試用期間で解雇になってしまう3つの理由
中途採用を行う企業では、入社後に数ヶ月の使用期間を設けるケースが少なくありません。大抵の場合は、問題なくそのまま本採用となることがほとんど。しかしまれに、試用期間中で解雇になってしまうケースもあります。
では、いったいどのようなケースで、試用期間中の解雇が起こり得るのでしょうか。試用期間とはいえ、解雇となれば職を失いますし、改めて転職活動を行う必要性も生じます。そうならないために、まずは試用期間の意味を理解しましょう。そのうえで、ここでは事例を交えつつ、試用期間で解雇となってしまう理由をご紹介します。
試用期間の意味と目的
転職活動では当然ながら、書類選考や面接選考が行われます。しかし、実際に職場でどれだけ能力が発揮できるのか、あるいは本当に自社に合った人材なのかは、やはり働いてみなければ分かりません。そこで企業としては試用期間を設け、実務を通じてしか見られない能力・職場とのマッチングなどを判断します。
もちろん転職者側から見ても、勤務先として適するか最終判断を行う期間と位置づけられます。ときには試用期間を経て、転職者のほうから正式雇用を辞退することもあります。つまり試用期間は、双方にとって最終的な見極めの場と考えると良いでしょう。
試用期間で解雇されてしまう理由
せっかく長い転職活動を経て見出した職場ですから、試用期間での解雇は避けたいところ。ここで事例を交えながら、試用期間で解雇となる3つの理由をご紹介します。
1. 会社の雰囲気に溶け込めない
仕事を円滑に進めるうえで、人間関係は重要なポイントです。毎日の業務をストレスなくこなし、能力を十分に発揮するためには、その人の雰囲気など要因も重要でしょう。試用期間は通常1~3ヶ月程度設けられます。もしこの間に会社の雰囲気へ溶け込めないような場合には、「良好な人間関係の構築が難しい」「自社では能力が発揮しきれない」と判断されてしまうかもしれません。
2. 想定より著しく能力が低い
企業は選考過程で、転職者がどの程度の能力を有するか判断します。試用期間では、その判断が本当に正しかったのか否かを見極めることになります。もしそこに大きなズレがあれば、残念ながら能力不足として解雇に繋がる可能性があります。転職者が「新規開拓営業の経験があります!」と自信満々に発言していたとしても、その新規開拓はあくまで前職の会社の知名度に頼ったものであり、実際はまったく新規開拓ができなかった……ということもあり得るわけです。
即戦力となる人材を求める企業では、期待される能力と実際の能力のズレが特に厳しく判断されます。入社後に「期待外れだった」と思われないように、面接時には自分の能力を正しく伝えることが大切です。
3. 提出書類等の経歴に誤り・偽りがあった
転職活動では、履歴書や職務経歴書などを書類として提出します。その内容に間違った記載があれば、解雇となる可能性があります。たとえ能力が十分にあったとしても、また意図的な誤りではなかったとしても、です。企業側から見れば、そうした記載をする人は、「重要書類に事実と異なる記載をする人物」であり、仕事を任せられない人物なのです。そのため、選考用の提出書類はしっかり見直しをおこない、正しい情報のみ伝えるよう十分に注意してください。
もちろん、もし試用期間中に大きなミスを犯せば、それもまた解雇を検討する理由として浮上するでしょう。しかしだからといって、慎重になり過ぎては十分な働きが見せられません。今回ご紹介した3つの理由を念頭に置きつつ、あくまで“普段通り”のパフォーマンスを発揮することが重要です。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)