「上司と一緒にタバコを吸えば出世する」 時勢に逆行するIT企業たち 2012年8月10日 企業徹底研究 ツイート ここ数年で、オフィスが全面禁煙になった会社も少なくない。喫煙者の肩身は狭くなるばかりである。一方、喫煙者たちが集まって、タバコ部屋で重要な決定を行っている会社もあるようだ。喫煙者の横のネットワークから、次の抜擢が決まったりする。 いまや喫煙は、飲酒とともに「共犯感覚」を高める行為になっているのかもしれない。興味深いことに、口コミサイトのキャリコネには「タバコの大切さ」を説く有名IT企業の社員の書き込みが少なくない(ただし、現時点では禁煙になっている可能性もある)。 「上司とタバコを毎日吸いに行ったりお酒を一緒に飲む人など行動を共にする人が出世します。技術力で出世する場合もなくはないですが、ほんのひとにぎり。開発であればいろんな人とコミニュケーションをどんどんとって管理職を回してもらえるよう頑張りましょう。どこの会社もおんなじです」(ジャストシステム、30代前半の男性社員) ◇ 「仕事ができる」だけではダメ! 部長と世間話ができるか 「どこの会社もおんなじ」という言い方はやや大げさな気もするが、それでも確かに「出世にはタバコ」と指摘する人は多い。楽天、ヤフーの2大ネット企業の社員も、揃って喫煙を勧めている。 「(出世するのは)上司にこびれる人。それだけ。能力は関係なし。タバコ部屋でたばこを上司と一緒にすえば出世する。仕事ができる人で、上とぶつかりあってでも頑張る人は出世しない」(ヤフー、30代後半の男性社員) 「タバコを吸える人。酒を飲める人。人ともめずに社長を含め有力な人と陰で仲良くしちゃえるか。(略)所詮人当たりが良いマイナスが無く、酒好きかタバコで根回しのできる人間」(楽天、30代前半の男性社員) 部下や後輩を引き上げるのは、上司や先輩の専権事項だ。「こいつと一緒に仕事がしたい」「こいつに仕事をやらせてみたい」と思わせなければ、出世も仕事もやってこない。仕事の能力を客観的に計測するなんて不可能。いくら頭が良くてもグループワークができなければ、会社で使える人間と認められない。 要するに「あいつは感じがいい」と思われることが条件であり、そのためにはオッサンたちとの付き合いがよくなくてはならない(そのかわり、酒を飲まない上司には、下戸の部下の方が可愛がられる可能性がある)。 「仕事ができる人は沢山いるが、部門トップに気に入られないと、幹部社員になることができない。(略)出世したければ、たばこ部屋で部門トップと会話をする機会を増やし、世間話を通して、自分を売り込むことが重要である」(富士通、30代後半の男性社員) ◇ 「タバコの銘柄は覚えておいたほうがよい」 ある会社の20代後半の男性は、自社の状況を「仕事できるヤツはつぶされる」「ゴマすりがうまいイエスマンが上にあがっていく」と説明している。 「タバコの銘柄は覚えておいたほうがよい。仕事で上司より目立たず、なんでも言うことを聞けてなおかつタバコと酒が好きなら出世できる。仕事で結果を出したい人にはすすめない」(SGシステム<旧:佐川コンピューター・システム>、 20代後半の男性社員) もし、自分が吸わなくても、居酒屋でタバコを切らした上司に「部長、マイルドセブンですよね。買ってきますよ。あ、今度メビウスって名前が変わるんですよね」というくらいのお愛想は言えたほうがいいということだろうか。 バカバカしいと思うかもしれないが、もしあなたの部署にガンダムもドラクエも知らない後輩が入ってきたら、どう思うだろうか。同じ程度の能力なら、趣味が同じで人間関係がより良好で濃厚な後輩の方を取り立てるに違いない。仕事も会社も、そういうものなのである。 【その他の企業徹底研究の記事はこちら】 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年7月末現在、45万社、19万件の口コミが登録されています。
「上司と一緒にタバコを吸えば出世する」 時勢に逆行するIT企業たち
ここ数年で、オフィスが全面禁煙になった会社も少なくない。喫煙者の肩身は狭くなるばかりである。一方、喫煙者たちが集まって、タバコ部屋で重要な決定を行っている会社もあるようだ。喫煙者の横のネットワークから、次の抜擢が決まったりする。
いまや喫煙は、飲酒とともに「共犯感覚」を高める行為になっているのかもしれない。興味深いことに、口コミサイトのキャリコネには「タバコの大切さ」を説く有名IT企業の社員の書き込みが少なくない(ただし、現時点では禁煙になっている可能性もある)。
「上司とタバコを毎日吸いに行ったりお酒を一緒に飲む人など行動を共にする人が出世します。技術力で出世する場合もなくはないですが、ほんのひとにぎり。開発であればいろんな人とコミニュケーションをどんどんとって管理職を回してもらえるよう頑張りましょう。どこの会社もおんなじです」(ジャストシステム、30代前半の男性社員)
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「仕事ができる」だけではダメ! 部長と世間話ができるか
「どこの会社もおんなじ」という言い方はやや大げさな気もするが、それでも確かに「出世にはタバコ」と指摘する人は多い。楽天、ヤフーの2大ネット企業の社員も、揃って喫煙を勧めている。
「(出世するのは)上司にこびれる人。それだけ。能力は関係なし。タバコ部屋でたばこを上司と一緒にすえば出世する。仕事ができる人で、上とぶつかりあってでも頑張る人は出世しない」(ヤフー、30代後半の男性社員)
「タバコを吸える人。酒を飲める人。人ともめずに社長を含め有力な人と陰で仲良くしちゃえるか。(略)所詮人当たりが良いマイナスが無く、酒好きかタバコで根回しのできる人間」(楽天、30代前半の男性社員)
部下や後輩を引き上げるのは、上司や先輩の専権事項だ。「こいつと一緒に仕事がしたい」「こいつに仕事をやらせてみたい」と思わせなければ、出世も仕事もやってこない。仕事の能力を客観的に計測するなんて不可能。いくら頭が良くてもグループワークができなければ、会社で使える人間と認められない。
要するに「あいつは感じがいい」と思われることが条件であり、そのためにはオッサンたちとの付き合いがよくなくてはならない(そのかわり、酒を飲まない上司には、下戸の部下の方が可愛がられる可能性がある)。
「仕事ができる人は沢山いるが、部門トップに気に入られないと、幹部社員になることができない。(略)出世したければ、たばこ部屋で部門トップと会話をする機会を増やし、世間話を通して、自分を売り込むことが重要である」(富士通、30代後半の男性社員)
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「タバコの銘柄は覚えておいたほうがよい」
ある会社の20代後半の男性は、自社の状況を「仕事できるヤツはつぶされる」「ゴマすりがうまいイエスマンが上にあがっていく」と説明している。
「タバコの銘柄は覚えておいたほうがよい。仕事で上司より目立たず、なんでも言うことを聞けてなおかつタバコと酒が好きなら出世できる。仕事で結果を出したい人にはすすめない」(SGシステム<旧:佐川コンピューター・システム>、 20代後半の男性社員)
もし、自分が吸わなくても、居酒屋でタバコを切らした上司に「部長、マイルドセブンですよね。買ってきますよ。あ、今度メビウスって名前が変わるんですよね」というくらいのお愛想は言えたほうがいいということだろうか。
バカバカしいと思うかもしれないが、もしあなたの部署にガンダムもドラクエも知らない後輩が入ってきたら、どう思うだろうか。同じ程度の能力なら、趣味が同じで人間関係がより良好で濃厚な後輩の方を取り立てるに違いない。仕事も会社も、そういうものなのである。
【その他の企業徹底研究の記事はこちら】
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年7月末現在、45万社、19万件の口コミが登録されています。