パソコンインストラクター ~PCの知識とスキルを伝授する~
仕事の役割 ~受講者レベルに合わせてOA知識や技術をレクチャー~
パソコンインストラクター(OAインストラクター)は、パソコンや付随する各種OA機器の使い方を教えるのが主な仕事です。教える相手は学生からビジネスマン、高齢者などさまざまです。そのため、教える内容やレベルも多岐に渡り、パソコンの電源の入れ方を教えることから始まることもあります。マウスやキーボードの操作から始まり、OSの基本的な動作や便利なショートカット、メール機能の設定や使い方、インターネット閲覧の仕方、検索方法なども教えます。また、基本的なWordやExelを使用した文書作成、簡単なホームページの作り方等を教える場合もあります。
一般向けのパソコン教室のほか、ビジネスパーソン向けの研修を専門におこなう企業に所属する人もいます。街中のパソコン教室に勤務する場合、研修は初心者向けの内容が中心ですが、ビジネスパーソン向けの場合、IT企業などを顧客に抱えることも多く、専門性の高い知識や技術、プログラミング言語やデータベースなどに関する研修をおこなうこともあります。受講者のレベルに合わせながら教えることで、受講者がパソコンやソフトを使いこなせるようにサポートしていくことが求められます。
おおよその年収
年収はあまり高くなく、300万円~500万円が一般的です。また、アルバイトやパート、契約社員雇用も多く、時給制だと1000円~1500円が相場のようです。
求められる能力 ~IT全般についての知識とスキル、コミュニケーション能力~
パソコンインストラクターというと、必須の資格がありそうですが、実際のところは学歴や資格も必要ありません。しかし当然ながら、パソコンをはじめとした各種のITスキルは必須です。WindowsやMacといったOSについての知識だけでなく、Microsoft Officeをはじめとした各種アプリケーションの使用方法も熟知しておかなければなりません。
そのほか、インターネットへの接続方法や、近年であればSNSやクラウドといった各種のWebサービスの使用方法もマスターしておきたいところです。無論、スマートフォンの使用方法・活用方法についても教えられるようになっておくと、なおよいでしょう。パソコンインストラクターとしての資格は不要ですが、MicrosoftOfficeの指導資格として、Microsoftが公式認定しているMicrosoft Office Specialist(MOS)を取得していると転職にも有利です。
そのほか、パソコンインストラクターに求められるのは、人に教えるコミュニケーション能力です。受講者がどれくらいの理解度なのか、何がわかっていて何がわかっていないのかを察して、わかりやすく教えることができれば、インストラクターとして活躍できるでしょう。特に高齢者の受講者が多くなってきた昨今、こうしたコミュニケーション能力がパソコンインストラクターに求められる重要な要素です。
向いている人柄 ~他人の目線になってものを考えられる人~
パソコインインストラクターは指導者ですが接客業も兼ねています。そのため、人当たりのよさや誰からも好かれるような人が向いているでしょう。また、初心者や高齢者に教える場合、じっくり向き合いながら教えなければいけないこともあります。短気な人には向いていません。他人の気持ちを考えた言動のできる人が向いています。
仕事のやりがい ~スキルアップする受講者の姿に喜び~
パソコン知識が全くなかった人ができるようになる、成長した姿が見られることが、仕事のやりがいです。また、若い人は自分でどんどん知識や技術を身につけていますが、高齢者はパソコンインストラクターを必要とする人も多いです。高齢者人口が増えていくに従って、高齢者目線で分かりやすく指導できるインストラクターは重宝されるようになるでしょう。
仕事の辛いところ ~パソコンの電源の入れ方から教えることも
パソコンの基礎知識がある人に教えることはさほど難しくありませんが、全くない人に教えることは頭を使います。もちろん、電源の入れ方から教えなければならない人、物覚えが悪い人もいます。そのような人に「どうしてわかってくれないのだろう、自分の指導の仕方が悪いのではないか」と悩んでしまう人もいるようですが、そういう場合でも気長にじっくり教えていくことが必要です。(ライター:二之形幸子)