• 「この泥舟から逃げ出したい」 東京電力社員×3人座談会(前編)

     去年の福島第一原発の事故以来、社会から厳しい視線にさらされてきた東京電力。事故後に経営陣の対応の悪さなどが重なり、「隠蔽(いんぺい)体質」「無責任」など、世間からは批判の声が今も絶えない。

     こうした状況の中で、現場で働く社員たちは、今、どんなことを思っているのだろうか。

     今回、キャリコネ編集部では、3人の東電社員に集まってもらい、「完全覆面形式」の座談会を開催。東京電力という会社についてや、震災後の仕事や給与、そして世間からの批判などに対して、本音で語ってもらった。

     

    <座談会メンバー>

    水野ひさお(仮名):40代前半の男性、関東にある支店の総務部門

    荒木ひろし(仮名):30代前半の男性、本店の法人営業部門


    南なおや(仮名):20代後半の男性、本店の海外事業部門


    司会:キャリコネ編集部

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    編集部
    本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。まずそれぞれの自己紹介からお願いします。

    荒木
    荒木です。この仮名、うちの歴代社長の名前ですよね。

    水野
    水野です。そうなんですか。私は社史に疎いので気づきませんでした。

    荒木
    原発事故の責任を取って辞めた清水正孝社長の前まで、なんと半世紀近くも歴代の社長はすべて東京大学の出身者でしたよね。

    水野
    いやあ、それも知りませんでした。確か、清水社長は慶応大学の出身でしたよね。ところで、みなさんの出身大学はどこですか。


    南です。まあ、大学の名前を言うのはやめませんか。私は「都内の私立大」で勘弁してほしいです。

    荒木
    私も「都内の私立大」ということにしてください。

    水野
    では、私も「都内の国立大」ということにしておきます。3人とも文系ですよね。では、最初に私から今の仕事について話したいと思います。


    「おまえの給料を削れ!」と罵倒される

    水野
    地方勤務は、私だけですよね。私は、首都圏の県庁所在地の支店で、総務部門に所属しています。ちなみに、海がない県です。

    編集部
    東京電力で支店はどんな位置付けなんですか?

    水野
    東京電力は、本店―支店―支社という階層になっているんです。一般には「支社」という言葉のほうが大きなイメージがありますよね。でも、東電では「支社」は「支店の下」なんです。私は支店の総務部門で、一般管理を担当しています。具体的には「不動産屋」です。

    荒木
    ということは、電柱とかを立てさせてもらっている私有地の所有者と、借地の更改をする仕事ですか?震災後は契約更新が大変な仕事ですよね。やっぱり結構、地権者の人からイヤミを言われたりするんですか?

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