電気工事士 ~世の中に電気の恩恵をもたらす~
仕事の役割 ~あらゆる電気工事を引き受ける~
電気工事士は、その名の通り、電気工事に関するあらゆることを引き受ける仕事です。電球交換やコンセント増設、電気施設のメンテナンスまで、電気にまつわる幅広い作業をおこないます。具体的な業務としては、建物への電線の引き込み、配線、コンセントやスイッチ、照明器具といった端末機器の設置などがおもな仕事であり、電気を一般消費者に届ける、重要な役割を果たしています。
一戸建てやマンションといった一般家庭だけでなく、オフィスビルや病院、公共施設、デパートなど様々な建物に備わっていますので、電気工事士の仕事内容も多岐に渡ります。電柱工事や新築オール電化住宅の配線作業など、幅広い仕事内容なので毎日変化に富む飽きのこない仕事ともいえるでしょう。
勤務先としては、各種の設備工事を手がける企業、あるいは個人経営の電気工事店が多いようです。また、電気工事士の資格には第1種と第2種があります。それぞれできる仕事も決まっており、第2種は一般家庭での作業メインですが、第1種を取得すれば、ビルや商業施設などでも作業ができます。
おおよその年収
電気工事士の平均年収は約430万円。所属する企業の規模が大きいほど、年収も高い傾向がありますが、職人の世界でもあるので技術があれば給与アップも目指せます。
求められる能力 ~専門知識と日々の経験~
電気工事士になるには、まず、国家資格である「電気工事士」の資格を取得する必要があります。資格は第1種・第2種があり、年齢や学歴に関係なく、誰でも受験可能です。ただし第1種については、実際に資格を取得するために3~5年の実務経験が必要になります。また、第1種・第2種ともに実技試験があります。
資格が取得できたとして、実際の業務では、電気の基礎知識や配線・電線の取り扱い方法、さまざまな形のスイッチ類、工具などを使いこなせるようになる必要があります。これは経験がものを言う世界なので、地道に知識とノウハウを覚えていくしかありません。新しい技術も次々に生まれますので、日々の学習も求められます。
向いている人柄 ~臨機応変さと体力~
電気工事士の仕事は幅広いのが特徴的です。電柱の上で作業する日もあれば、新築マンションで電気の配線図を考えることもあります。決まった仕事を確実にこなしていくというよりも、臨機応変に目前の仕事をこなしていく柔軟さが求められます。また、屋内・屋外を問わず、雨の日でも炎天下でもあちこちへと出向く仕事です。屋外での作業も多いので体力のある人が向いています。また、設計図を見るのが面白い、数字に強いという人は電気工事士に向いているでしょう。
仕事のやりがい ~想定通りに工事を完了させ、人々の暮らしを守る~
家やビルを建てる際には、電気工事士の存在は不可欠です。設計図通りに工事を完了させ、マンションや施設に通電させるのを見届けたとき、「この仕事は自分がやったんだ!」と大きな達成感を味わうことができるでしょう。また、毎日、変化に富んだ仕事内容なので面白さを感じられるでしょう。
仕事の辛いところ ~暑い日も寒い日も外での現場仕事~
現場仕事が多い電気工事士は、早朝から夜中まで拘束されることがよくあります。一方で、実務時間は数時間で残業代が出なかったり、職人気質の人が多く上下関係の厳しい職場もあったりするなど、ブラックな仕事を思わせる側面もあります。基本的には肉体労働なので、きつい仕事でもありますが、生活になくてはならない電気を届ける、やりがいのある仕事です。(ライター:二之形幸子)