タクシードライバー ~乗客を運ぶ運転のプロ~
仕事の役割 ~お客様を安全に目的地まで送り届ける~
タクシードライバーのミッションはいたってシンプル。乗客に乗ってもらい、タクシーを運転して目的地まで安全・快適に送り届けることが役割です。仕事内容がとてもシンプルなので、年齢を問わず働くことができるのが特徴です。そのため、「会社員の引退後の仕事」「リストラされた会社員が就く仕事」といった不名誉なイメージがつきまといがちですが、中高年でも若い人と変わらずに働けるという長所もあります。
タクシー会社に勤務する場合の仕事の流れとしては、毎日の始業時、運行責任者から運転の際の注意事項の伝達があり、その日の道路状況や天候、アルコール検査をおこないます。次に、乗客を安全に送迎するため、タクシーの車両点検を行います。ウインカーやブレーキ、エンジンオイル、バッテリーに問題がないかといった運行前点検は必ずおこなわれます。その後は出庫し、人の流れを見極めながら営業開始します。規定の勤務時間を終えたら帰社し、1日の売上を納金します。好きな時間に好きな場所で乗客を探しているように思われがちですが、実際は休憩時間やシフト、ルートなどもしっかり管理されているのが一般的です。
おおよその年収
平均年収は約300万円。あまり多いとは言えませんが、ほとんどのタクシー会社が歩合給を採用しているので、多くの乗客をゲットできればそれだけ稼ぐことも可能です。
求められる能力 ~記憶力とコミュニケーション能力~
タクシードライバーには、当然ながら自動車の運転スキルが求められます。必然的に自動車免許も要求されますが、第一種ではなく普通第二種免許が必要になります。この免許は教習所で取得できます。また個人タクシーの場合は、国土交通省が実施する試験(実務経験10年以上)に合格する必要があります。
タクシードライバーは運転手であると同時に接客業でもあるので、乗客とスムーズにコミュニケーションできる能力が必要でしょう。より快適に乗車してもらえば、固定客としてリピーターになってくれる可能性もあります。そして「記憶力」も非常に重要です。道路や地図、目印になる建物など、覚えておかなければいけないことがたくさんあります。近年は多くのタクシー会社でカーナビ搭載車両を導入していますが、乗客に目的地の目印を言われた瞬間、パッと頭に思い浮かべることができれば、運転もスムーズに進むでしょう。
向いている人柄 ~臨機応変で、気持ちの切り替えが早い人~
タクシードライバーに向いているのは、どんな乗客とも柔軟に対応できる臨機応変な人です。会社員や高齢者、子連れ夫婦、外国人などさまざまな人を送迎しますし、その目的地も当然ながら一定ではありません。もちろん、走行する道路の渋滞ぐあいも日によって異なりますから、「今日はこの道を行ったほうがいい」「大雨だから安全運転を心がけよう」と、いろんな状況に対応できることが求められます。また、タクシーは深夜に利用する人が多いので、夜に強い人のほうが稼げるようです。
仕事のやりがい ~稼げるコツさえつかめば年収もうなぎ昇り~
会社員のように、上司と一日中オフィスで机を並べて仕事するわけではありませんし、業務中でも比較的自由がきくところです。また、仕事中には人間関係のわずらわしさもないでしょう。給与についても、稼げば稼ぐだけ年収アップできます。長距離利用の乗客の見分け方や、乗客をつかまえやすいエリア・時間帯などを、自分なりの売上アップのコツをつかめば、ゲームのように楽しい感覚で勤務できるでしょう。
仕事の辛いところ ~酔っ払いや横柄な乗客に当たることも~
タクシー運転手は、他の職業に比べ勤務時間が長いのも特徴です。勤務時間が長くても、乗客がなければ、それだけ時間だけを持て余してしまうこともよくあります。当然、乗客がなければそれだけ給与も減ってしまいます。また、時には酔っ払い客や横柄な態度で接してくる乗客にも対応しなければならず、精神的にストレスを感じてしまうこともあるようです。(ライター:二之形幸子)