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    多様化する「営業職」の種類 特徴と求められるスキル

    多様化する営業職 営業職は、取り扱う商材や顧客層、営業スタイルによって、求められる能力や役割が大きく異なります。また、かつてはフィールドセールスが主でしたが、デジタル化の進展で営業職の種類が多くなっています。

    今回は、主な営業職の種類とその特徴、必要とされるスキル、そして各職種特有の課題や難易度について解説します。どのようなスタイルが自分に合っているのか、転職先を選ぶ際の参考にしてください。

    顧客タイプによる分類

    営業職は、まず対象とする顧客層によって大きく三つに分類されます。それぞれに異なる特徴と課題があります。

    1.法人営業(BtoB)

    企業間の取引を担当する法人営業は、製品やサービスの提案から契約締結まで、組織的な取引を推進していく役割を担います。一般的に取引金額が大きく、商談期間も長期にわたるため、営業担当者には高度な専門性とマネジメント力が求められます。

    • 商談の特徴:複数の意思決定者が関与し、商談期間が長期化する傾向があります。社内の稟議プロセスなど、組織特有の課題への対応も必要です。また、商材や業界に関する深い知識が求められ、技術的な理解も必要となることが多いです。
    • 求められるスキル:組織的な営業推進力/提案書作成能力/プレゼンテーション力/社内調整力
    • 難易度:★★★★☆ 商談の複雑さと専門性の高さから、習熟に時間がかかります。また、組織的な意思決定への対応が必要です。営業工作に時間がかかる分、受注時の成果は大きいですが、失注時の影響も大きいです。

    2.個人向け営業(BtoC)

    一般消費者を対象とする個人向け営業は、不動産、保険、自動車など、個人の生活に関わる商品やサービスの販売を担当します。顧客一人ひとりの要望や状況に合わせた提案が求められ、感情面での配慮も重要となります。

    • 商談の特徴:その場での決断を求められることが多く、即断即決の対応力が必要です。また、個人の感情や価値観に寄り添う必要があり、共感力が重要です。
    • 求められるスキル:コミュニケーション力/クロージング力/商品知識/感情コントロール力
    • 難易度:★★★☆☆ 比較的早期から成果を出しやすい特徴がありますが、安定した成果を上げ続けるには高い能力が必要です。また、感情的なクレーム対応など、メンタル面での課題も多くあります。

    3.官公庁営業(BtoG)

    官公庁や地方自治体を対象とする営業形態で、公共事業や公共サービスに関連する製品・サービスの提案を行います。予算年度や入札制度など、民間企業とは異なる商習慣への理解が不可欠です。

    • 商談の特徴:入札や予算年度など、独特のルールへの対応が必要です。また、特に厳格な法令順守が求められます。
    • 求められるスキル:法令・規則の理解/文書作成能力/長期的な関係構築力/正確な事務処理能力
    • 難易度:★★★★★ 特殊なルールの理解が必須であり、厳格な手続きへの対応が求められます。また、一度のミスが大きな影響を及ぼすため、常に緊張感のある業務となります。予算や制度の変更にも敏感に対応する必要があります。

    営業スタイルによる分類

    営業スタイルによって、必要なスキルセットは大きく異なります。

    1.ルート営業

    既存顧客を定期的に訪問し、継続的な取引を維持・拡大する営業スタイルです。商品の補充や新商品の提案、顧客からの要望対応など、安定的な取引関係の構築が主な役割となります。

    • 商談の特徴:定期訪問による関係維持が基本で、安定した収益が見込めます。
    • 求められるスキル:顧客関係管理能力/情報収集力/クレーム対応力/提案力
    • 難易度:★★☆☆☆ 既存の取引関係があるため、比較的早く軌道に乗りやすい特徴があります。ただし、日常的な関係による商談のマンネリ化や、競合からの切り崩しへの対応が課題となります。また、新規提案の機会を逃しやすい点にも注意が必要です。

    2.新規開拓営業

    新規顧客の開拓を専門とする営業スタイルで、市場調査から始まり、アポイント取得、提案、契約締結までを一貫して担当します。未開拓市場での実績作りや、新規顧客層の開拓が主なミッションとなります。

    • 商談の特徴:アポイント取得から始まり、一からの関係構築が必要です。
    • 求められるスキル:市場分析力/アプローチ力/強いメンタル/戦略的思考力
    • 難易度:★★★★★ 成果が出るまでに時間がかかり、断られることも多いため、メンタル面での負荷が非常に高い職種です。また、市場環境の影響を直接受けやすく、景気動向による変動も大きくなります。一方で、新規開拓に成功した際の達成感や成長機会は他の営業職に比べて大きいという特徴があります。

    デジタルセールスの新しい役割

    デジタル化に伴い、新たな営業職種が確立されつつあります。

    1.インサイドセールス

    電話やオンラインツールを活用し、非対面での営業活動を行う職種です。リード獲得から初期商談、場合によっては成約まで、デジタルツールを駆使して効率的な営業プロセスを実現します。

    • 商談の特徴:デジタルツールを活用した効率的な商談進行が特徴です。
    • 求められるスキル:オンラインコミュニケーション力/デジタルツールの活用力/商談の定量分析力/効率的な情報管理能力
    • 難易度:★★★☆☆ デジタルツールの習得が必須となりますが、一度マスターすれば効率的な営業活動が可能です。ただし、非対面でのラポール(信頼関係)形成には独自のスキルが求められ、データ分析による仮説検証も必要となります。オンラインでのコミュニケーションスキルの習得には一定の時間がかかります。

    2.カスタマーサクセス

    契約後の顧客に対して、製品やサービスの活用支援を行い、顧客の成功を実現する役割です。特にSaaS等のサブスクリプション型ビジネスでは、継続利用を促進する重要な職種として位置づけられています。

    また、顧客の成功体験を基盤として、上位プランへの移行(アップセル)や関連サービスの提案(クロスセル)も重要なミッションとなります。

    • 商談の特徴:導入後のサポートや活用促進が主な業務です。顧客の成功に応じて、段階的な提案機会を創出していきます。
    • 求められるスキル:技術的理解力/問題解決力/教育・指導力/データ分析力/事業成長支援力
    • 難易度:★★★★☆ 製品やサービスについての深い技術的理解が必要であり、顧客の成功に直接的な責任を持つ立場となります。技術面とビジネス面の両方の知識が求められ、常に最新情報のキャッチアップも欠かせません。また、サポート業務と収益貢献の両立が求められ、顧客との信頼関係を基盤としたタイミングの見極めも重要です。

    さらなる進化に向けて

    営業職の役割は、デジタル化やAI技術の発展により、今後も大きく変化していくことが予想されます。特に重要なのは、従来型の営業スキルとデジタルスキルを組み合わせた、ハイブリッドな能力の開発です。

    各営業職の特徴と難易度を理解した上で、自身の適性に合った領域を選択し、必要なスキルを計画的に習得していくことが、営業職としての成長につながります。

     

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