ネット業界における営業職の3タイプ
ネット業界と言うと技術系の仕事に注目してしまいがちですが、企業である以上は営業の仕事も当然必要になってきます。新規顧客の開拓や既存顧客へのフォローなど、企業によってその営業のスタイルは様々です。しかし、大まかにはネット業界の営業職は以下3つのタイプに分類できます。
- ソリューション営業
- ネット広告営業
- コンテンツ企画営業
どれも営業という仕事に変わりはありませんから、ノルマ達成に対する責任感や顧客のニーズを察する力などは共通して必要です。それに加えて、以下の違いを把握しておくと、ネット業界の営業職として活躍できる可能性が高まるでしょう。
1. ソリューション営業
顧客の要望を理解したうえで、自社のプロダクト(Webアプリケーションや人員など)を利用し、経営に関する課題を解決するための提案を行います。例えば自社開発したオンラインの会計システムを売り込んだり、自社内のWebエンジニアで業務請負を行ったります。
自社サービスや市場動向、競合サービスに関する知識、あるいは顧客が抱える課題への理解が必要になります。自社のプロダクトで何を・どのように解決できるか、説得力を持って説明する必要があるでしょう。そのためヒアリング力やプレゼンテーション力がある人に向いています。
2. ネット広告営業
顧客の商品・サービスを効果的に販売していくために、ネット広告を使ったウェブプロモーションの提案を行います。ネット広告にはアフィリエイト広告やリスティング広告(Googleアドワーズなど)がありますが、宣伝する商品・サービスの特徴に合わせて広告手法を使い分け、日々の効果を測定していくことが必要になります。またネット広告は広告効果が数字ではっきり表れるので、数字や目標に対して責任ある対応が求められます。
ネット広告の分野はネット業界の中でも特に技術の進歩スピードが速く、新しい手法が次々に開発されています。そのため流行に敏感な人や柔軟性がある人、裁量を求める人に向いています。
3. コンテンツ企画営業
Web上のコンテンツを活用した企画提案を行います。「新製品のプロモーション用アプリを作りませんか?」「動画プラットフォームで御社のチャンネルを設けませんか?」といった提案を企業に仕掛けていくことになります。
顧客の要望を理解して課題を抽出することで、ターゲットユーザーに沿ったコンテンツが提供できるよう提案を行います。マーケティングに関する知識だけでなく、ユーザーが楽しめるコンテンツを提案するため、クリエイティブな思考や柔軟な発想力が必要になります。また、技術部門が作成したコンテンツを日々見直し、PDCAサイクルを定期的に回すことができる人に向いています。
上記の1~3を表にまとめると以下のようになるでしょう。
|
ソリューション営業 |
ネット広告営業 |
コンテンツ企画営業 |
---|---|---|---|
取り扱う商品 |
自社のWebアプリケーションや人員 |
Webの広告枠、プロモーション |
Webのコンテンツ |
提案内容 |
「当社のWebシステムで~~を解決しませんか?」 「弊社のネットエンジニアが御社の開発をお手伝いします」 |
「御社の製品をアフィリエイト広告で宣伝しませんか?」
|
「この製品のプロモーションサイトを作りませんか?」 「弊社の通販プラットフォームを利用してみませんか?」 |
必要な資質 |
ヒアリング力、プレゼンテーション力 |
変化への対応力、数字に対する責任感 |
クリエイティブ思考、PDCAを回す力 |
インターネットの世界でも、ただ「良い商品・サービスを作れば売れる」ということはありません。求めている人に適切に提供することができる営業職があってこそ、ビジネスとして成功するといえます。ネット業界で求められている営業職の役割を把握できれば、他業界からの転職者であっても活躍できるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)