ITエンジニアと外国語スキルに関する4つの常識
日本国内のIT企業で仕事をしている場合、お客様やシステム利用者も日本人のケースがほとんどです。
そのため外国語のスキルは必要とされないことがほとんどなのですが、中には「海外進出を目指している」「オフショアで海外の下請けに発注している」などの理由から、外国語の習得が必須の企業や外国語が必要とされるケースもあります。そのためITエンジニアのキャリアアップには、外国語の習得が大きく有利に働くのです。
下記の4点は、ITエンジニアにとって外国語に関する基本的なポイント。システム開発プロジェクトに携わる場合は、理解しておくことが重要となります。
- エンジニアに最も有利な外国語は英語!
- 語学レベルは日常会話程度でもOK
- TOEICがあればより有利。グローバル展開している企業を探そう
- 職種はPMやブリッジエンジニア、業界はWeb関係が狙い目
それぞれのポイントについて、詳しく見てみましょう。
1. エンジニアに最も有利な外国語は英語!
ITエンジニアが身に付けることで最も有利に活かせる外国語は、やはり「英語」です。一般的にも英語ができる方が有利とされていますが、ITエンジニアはより英語が活用できます。OSのベースは英語ですし、OSS(オープンソースソフトウェア)やEclipseに代表される統合開発環境などは海外発祥のものが多く、ドキュメントなども全て英語だからです。
知名度が高いものは日本語のドキュメントも充実していますが、日本語への翻訳などに時間がかかることもあるでしょう。英語が読めると、他の人よりも先にテクニカルな最新情報を得ることもできます。
2. 語学レベルは日常会話程度でもOK
説明書をはじめとしたドキュメントを読むだけであれば、それほど高度な語学力は必要とされません。オフショアなどで海外に設計やプログラミングを依頼する場合には、チャットなどテキストでコミュニケーションを図ることも可能です。
英会話スキルについても、日常会話レベル+IT用語が分かることが最低限であり、ネイティブレベルのものは必ずしも必要ではありません。ITエンジニアの世界で使用される英単語は数が限られていますし、もし知らない単語があっても、Webの翻訳サービスなどを利用すればすぐに分かるでしょう。
3. TOEICがあればより有利。グローバル展開している企業を探そう
現職で英語を活用したいのであれば、TOEICスコアで英語ができることをアピールし、部署異動願いなどでチャンスを待つことが一般的な方法になるでしょう。なお、一般的にTOEICスコアは600点以上であれば履歴書・職務経歴書に記入したほうがよいとされています。
英語を活かしたいと考えているのであれば、転職時にはTOEICのスコアを示すと共に、グローバル展開している企業を検討すべきでしょう。
4. 職種はPMやブリッジエンジニア、業界はWeb関係が狙い目
ITエンジニアとして英語を活用できるポジションを求めるのであれば、プロジェクトを統括するようなプロジェクトマネージャーなどのポジション、海外オフショアとやり取りを行うブリッジエンジニアなどのポジションが考えられます。これらはITエンジニアとしての仕事で必要というより、コミュニケーションのために語学力が必要となるポジションです。
OSSなどに触れる機会はWeb業界の方が多いため、日常的に外国語に触れる機会を増やしたいのであればWeb業界への転職を目指すというのも一つの選択肢です。スマホアプリ開発を行う企業は、当然のように海外市場も視野に入れているので、こうした企業も狙い目です。
プログラミングの技術と知識が重視されるITエンジニアの中には、英語が苦手という人も少なくありません。しかし今後はインドやアフリカなどの新興国でのITの進展も予想されていますし、海を越えたオフショア開発もどんどん当たり前になっていくでしょう。英語がさまざまな場面で求められることが増えていますので、その習得はあなたのキャリアにとっても有利になるはずです。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)