テレホンアポインター ~電話一本で新規開拓を行う~
仕事の役割 ~電話トークから利益を生み出す~
テレホンアポインター(テレアポ)は、おもに電話で営業活動を行うお仕事です。会社の商品・サービスを売るために、一般顧客に営業電話をかけて、企業の利益につなげていきます。扱う商品・サービスは、英会話や教育関連の教材やインターネット・電話回線のセールス、不動産などが多いようです。社内の一部所として勤務する人もいれば、数十人以上のテレアポが在籍するコールセンターに勤務する人もいます。コールセンターの場合、自動電話発信システムが導入されており、効率よく電話できるようになっています。
B to Bの商材を扱う企業では、営業パーソンのアシスタント的な役割を担うテレアポもあります。用意された名簿や顧客リストを元に、一本一本、電話をかけていき、商談の約束を取り付けるわけです。直接の商談・契約は営業パーソンが行いますが、テレアポは顧客の「新規開拓」をする上で、重要な役割を担っていると言えます。
一般顧客向けでも企業向けでも、話す内容や応対はある程度マニュアル化されているので、話術はさほど要求されません。また、テレアポは女性の声が求められることも多いですが、商品や目的によっては男性歓迎のところも多いようです。
おおよその年収
平均年収は240万円~500万円ほどです。テレアポの場合、正社員よりも派遣やアルバイトという雇用形態が多い実態があります。ただ、アルバイトにしては高時給で歩合給がつくことも多く、経験を積んだ正社員の場合、営業職と変わらないほどの給与を手にする人も中にはいるようです。
求められる能力 ~精神力・忍耐力・鈍感力~
テレアポには学歴や資格は一切必要ありません。必要なのは度胸とタフさ、「慣れ」です。電話で話す内容もマニュアル化され、トークスクリプト(電話で話す内容が書かれてある台本)も準備されているので、やる気さえあれば、誰にでもできる仕事と言えます。
しかしテレアポは一歩間違えれば、迷惑電話にもなり兼ねません。ときにはひどい罵倒を受けたり、成果が出ずに1日中断られ続けたりすることも多い仕事です。そのようなことが当然なので、相手から電話をガチャ切りされてもへこまないタフな精神力こそが必要です。嫌なことをいちいち気にせず、次の電話を掛けられる気持ちの入れ替え、良い意味での「鈍感力」が大切です。また、決められた勤務時間内は座って電話をし続ける仕事なので、集中力も求められます。
向いている人柄 ~気持ちの入れ替えが上手な人~
テレアポと言うと、話術に長けているような人が向いていると思われがちですが、長い目で見ると、神経の図太い人のほうがより向いています。ただ、テレアポは続けるうちに慣れていくので、忍耐強い人も活躍できるはずです。また、嫌なことを引きずることなく、パッと気持ちの入れ替えをできるような人が向いています。
仕事のやりがい ~「Yes」と言ってもらえる瞬間~
テレアポは、商品やサービスをおススメしても断られることが当然な仕事。ネガティブな印象を持たれがちな仕事ですが、「じゃあ買ってみようかな」と提案を受け入れてもらえた答えをもらえたときは気分も上がり、やりがいを感じられるはずです。B to Bの企業でのテレアポだと、一本の電話が何百万円もの利益につながることもあり、それが報酬という形で反映されれば、モチベーションもアップし、より一層テレアポのコツが掴めるようになるはずです。
仕事の辛いところ ~単調になりやすく、飽きてしまうことも~
電話口で「いらない!」、「忙しいのに電話してくるな!」と怒られることも多い仕事なので、精神的に参ってしまうこともあるでしょう。また、時にはどんなに頑張っても、結果につながらず、自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。
また、仕事に慣れていくことによって、毎日同じことの繰り返しで、将来のビジョンを見失いがちになってしまうことも、この仕事ならではの辛さと言えるでしょう。とは言え、テレアポは営業の基本中の基本なので、度胸や忍耐力が鍛えられることも確かです。(ライター:二之形幸子)