ネイリスト ~女性に人気の「爪のアーティスト」~
仕事の役割 ~お客様の爪にアートを施し、ケアをする~
ネイリストは、専門サロンなどで、ネイルケアやジェルネイルの施術をおこなうのが主な仕事です。具体的には、ネイルケアやカラーリング、人工爪作り、ネイルアートのほか、甘皮の処理、角質除去、ハンド・フットマッサージといった爪・指先のケアもおこないます。ネイルと言えば、一般的にはいわゆるネイルアートのイメージが強いですが、近年の主流であるジェル、つけ爪やエクステンション、スカルプチュアなどさまざまなトレンドがあるため、お客様のオーダーにすべて応えられるだけの技術が求められます。
ネイルをする女性の増加に伴い、ネイリストを目指す女性もどんどん増えています。主な職場はネイルサロン、美容室、エステティックサロンなどになります。雇用形態は正社員、契約社員、アルバイトなどさまざまですが、独立してサロン開業、ネイルアーティストとしてフリーランスで働くという方法もあります。また、子どもがいる主婦などが自宅の一室をネイルサロンとして開放し、仕事する人もいるようです。
おおよその年収
女性に人気のある職業ですが、平均年収は約300万円~400万円とあまり高くはありません。その分「自分のスキルで食べていける」、「独立開業も夢ではない」といったところが魅力です。
求められる能力 ~手先の器用さと流行に敏感なセンス~
ネイリストになるのに、特に決まった資格は必要ありません。しかし、技術で差別化するため、養成スクールに通って爪の生理学、衛生などの専門知識、ネイルケアやアートテクニックの基礎などを学ぶ人が増えています。また、日本ネイリスト検定試験センターが主催する技能検定試験に合格すると、就職・転職に有利な場合があります。こうした技術的な側面以外には、手先の器用さも求められるでしょう。ネイルアートは爪にラインを描いたり、ピンセットでストーンをのせたりするなど、細かい作業を求められるシーンが多くあります。
もちろん、美容師やエステティシャンと同じく、美容やファッションに関するトレンドに敏感でなくてはなりません。お客様の好みや最新のファッションを察知し、それに合わせてネイルをほどこせるセンスの高さが求められます。
向いている人柄 ~施術のあいだの話題づくりが上手な人~
ネイルアートにも流行があります。日々勉強を重ね、最新の技術とトレンドを追い続けられる人が向いています。また、人と接することが好きで、お客さまをリラックスさせる話術やコミュニケーション能力を持った人はネイリスト向きです。そういった意味で、美容や接客・サービス経験があると、ネイリストに転身したときも経験が活かせます。
仕事のやりがい ~お客様の喜ぶ顔と美しい指先~
ネイルケアからアートまでの施術が終わって、お客様のお顔がいきいき輝き始めたときが、ネイリストの仕事のやりがいです。自分の技術で「キレイになりたい」と願う女性の願望を叶えられた瞬間こそ、この上もない喜びを感じられるでしょう。また、ウェディングネイルなど大切な日の前にネイルをする女性も多く、仕事への意識も高まります。
仕事の辛いところ ~小規模店舗ならではのストレスも~
ネイルサロンはビルやマンションの一室など、比較的小規模な場所にお店を構えています。また、ネイリストのほとんどは女性です。狭い職場で人間関係が密になりがちなので、環境的に「逃げられない」状況であり、ストレスを抱えてしまう人もいるようです。また、爪の質とジェルの相性が悪く、ネイルがすぐに外れてしまうトラブルもあります。そんなときはお客様も自分も二度手間になってしまいます。(ライター:二之形幸子)