グランドスタッフ ~空港での接客と各種の地上勤務を担う~
仕事の役割 ~空港におけるサービスの専門家~
グランドスタッフは空港内に勤務して、搭乗客をはじめとするお客様に、さまざまなサービスを提供するのが主な仕事です。具体的な業務内容としては、搭乗手続きと搭乗案内の2つがメイン。搭乗手続きはチェックインカウンターでチケットの発行や座席の指定、荷物の受け取り手続きなどをおこないます。搭乗案内は搭乗ゲートで搭乗客の手続きや案内をおこない、時間通りに発着できるように手配します。実際の働き方としては、航空会社やその関連会社、専門の派遣会社などに所属し、各空港で勤務するのが一般的です。
華やかなイメージもあり“グランドホステス”と呼ばれることもありますが、仕事中は基本的に立ちっぱなしのうえ、重たい荷物を受け取ってベルトコンベアまで運んだり、搭乗に遅れそうな搭乗客を探し回ったりと、体力勝負の側面もあります。また、受託する荷物に危険物がないかチェックしたり、チケットの発券トラブルに対応したりと、想定外の辞退にも冷静に対応しなければいけません。そのほか、空港内での道案内や探し物といった各種問い合わせにも対応するなど、幅広い業務を担うポジションです。
おおよその年収
幅広い業務をこなさなければならない割に年収はあまり高くなく、航空会社によって異なりますが、だいたい300万円から400万円程度が平均的です。
求められる能力 ~基本的な英語力と第一印象の良さが大切~
グランドスタッフになるために、特に専門資格などは必要なく、業務に必要な知識・スキルは就業してから覚えていくことになります。しかし、毎日さまざまな国籍の人と接するため、事実上、英語スキルは必要不可欠。目安としてTOEIC550点以上の英語力、特にリスニングとスピーキングのスキルが求められます。
また、お客様と接する時間は限られているので、第一印象の良いことが大切です。清潔感や言葉遣い、自然な笑顔など、他人にどう見られているか、客観視できる人が向いています。加えて、突然の事態にも焦ることなく行動できる臨機応変さも大切でしょう。空港内のカウンター、出発·到着ゲートなど空港内の端から端までを走り回り、定時に飛行機を出発·到着させなければならないハードな仕事なので、基礎体力のあることも大切な要素になります。
向いている人柄 ~時間を守れる、自己管理能力の高い人~
航空機は時間通りに離着陸することが非常に重要なので、グランドスタッフは時間に正確で自己管理のできる人が向いています。限られた時間内で上手に説明・案内できる人や、日常生活でも時間に余裕をもって行動できる人が向いているでしょう。タイムマネジメントは普段から訓練することができますので、普段から「時間を守る」クセをつけることが大切です。
仕事のやりがい ~お客様の「ありがとう」「いってきます」が原動力~
グランドスタッフは空港が職場なので華やかな職業です。さまざまな国籍、年齢の人たちに頼りにされて「ありがとう」「いってきます」と言われる機会も多いので、やりがいも存分に感じられるでしょう。
人から見られる仕事なので、必然的に身のこなし方もきれいになるでしょう。自分が輝きながら働いていることを実感できる仕事です。お客さまの航空会社に対する印象が、グランドスタッフの応対によって決まるといっても過言ではありません。そのような責任もやりがいにつながります。
仕事の辛いところ ~華やかなイメージとは裏腹の重労働~
グランドスタッフは体力勝負です。美しい立ち姿をイメージするかもしれませんが、実際は空港内を走り回ることも日常茶飯事。終業時間には足がむくんでしまうこともあります。見かけとは裏腹に、かなり重労働な仕事なのです。また、近年は航空会社のコスト削減が進み、派遣社員として働く人も増えています。華やかなイメージだけで働いてしまうと、不安定な雇用形態とのギャップを感じでしまうことも多々あるようです。(ライター:二之形幸子)