その業務の表現として「5C+1P」という言葉があります。これは、「コミュニケーション(情報の伝達)」「コンサルテーション(経営相談)」「カウンセリング(個人的相談)」「コーディネーション(調整)」「コントロール(統制)」、そして「プロモーション(促進)」を意味します。
さらに本社(本部)からの情報をオーナーに提供、オーナーやスタッフから聞いた店舗状況は本社にフィードバックするなど、本社と店舗の間に入るコーディネーター役として活躍します。
おおよその年収
平均年収は470万円ほど。スーパーバイザーはオーナーにアドバイスをするコンサルタント的な立場なので、年収は比較的高い職種です。
求められる能力 ~巧みなコーチングでオーナーを導く~
スーパーバイザーに必要な資格や条件はありませんが、まず店員として現場の経験を積んだあとで店長になり、店長として店舗経営やマネジメント力をつけてからスーパーバイザーになる…というのが一般的です。
スキルとしては、オーナーへの適切なアドバイスのための情報収集・分析力が求められます。市場調査、競合店のチェックや周辺住民の雰囲気など、積極的にリサーチできなければいけません。競合店には必ず足を運び、商品ラインナップや値段のつけ方などをチェックするなどのマメさも必要です。それらを踏まえた上で、よりよい戦略をオーナーに提案する能力が求められるでしょう。
また、情報やノウハウを持っていても、それを店長・オーナーに的確に伝え、やる気を起こさせることができなければ意味はありません。オーナーや店舗スタッフにヤル気を出させるコーチングの技術もスーパーバイザーとして成功するカギです。
向いている人柄 ~情熱家タイプがスーパーバイザー向き?~
スーパーバイザーは店長やオーナーにアドバイスすることで彼らの店舗運営をサポートし、「やる気」を出させなければいけません。そういう意味では情熱的に人を導いていけるタイプが向いているでしょう。もちろん熱血なだけでは駄目で、冷静に売上データやマネジメント手法を駆使する必要もあります。情熱家であり、時には冷静さも持ち合わせる人であれば、「この人にならついていこう」と信頼されます。
仕事のやりがい ~店舗の売上アップ達成に喜び~
スーパーバイザーのやりがいは、担当店舗の細かな改善を積み重ねて、少しずつ売り上げが伸びていったときでしょう。店長やオーナーと二人三脚でお店を作り上げてきた成果を実感し、感謝されるのはスーパーバイザーならではの喜びです。また、店舗の成長だけではなく、オーナーやスタッフに熱意が伝わり、頑張って働いている姿を見る機会こそがこの仕事の最大の成果だと言えます。
仕事の辛いところ ~成果が出ず、閉店になることも…~
情報収集・分析力・指導力すべてを兼ね備えたスーパーバイザーでも、店の立地条件や不況などで成果が出ないことは珍しくありません。むしろ、スーパーバイザーが経営指導・支援をして、劇的に変化することの方がまれで、努力をしても店舗閉鎖になってしまうこともあります。とは言え、的確なアドバイスによってオーナーに感謝されることも多い仕事なので、やりがいがあることは確かです。(ライター:二之形幸子)
『スーパーバイザー』の口コミ