ITエンジニアが人事異動を有利に導くには
ITエンジニアも人事異動と無関係ではいられません。プロジェクトの中核を担っている場合は、異動の可能性は低いですが、異動の判断を下すのは上司や人事部です。個人の成長、あるいは後任に経験を積ませるなどさまざまな理由で、異動の可能性が考えられます。
人事異動で心得ておきたいスタンス
ときには、自分の希望に沿わない異動もあるでしょう。そういったことのマイナス影響をできるだけ少なくし、人事異動を有利に導くことはできるのでしょうか。人事異動においては、次のようなスタンスを保つことをおすすめします。
- 異動命令が下されたら、まずは受け入れる
- 未経験のことは向いているか判断が難しい
- 仕事において予想外のことは起きるものだと認識する
自分の意に沿わない異動だとしても、後から振り返れば貴重な経験だと分かることもあります。今のあなたが、過去の経験の蓄積によって形成されているように、異動を自分の糧(かて)にできるよう心の準備をしておきましょう。
希望の異動を受け入れてもらうには
逆に、自分から異動を希望する場合もあるでしょう。現在の配属先では得られない経験を積みたい、より大きなプロジェクトに参加したい……。こういった希望を叶えるために、やはり他部署での勤務が有利になることもあります。ここでは具体的なアクションを3つご紹介しましょう。
1. 普段から、携わりたい業務などを上司に話しておく
上司との時間は、それほど多く持てません。だからこそチャンスを逃さず、希望があれば上司に伝えておいてください。飲み会や定期的な面談時がよい機会です。もちろん希望したからといって、すぐに願いが叶うとは限りません。しかし上司がそれを覚えていれば、例えば新規事業を起こすタイミングなどで声を掛けてもらえることがあります。
2. 与えられた仕事を確実にこなし名前を覚えてもらう
あなたが仕事に取り組む姿勢は、確実に誰かに見られています。これは、1か月や2か月などの短期間に判断できるものではありません。長期間にわたる仕事の成果が蓄積され、信頼へとつながるのです。一足飛びに信頼を得ることは難しく、信頼の蓄積には時間がかかるでしょう。そのためにも、日々のルーチンワークから突発的な頼まれごとまで、与えられた仕事はきっちりとまっとうすることが大事です。
3. 自己の成長に努め、それを知ってもらう
人がどれだけ成長したかは、周囲には伝わりづらいものです。しかし資格を取得したこと、勉強会への参加などで得た情報などを社内で共有するなどすれば、周囲に「あいつは頑張っているな」とわかってもらうことができます。努力したからといって必ず伝わるものではないため、異動を有利にするためには、自分から“伝える”工夫も必要です。
もちろん、上司といっても色んなタイプの人がいます。また企業によっては、全く希望を見出せないということがあるかもしれません。どうしても異動が叶わないのであれば、転職で環境を変えることも方法の一つです。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)