店舗開発 ~利益を出す店舗づくりの仕掛け人~
仕事の役割 ~立地調査からマーケティング、売り上げ予測まで~
店舗開発は、オープン予定の店舗が確実に利益を生み出すように、さまざまな角度からアドバイス・サポートをする仕事です。飲食店や小売店、各種のサービス業まで、さまざまな店舗の開発に関わります。
ひとつの店舗をオープンするにあたっては、不動産業者や店舗デザイナー、施工業者など、さまざまな分野の人が仕事に関わります。その中心になって、人と人をコーディネートし、店舗づくりをしていくのが、店舗開発の主な仕事です。具体的な流れは、オーナーから出店計画を受け、オープンエリアを絞り込むことから始まります。不動産会社などを通じて具体的な候補地やテナントビルをピックアップ。次に、エリア周辺の人口や競合店舗などの調査など、地道にマーケティングを行います。
そのマーケティング結果から、1日のお客様の人数、客単価、1日の売上予測などを導きだし、オーナーにプレゼンテーション。それが受け入れられれば、店舗のオープンとなります。ゼロから“売れるお店”を作り出すという、大きなやりがいと責任がある仕事と言えるでしょう。
おおよその年収
平均年収は約600万円と、比較的年収の高い職種です。全国展開するコンビニエンスストアや大手チェーン店など本社勤務の場合、1000万円以上を稼ぎ出す人も珍しくありません。
求められる能力 ~オーナーの夢を実現させていく情熱~
大前提として、小売店経営に関するノウハウや、そしてその店舗で扱う商品・サービスの知識は必要不可欠です。その上で、利益を生み出す店舗づくりには、発想力や情報収集力、交渉力、プレゼンテーション力など、あらゆる能力が求められます。マーケティングや不動産、ファイナンシャルプランニングなどの知識なども必要になります。開発した店舗が本当に利益を出せるのか、売り上げや人材、将来の経済状況など幅広い面から判断するスキルが求められます。
不動産業者をはじめ、建築設計士、施工管理会社など、さまざまな人と接する仕事なので、コミュニケーションスキルは第一条件でしょう。さらには複数の店舗を同時に開発するケースも多いので、スケジュール管理能力も必要です。年収も比較的高く、憧れる人も多い職種ですが、誰にでもできる簡単な仕事ではありません。最終的には、店を開店したい、というオーナーの夢をいっしょに実現させようとする情熱や総合的な人間力が問われる仕事です。
向いている人柄 ~厳しいビジネスセンスと対人能力~
店舗開発の基本は、新しいモノ・コトを創り出していく仕事なので、発想力の豊かさが求められます。出店だけなら誰でもできますが、利益を生み出す店舗づくりとなると、当然のことながらビジネスセンスが求められます。そういう意味では数字の動きに敏感・シビアに考えられる人が向いています。また、さまざまな人と関わりながら仕事をするので、コミュニケーションスキルが高くないと務まりません。
仕事のやりがい ~自分がプロデュースした店の成長を見守る~
店舗開発はオーナーの「開店」の夢を、理想に近い形で実現させていく仕事です。それがたとえ、自分の夢ではないにしても、人の夢を叶えるサポート役としてはとてもやりがいのある仕事でしょう。お店が出来上がったときには自分のことのように嬉しさを感じますし、出店後もお店の成長を見守り続けることは仕事のやりがいにつながっていきます。
仕事の辛いところ ~手掛けたお店が閉店することも…~
お店を開店させるのは、確かに楽しい仕事ですが、常に売り上げを意識しなければいけないところが、この仕事の辛いところです。売り上げの数字が悪くても、それを改善するマニュアルはありません。常に、自分の頭で考え、答えを導き出さなければいけないのです。どんなに努力しても時間をかけても閉店という結果につながってしまうこともあり、それがこの仕事の避けられない辛さです。(ライター:二之形幸子)