下水道談合 大成建設など逆転敗訴 “上に弱く、弱いものを虐げる”ゼネコンの体質 2012年2月23日 今日の口コミ&年収 ツイート 東京都多摩地区の下水道工事の入札を巡って大成建設などゼネコン4社が独占禁止法違反(不当な取引制限)に問われていた訴訟で、最高裁判所の第1小法廷は、2月20日にゼネコン側の逆転敗訴を確定させた。 公取取引委員会は、2008年に、都の公社が1997-2000年に発注した工事で談合があったとして合計で約1億円の課徴金納付を命じた。しかし、10年3月の東京高裁の判決では「自由な営業活動の排除があったと認定する証拠はない」として、公取委の審決を取り消し、ゼネコン側に有利な判断を示した。 これに対し、今回、最高裁の第1小法廷は「話し合いで落札予定者や価格を決定し、落札に協力するという内容の取り決めがあった」として、談合に当たると判断した。 国内市場の縮小傾向に歯止めがかからない建設業界には以前から、このような談合体質が残っていると噂されており、大手といえども不透明な経営が指摘されている。 今回の訴訟で対象となったゼネコンは大成建設、飛島建設(東京・千代田)、奥村組(大阪市)、新井組(兵庫県西宮市)の4社。その1社で、大手の一角である大成建設について、キャリコネの口コミから、その内実をのぞいてみた。 ◇ 大成建設の社員の口コミで特徴的なのが、 「残業が多く、休日が少ないこと」 と嘆く社員の多さだ。 20代前半で施工管理担当の男性は 「現場は一部の仕事好きの人以外にとっては辛い辛い仕事です」 と訴えている。 一方で、厳しい経営環境のために、休みなく働いても必ずしも給与に反映されるわけでもないという。 「2009年の下半期に会社の業績不振から給与カットがあった」 と言うのは、30代前半の施工管理担当の男性社員。この男性は給与カットと併せて行われた業務命令で起きた現場の混乱と会社の体質を次のように話している。 「主任以下の残業代をカットし、上層部は主任以下を18時に帰せという大号令があったため、実質サービス残業状態になった。耐えかねたある作業所の人間が労基署に内部告発した。会社の体質はこのような弱い者を虐げる古典的な風潮が残念ながら残っている」 官庁など上に弱く、社員をはじめ内部の「弱いものを虐げる体質」があると言われているゼネコン。こうした体質を正さない限り、大手といえども将来は暗いだろう。
下水道談合 大成建設など逆転敗訴 “上に弱く、弱いものを虐げる”ゼネコンの体質
東京都多摩地区の下水道工事の入札を巡って大成建設などゼネコン4社が独占禁止法違反(不当な取引制限)に問われていた訴訟で、最高裁判所の第1小法廷は、2月20日にゼネコン側の逆転敗訴を確定させた。
公取取引委員会は、2008年に、都の公社が1997-2000年に発注した工事で談合があったとして合計で約1億円の課徴金納付を命じた。しかし、10年3月の東京高裁の判決では「自由な営業活動の排除があったと認定する証拠はない」として、公取委の審決を取り消し、ゼネコン側に有利な判断を示した。
これに対し、今回、最高裁の第1小法廷は「話し合いで落札予定者や価格を決定し、落札に協力するという内容の取り決めがあった」として、談合に当たると判断した。
国内市場の縮小傾向に歯止めがかからない建設業界には以前から、このような談合体質が残っていると噂されており、大手といえども不透明な経営が指摘されている。
今回の訴訟で対象となったゼネコンは大成建設、飛島建設(東京・千代田)、奥村組(大阪市)、新井組(兵庫県西宮市)の4社。その1社で、大手の一角である大成建設について、キャリコネの口コミから、その内実をのぞいてみた。
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大成建設の社員の口コミで特徴的なのが、
「残業が多く、休日が少ないこと」
と嘆く社員の多さだ。
20代前半で施工管理担当の男性は
「現場は一部の仕事好きの人以外にとっては辛い辛い仕事です」
と訴えている。
一方で、厳しい経営環境のために、休みなく働いても必ずしも給与に反映されるわけでもないという。
「2009年の下半期に会社の業績不振から給与カットがあった」
と言うのは、30代前半の施工管理担当の男性社員。この男性は給与カットと併せて行われた業務命令で起きた現場の混乱と会社の体質を次のように話している。
「主任以下の残業代をカットし、上層部は主任以下を18時に帰せという大号令があったため、実質サービス残業状態になった。耐えかねたある作業所の人間が労基署に内部告発した。会社の体質はこのような弱い者を虐げる古典的な風潮が残念ながら残っている」
官庁など上に弱く、社員をはじめ内部の「弱いものを虐げる体質」があると言われているゼネコン。こうした体質を正さない限り、大手といえども将来は暗いだろう。