ホテルフロント ~ホテルの顔となる最前線のポジション~
仕事の役割 ~受付、清算、ときにはコンシェルジュも~
ホテルフロントは読んで字のごとく、ホテルのフロント係を務めるポジションです。宿泊客のチェックイン・チェックアウト、会計、ホテル内設備の案内、宿泊客からの質問、電話対応まで、ホテルに欠かせない仕事・サービスを担います。
フロントの対応がホテルイメージを左右するので、どんな時も笑顔を絶やさず、感じの良い接客が欠かせません。サービス業は世の中に無数にありますが、中でもホテルフロントは「接客のプロ」と呼ばれるほどに、徹底したサービス精神とホスピタリティが求められます。ときには、コンシェルジュのように、ホテル周辺のグルメ店の紹介や予約、タクシーの手配をおこなったりもすることもあります。人に頼られ、喜んでもらえることにやりがいを感じる人、接客経験のある人が活躍できるでしょう。外国人の利用客も多いので、英会話ができれば役に立ちます。清潔感があり、コミュニケーション能力に優れた人に適性があるといえます。
おおよその年収
多くの仕事を手がけるわりに平均年収はあまり高くなく、320万~350万円が一般的です。
求められる能力 ~笑顔とホスピタリティ、コミュニケーション能力~
ホテルフロントに必要な資格はありません。英語スキルがあれば重宝されますが、それでも決まった会話がほとんどなので、必須でもありません。その代わり、ほぼ1日中、接客をする仕事なので、どんなときでも「笑顔」で対応できることが求められます。また自分中心ではなく、周囲のために気を遣えるホスピタリティが大切でしょう。ホテルにはさまざまな目的で宿泊するお客様がいます。お客様からのさまざまなリクエストや問い合わせに、瞬時に対応していける臨機応変さも大切なスキルのひとつ。フロントでは、自分なりの提案やとっさの判断が求められるケースも多いので、機転が利くことも重要な要素です。事務仕事とは違って、立ち仕事、ときには客室の清掃をすることもあるので、体力に自信がある人であるとなおよいでしょう。
向いている人柄 ~清潔感があって、話しかけやすい雰囲気の人~
清潔感があり、どんな人とでも明るい対応のできる人が向いています。人に頼られることが好きで、常にスキルアップを目指せる、向上心のある人にぴったりの仕事です。ホテルフロントのようなサービス業全般に言えることですが、「話しかけやすい」雰囲気があることは非常に大切です。人からよく話しかけられる、相談されやすい人が向いています。
仕事のやりがい ~「ありがとう」と言われる機会が多い~
ホテルの顔であるフロントは、さまざまな人と接する仕事です。お客様から「ありがとう」と言われる機会も多く、その言葉こそが、仕事のやりがいにつながっていきます。大手ホテル、歴史ある格式の高いホテルに勤務となれば、接客のスペシャリストとして自分を成長させますし、仕事にもプライドを保てるでしょう。また、時には芸能人や有名人が訪れることもあり、毎日の仕事にメリハリがあるでしょう。
仕事の辛いところ ~夜勤が多く、体力的な辛さも~
ホテルフロントはシフト勤務がほとんどで、仕事中は立ちっぱなしです。夜勤も多く、真夜中から宿泊客の相談・クレームに対応しなければいけないこともあります。そしてまた、どんなに体力的にきつくても、それを表に出せないところがこの仕事の厳しさです。夜勤をするにも最初は体が慣れないので、苦労しますが、そのような厳しさを乗り越えた後は、ホテルフロントとして、一流の接客ができるようになるでしょう。(ライター:二之形幸子)