塾講師 ~生徒の学力アップや志望校合格を学力面でサポート~
仕事の役割 ~個別指導からクラス担当、進路の相談まで~
塾講師は、進学を目指す生徒に対し、学習塾にて受験対策のための学習指導をおこないます。個別指導や集団、学科別など、指導する方法や内容も相手によって異なり、それに応じて指導方針やテスト内容を決め、指導計画を立てるなどの準備もおこないます。学校教師と異なるのは、学校教師が部活動や生活指導、保護者面談など、学業だけではなく、社会的常識を教える役割も担っているのに対して、塾講師は担当する科目のプロフェッショナルとして勉強方法を教え、生徒の目標達成に向けて後押しすることでしょう。また、進学のための進路相談や学力診断といったサポート業務も担当します。
近年は小学生段階から始める高度な教育への関心も高まっており、塾講師の需要は増加しています。塾講師の場合には研修制度やフォロー体制も充実しているので、未経験でもチャレンジ可能です。勉強に自信がある人、人に説明をするのが得意な人、人の役に立ちたい人にお勧めの仕事です。なお、塾講師は一般的に小中学生向けの学習塾に所属する講師に対しての呼び名であり、高校生向けの予備校に所属する講師とは区別されます。
おおよその年収
平均年収は350万円~425万円ほどですが、非常勤講師やアルバイト雇用の場合、時給1800円~1900円の間になることが多いようです。一方で、多くの学生を志望校に合格させるような有名講師になると、年収800万円~900万円も夢ではありません。
求められる能力 ~頭脳明晰なことだけではなく、教えるスキルが大切~
生徒に教えるためには自分自身が指導内容を理解している必要がありますので、その教科に関しては高いレベルでの理解が求められます。また、自分が頭脳明晰で学力が高かったとしても、人に教える能力は別物です。生徒のわからない気持ちを理解できる、理解しようとする能力が必要になります。“知っている”だけでなく“教えられる”スキルが特に重視されるといえるでしょう。
また、知識面だけでなく、塾講師は、生徒や保護者の気持ちを理解する能力や話をする力、良き伴奏者として生徒を引っ張っていくリーダーシップなどが求められます。他にも、会話などが好きなことも適性のひとつになります。授業中は、生徒に向かって話すことになるので、言葉で伝えることが得意な人だと向いています。生徒側が塾を選べますから、カリキュラムにそって勉強を教えるだけでなく、成績を上げるためにやる気などを起こさせたり、相談に応じたりすることも大切です。
向いている人柄 ~お兄さん・お姉さん的存在で頼られる人~
担当する生徒の学習計画を立て、塾講師の場合はほかの先生と情報共有をすることもありますし、勉強だけでなく、生徒の進路相談を担当することもあります。そういった意味でお兄さん・お姉さん的存在になり得るような人が向いています。また、生徒の成長に喜びを感じられるような人が塾講師に向いているでしょう。最近は保護者対応も大変なので、保護者に気に入られるような人格の持ち主だと塾講師としても活躍の場が広がります。
仕事のやりがい ~生徒の学力アップと成長こそが仕事のやりがい~
生徒に頼られ、喜ばれることがこの仕事のやりがいです。自分が学んできたことを活かすことができるのも魅力のひとつでしょう。一生懸命教えた生徒が「わかった!」と学力アップする瞬間、そして志望校に合格したときの喜びは大きく、その子の成果を家族とともに受け止める醍醐味が味わえます。また、学校教師とはちがって、自分の個性を出しながら授業を進めることができることも、この仕事のやりがいです。
仕事の辛いところ ~大人たちの対応のほうが大変?~
塾講師は、生徒だけでなくその親、他の講師や塾長からも何かしら圧力を受けます。生徒にも学力差があるので、一人ひとりしっかり教えたいと思いつつも、親からは「うちの子のテストの点が上がっていない!」、塾長からは「もっと効率よく教えろ!」と詰め寄られることもあるそうです。また、非常勤講師などは待遇も不安定な面もありますので、離職率も高いようです。(ライター:二之形幸子)