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    リアルとリモートの「ハイブリッドワーク」での営業チームマネジメント

    リアルとリモートの「ハイブリッドワーク」 リモートワーク環境が当たり前に整備される中で、リアル(対面)とリモートを組み合わせた「ハイブリッドワーク」という勤務形態が一般化しています。働く人にとってはメリットが大きいものの、営業マネージャーからは「管理しにくい」という声もあがります。

    とはいえ、リアル一辺倒の世界に戻ることはなく、営業チームのマネジメントには「ハイブリッド」を前提とした新たなアプローチが求められています。今回は、営業部門のチームリーダーに向けて、ハイブリッド環境を組織の強みに変える実践的なマネジメント手法を解説します。

    ハイブリッド時代の営業マネジメントとは

    営業マネージャーにとって「管理しにくい」というハイブリッド環境の課題を、どのように克服していくべきでしょうか。まずは現状の課題を整理することから始めましょう。

    1.課題認識

    多くの営業マネージャーが直面している課題は、メンバーの動きが見えにくくなったことです。リアルな環境では、オフィスで自然に把握できていた商談の進捗状況や、メンバーの活動量、さらには個々の営業担当者が抱える課題まで、マネジメントの手が届きにくくなっています。

    また、チームメンバー同士の情報共有や相互支援の機会も減少しがちです。ベテラン社員から若手への経験やノウハウの伝承、案件の共有によるチーム営業の実践など、これまで当たり前に行われていた活動の継続が難しくなっています。

    2.新たに求められる視点

    これからの営業マネジメントでは、「見える化」と「仕組み作り」が重要です。メンバーの活動状況や成果を可視化し、それを適切に評価・フィードバックする仕組みを整備することで、「管理しにくさ」を解消していく必要があります。同時に、リアルとリモートのそれぞれの利点を活かした業務プロセスの確立も求められます。

    業務プロセスの再設計

    営業活動の各フェーズにおいて、リアルとリモートの最適な組み合わせを検討し、効率的なプロセスを構築します。

    1.営業活動の可視化と標準化

    まず必要なのは、営業プロセスの標準化です。商談の各段階で必要な行動を明確にし、どの活動がリモートで実施可能か、どの場面でリアルな接点が効果的かを整理します。

    例えば、初期の情報収集や提案書作成はリモートワークで効率化を図り、重要な商談や契約締結の場面ではリアルな対話を重視するといった具合です。

    2.評価指標の設定

    次に、新しい環境に適した評価指標の設定が重要です。従来の「訪問件数」や「面談回数」だけでなく、「リモート商談の件数や質」「顧客とのエンゲージメント状況」など、新たな指標の導入を検討します。特に、リモートでの営業活動の実効性を測る指標の設定が鍵となります。

    3.進捗管理の仕組み作り

    日々の活動報告や進捗確認においては、簡潔で効果的な仕組みづくりが重要です。リアルタイムでの情報共有と、定期的な振り返りの機会を組み合わせることで、チーム全体の状況把握と個別のフォローを両立させます。

    チーム評価制度の再構築

    ハイブリッド環境下では、リアルな場面での観察だけでは適切な評価が難しくなります。より客観的で公平な評価基準の確立と、それを運用する仕組みづくりが必要です。

    1.成果指標の見直しと設定

    評価の軸として「定量的な成果指標」と「定性的な行動指標」の両方を設定します。「売上」や「成約率」などの結果指標に加え、「リモート商談での提案品質」「顧客からのフィードバック」「社内外との連携度」など、プロセスの質を測る指標も重視します。

    2.プロセス評価の重要性

    リアルとリモート、それぞれの特性に応じた評価基準を設定します。リモート商談では、事前準備の充実度や説明の分かりやすさ、オンラインツールの効果的な活用などを評価。リアルな商談では、対面ならではの関係構築力や状況対応力を重視します。

    3.チーム貢献度の可視化

    個人の営業成績だけでなく、チームへの貢献度も重要な評価要素とします。具体的には、ナレッジの共有度、他メンバーへのサポート状況、チーム全体の目標達成への寄与度などを数値化し、評価に組み込みます。

    チームビルディング

    ハイブリッド環境下でのチームビルディングには、意図的なコミュニケーション設計が不可欠です。リアルとリモートの特性を活かした施策を組み合わせることで、チームの一体感を醸成します。

    1.定期的なコミュニケーションの設計

    基本となるのは、週次のリモートミーティングと月1回程度のリアル全体会議の組み合わせです。リモートミーティングでは効率的な情報共有と進捗確認を行い、リアルな場では戦略の議論や深いコミュニケーションの機会を作ります。また、1on1ミーティングを定期的に実施し、個々のメンバーの状況把握と課題解決を図ります。

    2.リアル・リモートでの関係構築

    業務外のコミュニケーションも計画的に設計します。リモートでは15分程度のオンラインティータイムを設定し、雑談や情報交換の機会を作ります。四半期に一度程度はリアルな懇親会も開催し、より深い人間関係の構築を図ります。

    3.チーム文化の醸成とビジョンの共有

    ハイブリッド環境だからこそ、チームの方向性や価値観の共有が重要です。月次の全体会議では必ずビジョンや戦略の確認時間を設け、日々のコミュニケーションの中でも、その実践状況を確認し合います。

    新しいマネジメントに向けて

    ハイブリッド環境下での営業チームマネジメントにおいて、最も重要なのは「仕組み」と「柔軟性」のバランスです。適切な管理の仕組みを整備しながらも、状況に応じて柔軟に運用していく姿勢が求められます。

    「業務プロセスの標準化」「公平な評価制度の確立」、そして「計画的なコミュニケーション設計」という3つの要素を確実に機能させることで、管理しにくいハイブリッド環境を「新しい強み」へと転換することができます。

    まずは自社の状況に合わせて優先順位をつけ、できるところから着実に実行していくことが、成功への近道となるでしょう。

     

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