ツアーコンダクター ~旅行の案内役兼アドバイザー~
仕事の役割 ~パッケージ旅行の下調べから案内、トラブル対策まで~
ツアーコンダクターはツアコン・添乗員とも呼ばれ、パッケージツアーや団体旅行の引率者として同行、案内役を務めます。旅行会社で企画されたツアーに添乗することが決まったら、ツアーコンダクターの出番です。まずは旅行先の下調べをして、旅行会社の担当者と打ち合わせ。その後、スケジュールの管理や航空券などの手配、ツアー客リスト、出入国書類などのチェックを行います。
海外旅行の場合は現地へ行ってから、細かい調整をすることが多く、現地到着後は迅速にレストランの手配や現地ガイドとの交渉・打ち合わせを行います。安全で快適な旅行にするため注意事項の説明や、トラブル発生時の対応も仕事のひとつです。
ツアーコンダクターの管理能力ひとつで、そのツアー参加者が受ける旅行の印象が大きく変わります。旅行日程の管理もできない、現地でのレストランの案内もできない…では当然、ツアー参加者の満足度は大きく下がるでしょう。一度ツアーに出れば24時間体制となり、睡眠時間が十分に取れない場合もありますが、若者に人気の仕事です。
おおよその年収
平均年収は約300万円~400万円ほど。人気の高い仕事ですが、近年は格安ツアーが増えたこともあり、旅行商品そのものの単価が減っているため、年収はそれほど高くはありません。
求められる能力 ~資格と語学力、24時間体制のサービスマインド~
ツアーコンダクターになるには、旅程管理主任者の資格を取得する必要があります。旅程管理主任者資格には「総合旅程管理主任者」と「国内旅程管理主任者」があり、総合旅程管理主任者を取得すると、海外ツアーに添乗することができるようになります。海外旅行は不測の事態が起こりがちです。何があっても慌てず、参加客がパニックにならないよう冷静に対処することが優秀なツアーコンダクターの条件です。また、国内・国外問わず、観光地に関する知識や、語学力もあったほうが仕事の幅が広がりますし、さまざまな国籍の旅行客に対応できます。
そして、ツアーコンダクターに最も求められるのが、サービスマインドと明るい人柄です。旅行客と付きっきりでツアーに同行することになるので、仕事はほとんど24時間、お客様に対する気配りを持続させることが求められます。
向いている人柄 ~旅行好きでサービス精神があること~
旅行好きなことはもちろん、きめ細かなサービスを求められる仕事なので、細かいところまで気配りができる人が向いているでしょう。また、旅行客と直接触れ合うので、人を喜ばせるのが好きな人物も向いています。大学のサークルなどで率先してイベントを企画できる人、みんなを取りまとめてきた人なども、その人柄を生かせるでしょう。
仕事のやりがい ~お客様からのねぎらいの言葉と旅する楽しみ~
ツアーコンダクターがやりがいを感じる瞬間は、やはりお客様からの「楽しかった」、「また行きたい」と感謝されたときでしょう。旅行が終わった後のツアー参加者の笑顔は、ツアーコンダクターの力量にかかっていると言えます。もちろん、いろいろな地方や国に行けることもこの仕事の醍醐味です。2~3年あれば日本中を旅することもできると言われており、旅行好きにはたまらない仕事に違いありません。
仕事の辛いところ ~ツアー参加客とのトラブルが発生することも~
添乗している旅行中は、24時間体制でツアー参加者に対応することになります。「ホテルの部屋が汚い」といったクレームにも日々直面します。団体旅行にありがちな参加者同士のトラブルにも対応するほか、集合時刻を守れない、観光地でのマナーを守れないお客さんも出てきます。そのようなお客さんにも笑顔で接することが仕事なので、添乗が終わった後にどっと疲れが出てしまうこともあるようです。(ライター:二之形幸子)