トリマー ~愛するペットたちの理容師さん~
仕事の役割 ~ペットの毛を整えることで可愛らしさを演出~
トリマーは犬や猫といったペットの「トリミング(毛を整えること)」をおこなうのが主な仕事です。最近のペットブームで、犬・猫たちも定期的に毛を整えて清潔にし、見た目もオシャレにする文化が根付いてきました。トリマーが職業として認知されるようになったのは、こうした背景があります。
トリマーは、おもにペット専用のサロンや動物病院、ペットショップなどで働きます。飼い主が来たら、どんなスタイルにするかを話し合います。たとえば、プードルならテディベアカットと呼ばれる可愛らしいスタイル、柴犬なら全身の毛を短めに刈り込んだ清潔感あるスタイルに仕上げていきます。また、トリミングするだけでなくシャンプーや耳の掃除、爪切りなどもおこないます。ペットをおとなしく手なずけた上で、飼い主の好みや理想を把握し、ペットにふさわしいスタイルを見つけ出すことが大切です。そのスタイルを実践するためには確かな経験と技術が求められます。
おおよその年収
平均年収は約280万円~400万円とあまり高給とは言えません。個人経営でおこなう店では、どうしても給料も安めですが、大手チェーンなどに勤めれば安定した給与も実現できるでしょう。
求められる能力 ~トリミングスキルとコミュニケーション~
トリマーに求められるスキルはトリミングスキルとコミュニケーション能力、接客マナーなどです。トリミングのほか健康チェック、爪切り、耳掃除、シャンプーなどもおこなうので、犬や猫など動物の扱いに関するスキル・知識は必須です。必須の資格はありませんが、日常生活では学ぶことが難しい知識が必要なので、トリマーの資格を取得できる専門学校などに通い、基礎を身につける人が多いようです。
ペットとの触れ合いも大切ですが、それと同じくらい飼い主とのコミュニケーションが大切です。飼い主の方の要望を聞き出し、不安や疑問に答えるなかで信頼関係が生まれ、またお願いしたいと思ってもらえるようになるからです。接客業なので、社会人としての常識ある対応や接客マナーなども身につける必要があるでしょう。
向いている人柄 ~単なる動物好きではなく“心を通わせられる”人~
物言わぬ動物たちと接する仕事なので、当然のことながら動物好きな人でないと務まりません。ただし、単に好きというだけではなく、動物の気持ちに寄り添い、心を通わせられるような人が向いているでしょう。犬や猫の表情・しぐさを読み取り、心を落ち着けてもらうことで自分のトリミングスキルも発揮できるようになるでしょう。また、動物アレルギーがある人は、いかに動物好きだとしてもトリマーを続けるのは難しいかもしれません。
仕事のやりがい ~飼い主とペットの双方から喜ばれる仕事~
1日の大半を動物と過ごすことになるので、犬・猫の好きな人であれば自然とやりがいにつながります。可愛い動物たちに触れ合えるだけでなく、自分のトリミングスキルできれいにして、動物が気持ちよさそうにする姿を見るのは、この仕事ならではのやりがいです。もちろん飼い主に「ありがとう」と喜んでもらえたときは、トリマーとしての自信にもつながっていきます。
仕事の辛いところ ~どうしても避けられない動物の臭い~
ペットサロンはどうしても狭い空間での作業になるので、一日中動物と接していると、どうしても体に臭いがついてしまいます。また、きちんとしつけられていないペットのトリミングの際には、噛まれたりひっかき傷をつけられたりすることもあります。繁忙期はほぼ休む暇もなくトリミングを続けることもあるようです。(ライター:二之形幸子)