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    要注意! ブラック営業の5つのパターンを転職前に見分けるポイント

    ブラック営業

    「営業の仕事は、どこも似たようなものでしょ?」――。いいえ、そんなことはありません。営業職の現場は会社によって大きく異なり、中には働く人の健康や生活に大きな影響を与えるような環境も存在します。せっかくの転職なのに、前職以上にストレスフルな環境に迷い込んでは本末転倒です。

    今回は、転職先として注意が必要な営業職場の典型的な5つのパターンと、その見分け方をご紹介します。ただし、これらの基準は業界や企業の状況によって柔軟に判断する必要があります。

    1.使い捨て型:人材の定着に問題のある会社

    「若手の新鮮な感性を活かせる職場です!」というフレーズの裏には、「若手の定着率に問題がある」という現実が隠されているかもしれません。

    典型例の見分け方

    • 同じ職種の募集が頻繁に出ていないか。
    • 業界平均と比較して離職率が1.5倍を超えていないか。
      • 全産業の大卒3年以内離職率は約32%なので48%以上なら要注意。ただし業界別の平均値と比較することが望ましい。
      • 業界別の平均離職率(3年以内)は、小売業:約45%/不動産業:約35%/情報通信業:約28%/製造業:約25%/金融・保険業:約24%
    • 特定の部署や時期に退職が集中している場合も要注意。

    面接での確認ポイント

    • 「営業部門の平均的な在籍年数を教えていただけますか?」
      → 業界平均と比較して極端に短い場合は要確認
    • 「新人教育の具体的な仕組みを教えていただけますか?」
      → 体系的な教育システムがあるか確認
    • 「最近、組織体制で変更や改善された点はありますか?」
      → 問題への取り組み姿勢を確認

    2.ノルマ重視型:数字への過度なプレッシャーがある

    成果主義を導入していること自体は現代のビジネスでは一般的です。問題は、その運用方法やサポート体制にあります。業界特性も考慮する必要があります。

    このタイプの見分け方

    • 業界標準と比較して歩合給比率が著しく高くないか(ただし、不動産や保険など業界による違いあり)。
    • ノルマ未達時のフォロー体制が不明確ではないか。
    • 営業手法が画一的で柔軟性に欠けていないか(ただし、標準化が必要な業界もあり)。

    面接での確認ポイント

    • 「目標設定の考え方を教えていただけますか?」
      → 現実的な目標設定か、根拠が明確か確認
    • 「目標達成に向けたサポート体制を教えていただけますか?」
      → 具体的な支援策の有無をチェック
    • 「成功している営業担当者の特徴を教えていただけますか?」
      → 長期的に成果を上げている人材の存在を確認

    3. 教育体制不足型:現場任せの育成

    「即戦力」「自由な営業スタイル」という言葉は、文脈によってはポジティブな意味を持ちます。重要なのは、経験レベルに応じた適切なサポートが得られるかどうかです。

    このタイプの見分け方

    • 業界標準と比較して研修期間が著しく短くないか。
      • 例:メーカーの法人営業は通常2-3ヶ月、金融機関は3-6ヶ月、住宅メーカーは1-2ヶ月が一般的。
      • 特に商材の専門知識が必要な業界(医療機器、IT、金融商品など)で研修期間が2週間以下は要注意。
    • 教育担当者が明確になっているか。
      • 例:「先輩社員が都度教える」だけで、専任の指導員や教育担当者が不在。
      • 例:指導員1人あたりの新人が5人以上と負担が大きい。
    • 営業ノウハウの共有体制が十分か。
      • 例:商談資料やマニュアルの整備がなく、個人の経験則に依存。
      • 例:定期的な営業会議や成功事例の共有会がない。

    面接での確認ポイント

    • 「入社後1年目の1日の流れを教えていただけますか?」
      → 具体的なスケジュールが示されるか(「9時出社→10時までMTG→午前中は電話営業…」など)
      → 新人でも無理のない商談件数か(例:訪問4件/日以下が目安)
      → 先輩社員のサポートが日常的にあるか
    • 「先輩社員との関わり方について教えていただけますか?」
      → 指導担当が固定されているか、定期的な面談やフィードバックの機会があるか、新人が相談しやすい雰囲気があるか
    • 「商談に同行させていただく機会はありますか?」
      → 同行期間は十分か(業界標準と比較)、単なる見学ではなくフィードバックがあるか、徐々に責任範囲を広げていく仕組みがあるか

    4. 働き方に問題のある職場:長時間労働が常態化

    「フレキシブルな働き方」は、ワークライフバランスにプラスになる場合もあれば、際限のない労働時間を意味する場合もあります。具体的な運用実態を確認することが重要です。

    このタイプの見分け方

    • 残業時間の管理体制が明確になっているか。
      • 例:36協定の特別条項で月80時間超の残業を容認。
      • 例:残業時間が個人申告制で、上限管理が形骸化。
    • 休日出勤が常態化していないか。
      • 例:月の休日出勤が3日以上。
      • 例:休日出勤の代休取得率が50%未満。
    • 働き方改革への取り組みが消極的ではないか。
      • 例:営業のノー残業デーが未設定。
      • 例:直行直帰やテレワークなど柔軟な働き方の制度がない。
      • 例:タイムカードはあるが、実態は「付けない残業」が黙認。

    面接での確認ポイント

    • 「繁忙期の働き方について教えていただけますか?」 → 繁忙期の具体的な時期と期間が明確か
      → 残業時間の上限が示されるか(月45時間以内が目安)
      → 休日対応の頻度と代休制度の運用実態
    • 「残業時間の管理はどのように行われていますか?」
      → 客観的な時間管理(ICカードなど)があるか
      → 営業部門特有の配慮(直行直帰時の時間管理など)
      → 残業時間削減への具体的な取り組みがあるか
    • 「直行直帰は可能でしょうか?」
      → 実際の利用率はどうか、承認プロセスは合理的か、スケジュール管理の自由度

    5. 私生活との境界が曖昧:過度なコミットメントを求める会社

    過度なコミットメント社内の結束や一体感を大切にすることは重要ですが、それが過度になると個人の生活を圧迫する可能性があります。重要なのは、強制ではなく自主性が尊重されているかどうかです。

    このタイプの見分け方

    • 社内イベントや飲み会が事実上の強制になっていないか。
      • 例:参加しない社員の評価が低くなる傾向がある。
      • 例:月2回以上の飲み会や休日イベントがある。
      • 例:不参加の場合に理由の説明が求められる。
    • 休暇取得に対する制限が多くないか。
      • 例:有給休暇の年間取得率が50%未満。
      • 例:連続休暇の取得に制限(夏季休暇以外で連続3日以上の取得が困難)。
      • 例:急な私用での休暇取得に対してペナルティがある。
    • プライベートな時間の確保が難しくないか。
      • 例:19時以降の商談が週に複数回。
      • 例:土日のイベント参加が月1回以上。
      • 例:緊急対応の名目で休日の連絡が頻繁。

    面接での確認ポイント

    • 「社内イベントはどのような形で開催されていますか?」
      → 参加が任意か強制か、開催頻度と時間帯は適切か、不参加者への対応はどうか
    • 「休暇の取得状況について教えていただけますか?」
      → 部門の平均取得日数、取得時期の制限の有無、急な休暇への対応
    • 「仕事とプライベートの両立について、どのようにお考えですか?」
      → 育児・介護との両立事例、副業・自己啓発の許容度、休日や深夜の連絡対応ルール

    ブラック営業対策の基本戦略

    自分が納得できない職場への転職を避けるために、以下の3点は重要です。

    1. 多角的な情報収集

    違和感の視点を得るためにも、口コミサイトは必ず見ておきましょう。ただし、すべての書き込みを信じ込むことなく、あくまでも参考程度に。以下の情報も合わせてチェックしましょう。

    上場企業の場合は、公開情報を基に、決算情報(特に人件費や採用費の推移)や、企業の成長段階や業界での位置づけを確認しておきましょう。

    2. 面接での確認方法

    ブラック企業が正直な回答をするとは限りません。しかし何も確認せずに入社するのは危険すぎます。なお、露骨な質問は警戒されますので、自然な会話の中で入社後の様子を具体的に聞くことがおすすめです。

    • 「入社後1年目の方は、どのように成長されているのでしょうか?」
    • 「どのような方が会社で成功されていますか?」
    • 「営業部門での最近の変化や取り組みを教えていただけますか?」

    3. 総合的な判断

    仮に理想的なホワイト企業ではないとしても、「業界特性との適合性」や「企業の成長段階」「自身のキャリアプランとの整合性」「改善への取り組み姿勢」などの要素を総合的に判断する必要があるかもしれません。違法行為は許されませんが、ある程度のリスクを覚悟でリターンをねらうことはありえます。

    自分の価値観との適合性を

    これまで紹介してきた見分け方はあくまでも参考です。最も大切なのは、その職場があなた自身のキャリアプランや価値観に合っているかどうかです。

    完璧な職場環境というものは実際には存在しません。重要なのは、働く環境の問題に対して、企業がどのように向き合い、改善に取り組んでいるかです。表面的な制度や数値だけでなく、その運用実態や改善への姿勢を見極めることで、より良い転職先を見つけることができるでしょう。

     

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