「ぼく、タダで音楽聞けないと学校でいじめられるんだよ!」と叫んだ小学生の話 2014年4月23日 おんなPCサポーターが行く! ツイート 私たちの時代、音楽はCDで聴くものでしたが、今は若い人たちを中心に「ネットで買ってネットで聞く」というのが主流になっております。自宅にCDプレイヤーがない、という家もそこそこ耳にします。 この「ネットde音楽」の影響が、PCサポーターという私の仕事にも絡んできます。ネットにつながないと音楽が聞けない、だからネット環境整えてよ!というわけです。しかし中には、思わぬ形で頭の痛い話を目の当たりにすることもあります。(ライター:光明隠歌) ネット環境がないと学校の話題に入れない 数年前のこと。その日のお仕事は、新規にインターネットを接続する設定のお仕事で、お母さまが1人で自宅に待っていてくださいました。女性設定員だということで安心したのか、設定が終わったあと、唐突に話を切り出しました。 「これって、あなたに聞くことじゃないかもしれないんだけど…」 小学5年生になる息子さんが、ネットで音楽を聞きたいとうるさいのだそうです。周囲の子たちは、親に携帯プレイヤーを買ってもらっているらしく、今までネット環境がなかったために、学校での会話に入れないことが多かったのだとか。 確かに私の時代も、ドラマやバラエティなどのTV番組を見てなくて、学校での話題についていけなかったってことはあったなあ……と思いだしました。子供の学校での問題はその辺、不変なのかもしれません。 「で、今日ネットつながるって聞いたから、そのやり方も教えて欲しいなって」 これは業務内容には入ってなくて、やるとしても通常は追加料金だったりするのですが、なんとなく同情してしまい、サービスで教えてあげることにしました。もちろんiTuneでの音楽購入のやり方を、です。 そこに帰ってきたのが、小5の息子さん。「ほら、インターネットの人が来てくれたわ」というお母さんの話を聞いて、私の顔を見るなりこんなことを言い出したのです。 「おねーさん! 音楽を聞く方法教えて! 無料で!」 「お母さんが警察に連れてかれるよ?」となだめたが ネットで買って 息子さんは、「音楽はタダでパソコンとかに入れて聞けるんでしょ? 学校の友達、みんなそうしてるって聞いたし」と言っています。一瞬、YouTubeあたりのことかしらと思ったのですが、どうも違うらしいのです。 その子が言うには、どんな曲も無料で聞けて、しかもiPodなどに無料でダウンロードできるサイトがあると。おそらく、違法ダウンロードサイトを使っているのでしょう。 「ぼく、タダで音楽聞けないと学校でいじめられるんだよ! みんなタダで聞いてるって言ってるし!」 そうか、今のいじめって、家庭にネット環境がなかったり、違法ダウンロードがなかったりするのも原因になるんだ……。いや、いじめの原因はそれだけじゃないでしょうが。 もちろん「仕事」として違法ダウンロードサイトを教えるわけには行きません。そこでお母さまにiTuneのやり方と、「ここはお金を出して買うところです。買ってあげてください」と伝えました。そして息子さんには、こう言ってなだめました。 「タダで音楽を聴くと、お母さんが警察に連れてかれるよ? 他の子たちも警察が知ったら、みんな逮捕されちゃうよ? それでもいい?」 そして、小学生でこんな調子じゃ、そりゃあ違法ダウンロードサイトもなくならねえなあ、学校ではネットリテラシー教育とかやってないのか、と暫く考えてしまったのでした。 なお、同じような相談は、実は別の家庭の親御さんからも来たりしています。「うちの子に無料音楽ダウンロードの方法を教えてあげて!」というやつです、いまだに。 あわせてよみたい:おんなPCサポーターが行く!バックナンバー 【プロフィール】光明隠歌PCサポート一筋の30代元OL。IT企業を12年間渡り歩き、一般家庭や中小企業を対象に、パソコン・周辺機器の「出張設定」「修理」「電話・メールのサポート」「インストラクター」などを経験。月平均80件、多いときには月150件の出張設定をこなしたことも。現在は北陸地方でフリーのPCサポート業を営む。ツイッター(@koumyonakakureg)
「ぼく、タダで音楽聞けないと学校でいじめられるんだよ!」と叫んだ小学生の話
私たちの時代、音楽はCDで聴くものでしたが、今は若い人たちを中心に「ネットで買ってネットで聞く」というのが主流になっております。自宅にCDプレイヤーがない、という家もそこそこ耳にします。
この「ネットde音楽」の影響が、PCサポーターという私の仕事にも絡んできます。ネットにつながないと音楽が聞けない、だからネット環境整えてよ!というわけです。しかし中には、思わぬ形で頭の痛い話を目の当たりにすることもあります。(ライター:光明隠歌)
ネット環境がないと学校の話題に入れない
数年前のこと。その日のお仕事は、新規にインターネットを接続する設定のお仕事で、お母さまが1人で自宅に待っていてくださいました。女性設定員だということで安心したのか、設定が終わったあと、唐突に話を切り出しました。
小学5年生になる息子さんが、ネットで音楽を聞きたいとうるさいのだそうです。周囲の子たちは、親に携帯プレイヤーを買ってもらっているらしく、今までネット環境がなかったために、学校での会話に入れないことが多かったのだとか。
確かに私の時代も、ドラマやバラエティなどのTV番組を見てなくて、学校での話題についていけなかったってことはあったなあ……と思いだしました。子供の学校での問題はその辺、不変なのかもしれません。
これは業務内容には入ってなくて、やるとしても通常は追加料金だったりするのですが、なんとなく同情してしまい、サービスで教えてあげることにしました。もちろんiTuneでの音楽購入のやり方を、です。
そこに帰ってきたのが、小5の息子さん。「ほら、インターネットの人が来てくれたわ」というお母さんの話を聞いて、私の顔を見るなりこんなことを言い出したのです。
「お母さんが警察に連れてかれるよ?」となだめたが
息子さんは、「音楽はタダでパソコンとかに入れて聞けるんでしょ? 学校の友達、みんなそうしてるって聞いたし」と言っています。一瞬、YouTubeあたりのことかしらと思ったのですが、どうも違うらしいのです。
その子が言うには、どんな曲も無料で聞けて、しかもiPodなどに無料でダウンロードできるサイトがあると。おそらく、違法ダウンロードサイトを使っているのでしょう。
そうか、今のいじめって、家庭にネット環境がなかったり、違法ダウンロードがなかったりするのも原因になるんだ……。いや、いじめの原因はそれだけじゃないでしょうが。
もちろん「仕事」として違法ダウンロードサイトを教えるわけには行きません。そこでお母さまにiTuneのやり方と、「ここはお金を出して買うところです。買ってあげてください」と伝えました。そして息子さんには、こう言ってなだめました。
そして、小学生でこんな調子じゃ、そりゃあ違法ダウンロードサイトもなくならねえなあ、学校ではネットリテラシー教育とかやってないのか、と暫く考えてしまったのでした。
なお、同じような相談は、実は別の家庭の親御さんからも来たりしています。「うちの子に無料音楽ダウンロードの方法を教えてあげて!」というやつです、いまだに。
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【プロフィール】光明隠歌
PCサポート一筋の30代元OL。IT企業を12年間渡り歩き、一般家庭や中小企業を対象に、パソコン・周辺機器の「出張設定」「修理」「電話・メールのサポート」「インストラクター」などを経験。月平均80件、多いときには月150件の出張設定をこなしたことも。現在は北陸地方でフリーのPCサポート業を営む。ツイッター(@koumyonakakureg)